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Rolling Stones ローリング・ストーンズ/CA,USA 12.6.1969 Upgrade

ストーンズが1969年アメリカ・ツアーの締めくくりとして行ったオルタモントでのフリー・コンサートは混乱続きの果てに死者まで出るという結果に終わり、おまけに映画「GIMME SHELTER」にドキュメントされたことによって、曰く「愛と平和の時代の終局」などと呼ばれて語り尽された感がある。ところがどっこいマニアは知っている。途中まで波乱含みだったストーンズのステージが途中から好転し、最後は普通にライブとして盛り上がって終えたことを。映画ではフリー・コンサートの間中に起きた混乱や死者が出た場面だけが捉えられており、普通に観たらネガティブな印象しか受けないであろう扱いとなっていました。こうしたドラマティックな部分を誇張するのが映画というもの。そんなオルタモントのステレオタイプのイメージをマニアの間で覆させたのは、同日のオーディエンス録音でした。あの混乱の会場でストーンズのステージのほとんどを捉えていたというだけでも驚きを禁じ得ませんが、ざらついた質感ながらも全体を通してオンな音像で彼らの演奏を捉えてくれていたという点においても驚くべき音源だったのです。そして何よりドキュメントとしての価値はあまりに高い。確かに万人受けするレベルのオーディエンス録音ではないかもしれない。だがしかし、多くのマニアにとっては大変に貴重な音源であり、それでいて十分に聞き込める録音状態ということから重宝されたもの。90年代初頭のCDバブル絶頂期にIMP系列からリリースされた「GIMME SHELTER」を皮切りとし、VGPの「KILLER FESTIVAL」など。さらにここ10年ほどはよりジェネレーションの低いバージョンの音源が登場し、そこへ加えて別音源なども出揃ったことから、やはりIMPの「ALTAMONT FREE CONCERT 1969」とDACの「IT'S JUST A SHOT AWAY」がオルタモントの両横綱という位置づけではないかと。ところが、それらのアイテムが出揃った後で本オーディエンスのさらなるファースト・ジェネレーション・コピーがネット上に現れていた(2012年)ことはマニア間でも意外なほど知られていません。ほとんど見過ごされていたと言っていいほど。この過去最高のバージョンを元にした上で、さらに映画の音声で存在するステレオ・サウンドボード録音を加えたもの。既に「ALTAMONT FREE CONCERT 1969」において、現存するSBDパートをオーディエンスにパッチさせてまとめるというコンセプトが実現していましたが、それらが演奏以外のパートにまで映画の音声を補填していたのに対し、今回のバージョンはあくまで演奏パートにのみ映画のステレオ音声を使用。とは言っても単にSBDを補填するのではなく、それらのパートでもオーディエンス録音をミックスし、音質(特に臨場感)の極端な変化を緩和させているのがポイント。 これは通常のコンサートではなく、あのオルタモントです。ある意味では周囲の騒がしさがあってこそ。おかげでSBDパートも俄然リアルな仕上がりになりました。もちろん「Gimme Shelter」SBDに関してはいにしえの名盤「A SHOT OF SALVATION」音源が元。またメインのオーディエンス録音では演奏序盤において録音トラブルが発生していた「Jumping Jack Flash」と「Carol」はモノラルの別オーディエンス録音を使用することで、初めてどちらの曲もオーディエンス録音でありながら演奏が無傷な状態で聞けるようになりました。ストーンズ登場前のサム・カトラーによるイントロにもそれを使用。特に「Carol」がDAC盤では従来のキュルル・カットのまま、「Jumping Jack Flash」がIMPではニュース映像のモノラル・サウンドボードに切り替えという独特な編集でしたので、通しのオーディンス録音でライブ序盤が聞けるのは意外なメリット。テープにカットが入る箇所は基本的に従来のリリースと変わらず、例えば「The Sun Is Shining」の演奏開始時におけるカットなどは今回も同様。「Midnight Rambler」のイントロが別ソースで補填されているのもまた同じ。その反面、既発盤においては目立たないよう編集されていたと思われるカット箇所が今回はそのままの状態で聞かれます。例えば「Under My Thumb」が始まる前にミックが「So when you're sitting comfortably」と発した後。もっとわかりやすいのは彼が「Thank you very much」と発してから「Satisfaction」が始まるまでのわずかな合間。これらのカットが今までのアイテムはことごとく目立たなく処理されていたという。しかし何と言っても今回のリリースで特筆すべきはメイン・ソースの見事なアッパー感でしょう。まず音質そのものがはっきり向上しているのです。IMP盤はジェネ落ち感をしのばせる盛大なヒスノイズがあり、DACは逆にイコライズ感と共にこもり気味な音質でした。その点、今回のバージョンは非常にスッキリ、しかもクリアーでナチュラル。この状態は冒頭二曲に使われたモノラル別音源にも当てはまります。そして極め付きは、今まで演奏が終わる直前でジェネレーションが極端に落ちた音源に切り替わってしまっていた「Brown Sugar」。それが今回は演奏の最後まで高音質なメイン・ソースのままで聞けるという、あまりにも大きなアドバンテージ!ライブ初演にてリリース前かつレコーディング直後という、極めて歴史的な場面が音質の劣化なしで聞けるようになったのです。マニアにはこの箇所だけでも絶対に聞き逃せないアッパー・ポイントとなることでしょう。さらに「Brown Sugar」が演奏された後で会場の雰囲気が一変したという点も聞き逃せません。それまでの惨憺たる状況とは明らかに違う。ここから曲が進むにつれてミックも観客もどんどん盛り上がり、特に「Satisfaction」と「Honky Tonk Women」では陽気さを感じさせる雰囲気にまで変わっていたのです。もしライブ後半部分の映像が残っているのであれば、是非とも見てみたいものですよね。それだけに歴史的な「Brown Sugar」オルタモント・バージョンの劣化箇所がないアッパー版の発掘は快挙。 The Altamont Speedway Free Festival Altamont Speedway, Livermore, CA, USA 6th December 1969 UPGRADE!!! Disc 1(57:54) 1. Sam Cutler Introduction 2. Jumping Jack Flash * 3. Carol * 4. Sympathy For The Devil [I] 5. Sympathy For The Devil [II] ** 6. The Sun Is Shining 7. Stray Cat Blues 8. Love In Vain 9. Under My Thumb [I] 10. Under My Thumb [II] ** 11. Brown Sugar 12. Midnight Rambler [Warm Up] 13. Midnight Rambler Disc 2(47:54) 1. Live With Me 2. Gimme Shelter ** 3. Little Queenie 4. Satisfaction 5. Honky Tonk Women 6. Street Fighting Man 7. 'Newswatch' Report, KRON-TV, San Francisco, CA. 8th December 1969 * The blends of the master audience tape and the another audience tape recorded for radio broadcast ** The blends of the audience and soundboard recordings

Rolling Stones ローリング・ストーンズ/CA,USA 12.6.1969 Upgrade

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