あの『ALIVE!』を生み出した“DRESSED TO KILL TOUR”から新たなるマスターピースが誕生。そのマスターピースに収められているのは「1975年5月11日ボストン公演」。その傑作オーディエンス録音です。聴けるだけでありがたい1975年録音ではありますが、本作はそんじょそこらの客録とはわけが違う。記録したのは録音史に名を残す伝説テーパー:ジョー・マロニー。しかも、名門「Krw_co」が発掘した大元カセットからダイレクトにデジタル化された究極ジェネレーションの銘品なのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。“DRESSED TO KILL TOUR”は全編アメリカだけの限定ツアーでもありましたので、『ALIVE!』収録日をポイントに整理してみましょう。《3月19日『DRESSED TO KILL』発売》・3月19日-5月15日(32公演)←★ココ★・5月16日:デトロイト(ALIVE!収録日)・5月17日-6月20日(18公演)・6月21日:クリーヴランド(ALIVE!収録日) ・6月22日-7月5日(7公演)・7月20日:ダベンポート(ALIVE!収録日)・7月23日:ワイルドウッド(ALIVE!収録日)・8月2日-8月28日(13公演)《9月3日『DESTROYER』製作開始》《9月10日『ALIVE!』発売》 これが“DRESSED TO KILL TOUR”の全容。大名盤『ALIVE!』は4つのショウから編纂されていましたが、最も初期にあたるのはデトロイト公演。本作のボストン公演は、その5日前となる31公演目のコンサートでした。また、1975年のボストン公演は3回“5月11日”・“8月14日”・“12月14日(これのみALIVE! TOUR)”があり、本作はその最初のショウでもあります。そんなショウを記録した本作は、まさに絶品のヴィンテージ・オーディエンス。何よりも素晴らしいのは、パワフルな芯と端正な鳴り。サウンドボードと間違えるようなタイプではないのですが、伸びる高音から地響き級の重低音まで漏らさず捉えられており、間を繋ぐ中音域も手応えたっぷり。そして、その芯から発散される鳴りは力強い演奏をぶ厚くパワフルに彩りつつも、4人のアンサンブルをくっきりと伝えている。ホール鳴りは演奏を曇らせると考えられがちですが、その一方で演奏のパワーを増強する効果もある(特に70年代の場合、PAの出力音が丸出しだとスカスカして軽くなりがち)。本作は、そんな「オーディエンスならではのパワー」を美味しく捉えつつ、安定感や美しさとも両立している。さすが歴史に名高い録音家ならでは、そして大元マスターだからこそのサウンドなのです。さらに美味しいのが、現場の熱狂。ベース・ソロでも待ちきれずに「Cold Gin!!」と叫ぶほどの熱狂も吸い込んではいますが、それさえも骨太・肉厚な演奏に蹂躙される。そして、タイミングも絶妙。これから“歴史的”と呼ばれていくことになる名曲群に圧倒され、曲間になって我に返ったように広がる。盛大に盛り上がっているけれど、絶えず騒ぎまくっているのとは違う間欠泉のような熱狂。それが1曲1曲を経るごとにコントロールを失い、無我夢中の狂乱へと変わっていく……。まさにブレイク前夜ならではの熱量をリアルに感じ取る事ができる。本作には『ALIVE!』で聴けないようなレア・ナンバーはありませんが、それを彩るサウンドは圧倒的なまでの“その場にいる”感に充ち満ちている。まさに、あの大名盤の現場に立つ感覚で必殺の名曲群をたっぷりと浴びられるのです。ライヴの名盤選では必ず名前の挙がる『ALIVE!』。そんな大名盤を生んだ“DRESSED TO KILL TOUR”を名手ジョー・マロニーが見事に真空パックしていたのです。そんな伝説録音を大元カセットから甦らせたロック文化の世界遺産。まさに「本生100%版のALIVE!」であり、「灼熱・濃縮版のALIVE!」ともなる実況盤なのです。 Live at Orpheum Theatre, Boston, MA, USA 11th May 1975 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND (51:23) 1. Intro 2. Deuce 3. Strutter 4. Hotter Than Hell 5. Firehouse 6. She 7. Guitar Solo 8. C'Mon And Love Me 9. Bass Solo 10. 100,000 Years 11. Drum Solo 12. 100,000 Years (Reprise) 13. Black Diamond 14. Rock And Roll All Nite