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Led Zeppelin レッド・ツェッペリン/MI,USA 1972 Remaster

世界中のZEPマニアの間で話題沸騰中の新発掘ライブ音源が1972年6月6日のデトロイト公演。これまで1972年アメリカ・ツアーにおける最古の音源は翌日のモントリオール公演でしたが、この発掘によって遂にツアー初日の模様が垣間見られるようになったのです。ただし「垣間見られる」という表現からも解るように、残念ながらショー完全収録とはいきませんでした。録音はアコースティック・パート最後の「Bron-Y-Aur Stomp」から始まっており、ショー中盤から収録が開始された音源。それでも1972年らしさが随所で捉えられている点が新発掘音源の大きな魅力なのですが、音質は典型的なビンテージ・オーディエンス。最初の二曲では音のエッジが割れ気味ですし、何より全体の音質がこもり気味でもある。とはいってもシアトル二日目ほどの歪みはない。今回の音源を入手したKRW_CO曰く「マスターあるいはファースト・ジェネレーションだと思われる」と推測していましたが、少なくとも「Dazed And Confused」の終盤に生じるカットがフェイドイン・アウトの処理が施された状態で出回ったことを考えると、少なくともこれがマスター・テープである可能性は低いと思われます。公開に当たっては元音だけでなくKRW_CO自身がリマスターしたバージョンがカップリングされたのですが、彼は演奏の輪郭を際立たせようとしたイコライズを施した結果、かえってヒスノイズを増やす状態となってしまったのです。それどころか「ピッチ修正済」との断り付きで公開されたにもかかわらず、実際にはピッチが狂いまくっていたという…やれやれ。おまけに45年ものあいだ埋もれていたカセット録音オーディエンスですので、テープの劣化によって随所でコンマ数秒レベルの音落ちが頻発するという問題まで見受けられます。そこで今回はリリースに際して原音を元に徹底したレストアを敢行。はっきり言ってKRW_COが公開した二つのバージョンよりも俄然聞きやすい状態へと生まれ変わりました。KRW_COが修正したと言っておきながら、おざなりもいいとこだったピッチは低いだけに留まらず、変動する現象まで起きていましたが、それを徹底的してアジャスト。さらに原音のモコモコとして骨董品丸出しな音質も嫌味のないイコライズを施して格段に聞きやすくなり、かといってKRW_COリマスターのようにヒスノイズが前面に押し出されてしまうようなことにもなっていない。これらの点だけでも、元の音源とは比較にならないほど聞きやすくなったと自負しています。しかし何と言ってもとどめは、あの無数に生じていたテープ劣化による微妙な音落ち。これを徹底的に補正したのですが、その個所たるや100を超えるほどであり、これをアジャストしたことでさらに「音楽」として聞き込める状態へと磨き上げました。最初に触れたように、ショー中盤からの収録ではあるものの、それでも1972年、しかもツアー初日ならではの面白さは随所で垣間見られます。何と言っても面白いのが「Dazed And Confused」。このツアーでは中間で「The Crunge」か「Walter's Walk」が、あるいはその両方へと展開するのが恒例のパターンですが、この日の時点ではまだ後者は無し。それでいて「The Crunge」が始まりそうな場面でボンゾがペイジに合図を送ろうとしている(その様子もはっきり解る!)のですが、ペイジが乗ろうとせずに一度はスルー。その後一瞬だけボンゾが同曲のリズムを叩き始めますが、結局止めてしまいました。この何ともツアー初日らしい場面、展開しそうで展開しなかったことから盛り上がりを欠いたまま過ぎてしまうのか…そこに切り込んできたのがプラント。彼がグレイトフル・デッドでおなじみ「Turn On Your Love Light」の歌詞をアドリブで歌ったことで次なる展開へと迎えたのです。同曲のフレーズを「Whole Lotta Love」や「Communication Breakdown」の合間で歌うというパターンはZEPのライブ史においてたまに見受けられましたが、「Dazed And Confused」の中で歌われるというのは非常にレア。その「Whole Lotta Love」メドレーがまた面白い。ここでプラントはおなじみ「Hello Mary Lou」に続いてジョニー・プレストンの「Running Bear」を歌っているのです!もうマニアならお解りでしょう、この展開はアメリカ・ツアーの前に行われたアムステルダムとブリュッセルだけでみられたパターンであり、その模様は「EUROPEAN WARM UP SHOWS 1972」で聞くことが可能。つまり、この時点ではまだそれら二回のショーのウォームアップ感を引きずっていたのですね。こうしたツアー初日ならではの場面を捉えているというだけでも大変に価値の高い音源ですが、何しろ72年アメリカにおける久々の初登場音源ということで既に聞かれた方も多いでしょう。例の「Turn On Your Love Light」の場面など、まだプラントが攻めていた時期ならではのスリリングな場面でした。それにZEPのデトロイト、コボ・ホールといえば1973年がマニアの間で有名ですが、同会場で72年のステージというのが新鮮。とはいえ今回の発掘を期待して聞いてみたはいいものの、結構ハードル高めな音源だと感じたマニアが少なくないのでは。その点、今回の徹底したオーバーホールには絶対に驚かされること間違いなし!見違えるほど聞きやすい状態へと生まれ変わったのです。何しろ話題の初登場音源ですので、他からもアイテムが登場する可能性がありますが、ここまで緻密に音源をアジャストしリリースに足る状態へと昇格させたのは絶対に本タイトルだけ! (リマスターメモ)★半音の30-70%遅いので修正。★テープ劣化の小さな音落ちが問題なので、聴感上、跳ねて聞こえないように処理しました。(100か所以上は処理しました。) Live at Cobo Hall, Detroit, Michigan, USA 6th June 1972 (76:55) 1 Bron-Y-Aur Stomp 2 Dazed And Confused with Let It Shine 3 What Is And What Should Never Be 4 Moby Dick 5 Whole Lotta Love (Includes: Thermin solo, Boogie Mama, Hello Mary Lou, Running Bear, You Got The Love I Need, The Shape I'm In, I'm Going Down Slow) 6 Rock And Roll

Led Zeppelin レッド・ツェッペリン/MI,USA 1972 Remaster

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