初期FLOYDの名曲群を現代に甦らせ、世界中から絶賛を集めているNICK MASON'S SAUCERFUL OF SECRETS。その貴重極まるオリジナル録音がリリース決定です。本作は、録音家本人から譲られたオリジナル・マスター。その貴重度だけでもコレクター必携なのですが、実のところ本作はコレクター向けではない。入門にもピッタリな最高傑作2CD『DEFINITIVE BOSTON 2019』も登場しますが、それでもまだ二の足を踏んでいる方にも「これで初期FLOYDの世界をご体験ください!」と大推薦したい極上ライヴアルバムなのです。そんな本作が録音されたのは「2019年4月30日:アイルズベリー公演」。つい先日終了したUKツアーの一幕です。まずは、彼らの活動全景からショウのポジションをイメージしてみましょう。 ●2018年・5月20日-24日:英国#1(4公演)・9月2日-21日:欧州#1(15公演)・9月23日-29日:英国#2(6公演)●2019年・3月12日-4月22日:北米(28公演)・4月29日-5月4日:英国#3(5公演)←★ココ★ >>今ココ<<・7月3日-27日:欧州#2(15公演) これがSAUCERFUL OF SECRETSの全景。今週登場する最高傑作『DEFINITIVE BOSTON 2019』は「北米」ツアーから誕生しましたが、本作はその後のイギリス凱旋ツアー。その2公演目にあたるコンサートです。このショウはすでに『AYLESBURY 2019』でもレポートしておりますが、本作はまったくの別録音。当店ではお馴染み“英国の巨匠”によるオーディエンス録音なのです。しかも、サウンドは極上。Amity盤からして「英国#3」のベスト作として大好評を賜っておりますが、本作も勝るとも劣らない名録音なのです。その最大のポイントは輝くようなクリアさ。巨匠はDAT録音によるリアルな現場ムードも大事にする録音家ですが、本作は彼のコレクションでもズバ抜けてクリアなのです。もちろん、熱狂はリアルですし、サウンドボードと間違えるような密着感とも違うのですが、空気感が澄み渡っており、芯がダイレクトに飛び込んでくる。そして、ディテール。エッジはキリッと鋭く、グルーヴはヴァイヴに至るまで鮮明。全楽器の全音域でクリアなのですが、特に圧倒的なのは(普通の客録なら弱みになりかねない)リズム隊。スネアの皮は破裂感寸前の鮮やかさで、ベースもゴリゴリとした立ち上がりから“うねり”を描く鳴りに変化していく様までシッカリと分かる。それこそ、ステージからマイクまでの空間が真空なんじゃないかと思う(本当に真空なら音が伝わりませんが)ほどに曇りや濁りがないのです。そんなサウンドで描かれる初期FLOYDの名曲群は、まさに輝きのショウ。動画サイトでご覧になった方ならピンと来ると思いますが、SAUCERFUL OF SECRETSのショウはサイケデリックなイメージを全面に押し出しているものの、それを描くテクノロジーは最新。鮮やかでシャープな光芒が乱舞し、本当の60年代・70年代では叶わなかったカラフルな幻惑感で観客を酔わせています。本作は、その音声版と言ってもいい。演奏されるメロディもビートも当時のサイケデリック感が爆発していますが、クリア・サウンドによってヴィンテージ感覚が払拭。当時のFLOYDが描こうとしていた近未来感さえ漂わせているのです。これまで40作あまりのライヴアルバムでSAUCERFUL OF SECRETSをリアルタイム・レポートしてきましたが、今週は遂に究極のプレス盤『DEFINITIVE BOSTON 2019』が誕生しました。 Live at Friars @ 50, Waterside Theatre, Aylesbury, UK 30th April 2019 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)*UPGRADE Disc 1(55:56) 1. Intro 2. David Stopps Friars Aylesbury Announcement 3. Interstellar Overdrive 4. Astronomy Domine 5. Nick Mason Introduction 6. Lucifer Sam 7. Fearless 8. Obscured By Clouds 9. When You're In 10. Remember A Day 11. Arnold Layne 12. Vegetable Man 13. Nick Mason Band Member Introductions 14. If 15. Atom Heart Mother 16. If (reprise) Disc 2(59:04) 1. The Nile Song 2. Guy Pratt Speaking 3. Green Is The Colour 4. Gary Kemp Speaking 5. Let There Be More Light 6. Childhoods End 7. Nick Mason Introduction 8. Set The Controls For The Heart Of The Sun 9. See Emily Play 10. Bike 11. One Of These Days 12. Saucerful Of Secrets 13. Point Me At The Sky