「The Gunner's Dream」の続編とも言えるタイトルが登場です。インターネットを経由して突如登場した「The Pros And Cons Of Hitch Hiking」ツアーからの初登場サウンドボード。公式級のサウンドで録音されていた「The Gunner's Dream」も凄かったですが、本盤のサウンドも、それに負けず劣らず、すこぶる良好です。本作は、1985年に行われた2回目の北米ツアーから3日連続で行われたニューヨークはラジオ・シティ・ミュージック・ホール公演の3日目、3月28日のライヴをオフィシャル・ライヴ・アルバムと同等の、怒涛の超高音質で収録しています。1985年ニューヨーク公演と言えば、ラジオ放送または放送用リールからコピーした高音質ライン録音が過去より有名ですが、本作はそれとは完全別マスター。しかも、音質は比較にならない程に本盤の方が優れており、これを聴くと、これまでのニューヨーク公演音源が、まるでオーディエンス録音か何かのように聴こえてしまうほどです。放送音源はDJの声が被さる部分もあったり、観客の歓声が大きく収録されてしまっていますが、本盤は全くもって明瞭なライン録音で最初から最後まで聴けます。本盤の出現で明らかになったことは、これまで3月28日の完全版と思われてきた放送音源が、実は第一部が27日の音源で、第二部とアンコールが28日であったことが本テイクの出現によって判明しました。よって、本盤で聴けるディスク1に相当する第一部は、初めて聴くことのできる28日のライン録音であり、ディスク2の第二部は前述の通り放送音源とは別のマスターで、音質は比較にならない程に良質です。イコライズは中域を若干下げて、各楽器の輪郭が出るようにしましたが、とにかく元の音質が良いので、詳細に聞き比べないと解らない程度の処理で十分でし た。とにかく、それくらい音が良いのです。今回の新マスターの欠点である前半のThe Gunners Dream の4:16の欠損、後半の 4:50AM (Go Fishing) の6:35-0:15からの約40秒の欠損は、それぞれ放送音源から違和感なくパッチし、一気に聴けるように補修しました。また、The Pros And Cons Of Hitch Hiking前半で散見されたノイズも全て原音に影響が出ないように、丁寧に除去し、べスト・ヴァージョンに仕上げました。1984年ツアーに参加したギターのエリック・クラプトンとティム・レンウィックの代わりに、1985年ツアーでは、ジェイ・ステイプリーとアンディ・フェアウェザー・ロウを配し、ま とまりのある高品質なショウを展開しています。オープニングに前ツアーでは4曲目に位置していたWelcome To The Machineを繰り上げ、第一部中間でThe Final Cutナンバーをメドレーで演奏し、後半ではアメリカで人気の高かった「The Wall」からの代表曲Nobody HomeやAnother Brick In The Wallをセットインさせています。クラプトンという人気実力絶大なスーパー・プレイヤーが離脱したことで、今に通じる、ロジャー独裁のソロバンドと言った感じのステージが展開されており、演奏のまとまりも前年以上のものを聴かせてくれています。専門誌でも本公演の放送音源に関して「第二部の「ヒッチハイクの賛否両論」の全曲再現でもステイプリーの頑張りが功を奏しており、サウンドの迫力と相俟って、バンドは前年以上のまとまりを見せている。こうしてみると、ロジャーのこのソロ・ツアーは、トータル的に見れば85年が完成形と言える」と評されていますが、その通りで、テクニカルなギターで堅実にサポートするステイプリーのプレイは、変に出しゃばることなく演奏に上手く溶け込んでおり、これらが、1985年ツアーを優秀なものにした要因と言えるでしょう。 1985年唯一のライン録音で有名なニューヨーク公演が、「完全別マスター」「初の同日完全収録」「既発を完全に上回る公式級ライン録音」で登場したのは フロイド系音源史において、一つの大きな事件であり、ファンは絶対に必聴の一枚です。 Live at Radio City Music Hall, New York City, NY. USA 28th March 1985 STEREO SBD Disc 1(74:15) 1. Welcome To The Machine 2. Set The Controls For The Heart Of The Sun 3. Money 4. If 5. Wish You Were Here 6. Pigs On The Wing (Part 1) 7. Get Your Filthy Hands Off My Desert 8. Southampton Dock 9. The Gunners Dream 10. In The Flesh? 11. Nobody Home 12. Have A Cigar 13. Another Brick In The Wall Part 1 14. The Happiest Days Of Our Lives 15. Another Brick In The Wall Part 2 Disc 2(58:49) The Pros And Cons Of Hitch Hiking 1. 4:30 AM (Apparently They Were Travelling Abroad) 2. 4:33 AM (Running Shoes) 3. 4:37 AM (Arabs With Knives And West German Skies) 4. 4:39 AM (For The First Time Today Part 2) 5. 4:41 AM (Sexual Revolution) 6. 4:47 AM (The Remains Of Our Love) 7. 4:50 AM (Go Fishing) 8. 4:56 AM (For The First Time Today Part 1) 9. 4:58 AM (Dunroamin, Duncarin, Dunlivin) 10. 5:01 AM (The Pros And Cons Of Hitch Hiking) 11. 5:06 AM (Every Strangers Eyes) 12. 5:11 AM (The Moment Of Clarity) 13. Member Introduction Encore 14. Brain Damage 15. Eclipse STEREO SOUNDBOARD RECORDING Roger Waters - Rhythm Guitar, Bass & Vocals Jay Stapley - Lead Guitar Michael Kamen - Keyboards Andy Newmark - Drums Mel Collins - Saxophones Andy FairWeather Low - Guitars & Bass Doreen Chanter - Backing Vocals Katie Kissoon - Backing Vocals