大英帝国勲章の受勲と共にツアーに一区切りをつけたNICK MASON'S SAUCERFUL OF SECRETS。そのハイライト公演を記録した極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「2019年5月3日ロンドン公演」。スタート時代のPINK FLOYDがライヴを繰り返していた伝説のクラブ“ラウンドハウス”の現場を伝える極上オーディエンス録音です。現在、彼らは7月の欧州ツアーに向け、しばしの充電中。本作はその直前に行われたイギリス凱旋ツアーの模様です。当店では、初期FLOYD復刻プロジェクトをリアルタイムで追っており、この英国ツアーもすでにレポート中。まずは、そのコレクションからショウのポジションを確かめておきましょう。・4月29日『CARDIFF 2019』・4月30日『AYLESBURY 2019』・5月1日『CAMBRIDGE 2019』《5月2日:大英帝国勲章を受勲》・5月3日:ロンドン公演 【本作】・5月4日:ロンドン公演 以上、全5公演。北米ツアーから帰ってきた直後に設定されたミニツアーだったわけですが、そのハイライトが“ラウンドハウス”の2連続公演。本作はその初日であり、ニックが大英帝国勲章の受勲セレモニーへ出席した翌日に行われたコンサートでもありました。また、ロンドンはSAUCERFUL OF SECRETSにとって特別の地。PINK FLOYDの故郷だけあって、これまで幾度もコンサートを繰り返してきました。良い機会ですので、ここでその記録も振り返っておきましょう。 ●2018年(お披露目ギグ)・5月20日『DINGWALLS 2018』・5月21日『PUTNEY 2018』・5月23日『PUTNEY 2018』・5月24日『PUTNEY 2018』●2018年(秋ツアー)・9月24日『PORTSMOUTH & LONDON 2018』 ●2019年(春ツアー)・5月3日:ラウンドハウス公演 【本作】・5月4日:ラウンドハウス公演これがロンドンで行われた全7公演。1年前のお披露目ギグ、本格始動となった秋ツアーのハイライト、そして北米へ進出した春ツアーの最終公演。すべての活動の節目節目にロンドンのステージに立ってきたわけです。もちろん、当店では今年5月のロンドンにも注目していたのですが、どういうわけか録音が出てこない。直前のケンブリッジまでは本番の直後に発掘されたものの、そこで突然沈黙してしまったのです。そして、コンサートから約1ヶ月が経ち、ようやく出逢えた極上録音……それが本作なのです。そんな本作は、待ちに待った甲斐のある名録音。このところ、SAUCERFUL OF SECRETSの名録音を「クリア・タイプ」「ダイナミック・タイプ」「ムード・タイプ」の3種に分類してご紹介しておりますが、本作は「ダイナミック・タイプ」の典型。演奏音の芯が極太に轟き、ディテールも鮮やかに描かれつつ、鳴りの迫力が素晴らしい。もちろん、ロック界でもトップクラスの名録音ばかりが生まれるSAUCERFUL OF SECRETSですからクリアさも標準を遙かに超えているわけですが、その芯から立ち上るホール鳴りが中音域にどっしりとした手応えを与え、重低音はさながら重戦車のごときド迫力。実のところ、このタイプこそがニックの凄味を一番実感できる。一聴するとエッジがギンギンに立った「クリア・タイプ」の方が機微まで分かるような気もしますが、その演奏が生み出す“うねり”・“グルーヴ”は「ダイナミック・タイプ」の方が鮮やかに体感できる。しかも、この日はそのニックが絶好調。前日にショウがなかったせいか、それとも大英帝国勲章の受勲に発奮していたのかはわかりませんが、ノリが実に躍動的でショウをグイグイと引っ張っていくような熱気をたっぷりと発散している。本作は、そんなダイナミズムの権化となるサウンドと演奏で初期FLOYDの名曲群を描いていくライヴアルバムなのです。多数のアイテムをご紹介してきたSAUCERFUL OF SECRETSだけに、今からコンプリートは難しいかもしれませんが、“ロンドン”にこだわると彼らの歩みが手に取る様に分かる。新プロジェクト発進の時だった『DINGWALLS 2018』『PUTNEY 2018』、本格始動で全欧を制覇した『PORTSMOUTH & LONDON 2018』、そして北米ツアーを経て凱旋した本作。セットを拡大させ、アンサンブルも深化していったSAUCERFUL OF SECRETSの歩みを同都市で定点観測できるロンドン録音たち。本作は、そんな倫敦シリーズの最新弾。 Live at Roundhouse, Chalk Farm, London, UK 3rd May 2019 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(55:16) 1. Intro 2. Interstellar Overdrive 3. Astronomy Domine 4. Nick Mason Introduction 5. Lucifer Sam 6. Fearless 7. Obscured By Clouds 8. When You're In 9. Remember A Day 10. Arnold Layne 11. Vegetable Man 12. Nick Mason Introduction 13. If 14. Atom Heart Mother 15. If (reprise) Disc 2 (59:12) 1. The Nile Song 2. Guy Pratt Speaking 3. Green Is The Colour 4. Gary Kemp Speaking 5. Let There Be More Light 6. Childhood's End 7. Nick Mason Speaking 8. Set The Controls For The Heart Of The Sun 9. See Emily Play 10. Bike 11. One Of These Days 12. A Saucerful Of Secrets 13. Point Me At The Sky