遂に誕生した初期FLOYD復刻プロジェクトの究極ライヴアルバム。NICK MASON'S SAUCERFUL OF SECRETSの最高傑作となる超絶の1本がCD化決定です。当店ではこれまで幾多のライヴアルバムをご紹介してきましたが、サウンド的にも内容的にも本作以上はない。未だ公式作品のないSAUCERFUL OF SECRETSにとって、まさに最高傑作。史上最高の大名盤です。そんな本作に収められているのは「2019年4月13日ボストン公演」。その超絶級マトリクス・アルバムです。これまではコレクター諸兄のために1日単位の日程でコレクションを整理してきましたが、本作はありとあらゆるロック・ファンに親しんでいただける超名盤。「最初の1本」にもこれ以上ないライヴアルバムだけに、ここでは本作が初体験となる方にも入りやすいよう、彼らの活動全景からショウのポジションを確かめておきましょう。 ●2018年・5月20日-24日:英国#1(4公演)・9月2日-21日:欧州#1(15公演)・9月23日-29日:英国#2(6公演)●2019年・3月12日-4月22日:北米(28公演)←★ココ★・4月29日-5月4日:英国#3(5公演) >>今ココ<<・7月3日-27日:欧州#2(15公演) これが公表されているSAUCERFUL OF SECRETSの全公演。現在の彼らは母国の凱旋ツアーも終え、夏の大陸ヨーロッパツアー「欧州#2」に向けての充電期間です。すでに「英国#3」のアーカイヴも始まっていますが、本作が記録されたボストン公演はその前にあたる「北米」レッグ。その後期22公演目にあたるコンサートでした。このショウはすでに『BOSTON 2019(Amity 549)』でもレポートしておりますが、本作は完全に別物。まったく異なる極上オーディエンス録音2種をマトリクスさせたライヴアルバムなのです。そのクオリティは………どんな言葉で形容すれば良いのか悩むほど。元となった2種のソースが極上なのは当然ですが、マッチングも編集もパーフェクト。芯、ディテール、鳴り、ダイレクト感……思いつく限りの視点でチェックしてもすべてが完全無欠なのです。これは本当に、本当に凄い事。何しろ、本作の主役はSAUCERFUL OF SECRETS。これまで40作ほどのライヴアルバムをご紹介してきましたが、プレス化まで到達したのは2本のみ。『PARIS OLYMPIA 2018(Sigma 222)』と本作だけなのです。それだけでも“音の高み”をご理解いただけると思いますが、実はそれ以上。実のところ、PINK FLOYDのファンはロック界でも並ぶ者がないほど“サウンド”への意識が高く、SAUCERFUL OF SECRETSのオーディエンス録音も極上レベルばかり。それでもなお、本作のサウンドはそんな傑作群が束になっても敵わず、「次元が違う」と一蹴してしまう。「まるでサウンドボード」「オフィシャル級オーディエンス」等と形容する事もできますが、言葉で表現すればするほど、貶めているような気がしてならない。ロック界最高峰となるPINK FLOYDテーパーでも、1本の客録では成し得なかったサウンドをマトリクスで実現させた……まさに現場以上、ロック界最高峰の超絶サウンドなのです。そのサウンド・クオリティだけで文化遺産級ですが、ショウの内容も負けていないから驚く。本作の「北米」レッグはプレス前作『PARIS OLYMPIA 2018』の「欧州#1」よりも「Remember A Day」「Childhood's End」が多く、これまでのライヴ演奏したすべてのレパートリーを網羅した決定的なセット。今後行われる「欧州#2」や2020年に向けてどんなショウを構想しているかは分かりませんが、今年75歳を迎えたニックが今以上に長時間のショウを行うとは考えにくい。新味を求めて新しいレパートリーと入れ替える事は十分にあり得るものの、そうするとプロジェクト当初に想定されていない「コレぞ!」の曲以外が紛れる事になる。もちろん、すべては可能性の話ではあるものの、恐らく本作は「入れ替え」ではなく「拡大」路線でたどり着いた終着点となる公算が大きいのです。可能性も含めた話になってしまいましたが、本作はすでに確定した歴史の重みさえ吸い込んでいる。もちろん、全編が『狂気』以前の初期FLOYDレパートリーで埋め尽くされているわけですが、それ以上なのが実はMC。「Astronomy Domine」の後でニックがマイクを執り、1970年のPINK FLOYDが演奏したボストン・ティー・パーティ公演の想い出を語る。そして、その演奏ぶりまで頂点的。曲順まで含めて決定的なセットが完成したのは「北米」3公演目のサンフランシスコでした。本作のボストン公演は、そこから20公演目にあたり、アンサンブルは円熟の域に達しているのです。異次元のマトリクス・サウンド、レパートリーのすべてを注ぎ込んだ最大セット、そして円熟に達した演奏………どの視点で考えても、今後も「初期FLOYDプロジェクトの最高傑作」「SAUCERFUL OF SECRETSの代表作」として君臨していくとしか思えない。控えめに言っても、初期FLOYDへの想いを全面に表した“ニック・メイスンの2019年”を後世に伝え続けるのは間違いない究極・至高のライヴアルバムなのです。素晴らしい。あまりにも素晴らしい。ソロ・ナンバーも披露するロジャー・ウォーターズやデイヴ・ギルモアのステージとは違い、徹底的に“狂気以前”にこだわり抜いたニック・メイスン。そのコンセプチュアルな姿勢だけでなく、本作はアンサンブルやサウンドまで“究めた”ライヴアルバムです。公式ライヴアルバムが登場しない限り……いや、仮に公式サウンドボードが出てきたとしても超えられないであろう「極み」。 Live at the Orpheum Theater, Boston, MA, USA 13th April 2019 ULTIMATE SOUND Disc 1(53:26) 1. Intro 2. Interstellar Overdrive 3. Astronomy Domine 4. Nick Mason Speaking 5. Lucifer Sam 6. Fearless 7. Obscured By Clouds 8. When You're In 9. Remember A Day 10. Arnold Layne 11. Vegetable Man 12. Nick Mason Speaking 13. If 14. Atom Heart Mother 15. If (reprise) Disc 2(58:15) 1. Guy Pratt Speaking 2. The Nile Song 3. Guy Pratt Speaking 4. Green Is The Colour 5. Gary Kemp Speaking 6. Let There Be More Light 7. Childhood's End 8. Nick Mason Speaking 9. Set The Controls For The Heart Of The Sun 10. See Emily Play 11. Bike 12. One Of These Days 13. A Saucerful Of Secrets 14. Point Me At The Sky Nick Mason - drums Guy Pratt - bass & vocals Gary Kemp - guitar & vocals Dom Beken - keyboards Lee Harris - guitar & vocals