コアなコレクターから「歴代最強」と呼ばれる幻のラインナップが誕生した1983年のオジー・オズボーン。そのフルショウを現場体験できる秘蔵オリジナル録音が全世界初公開です。その「最強ラインナップ」とは新時代のヒーロー:ジェイク・E・リーを基軸に据えつつ、名手中の名手カーマイン・アピスも加入。もちろん、ベースはボブ・デイズリーで鍵盤はドン・エイリー。全パートが達人という奇跡の5人組でした。先日、全世界に衝撃をまき散らした『US FESTIVAL ’83: THE COMPLETE SOUNDBOARD』を始め、ジェイク時代には数多くのサウンドボードが残されていますが、そのほとんどはドラムがトミー・アルドリッジ。“カーマイン時代”は極めてレアな泡沫の最強時代だったのです。本作は、そんな貴重な記録。「1983年11月29日ロンドン公演」の秘蔵オーディエンス録音です。まずは、“カーマイン時代”がどれだけ貴重なのか、当時のスケジュールを振り返って実感してみましょう。 1983年 《ジェイク加入》・1月12日-30日:欧州#1(13公演)《ブリッジウォーター→エイリー交代》・2月11日-4月5日:北米#1(34公演)《コスタ→デイズリー交代》・5月29日:US FESTIVAL《アルドリッジ→カーマイン・アピス交代》《11月15日『月に吠える』発売》 ・11月10日-12月22日:欧州#2(32公演) ←★ココ★ 1984年・1月10日-2月20日:北米#2(31公演)《カーマイン・アピス→アルドリッジ交代》 【日本人テーパーによる世界初登場マスター】これがジェイク加入からカーマイン離脱までの歩み。ジェイク加入時から『月に吠える』製作まではトミー・アルドリッジでしたが、ツアー開始前にカーマイン・アピスに交代。そのまま「欧州#2」「北米#2」をツアーするものの、折り合いが付かずにカーマインが離脱。再びトミーが復帰する流れでした。“BARK ST THE MOON TOUR”はトミー復帰後に本格化したこともあり、残された記録のほとんどはトミーとなったわけです。そんな中で本作のロンドン公演は「欧州#2」の14公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、本邦初公開となる秘蔵マスター。実は、本作を記録したのは当時渡英していた日本人テーパー。これまで一切公開していなかったオリジナル・カセットからダイレクトにCD化された秘中の秘となるライヴアルバムなのです! それだけにクオリティもそれなり……ではないから素晴らしい。もちろん、サウンドボードと間違えるタイプでもないのですが、その芯は異様なほどに力強く、輪郭もくっきり。オジーのヴォーカルは歌詞の1語どころか1音節のニュアンスまで克明ですし、ジェイクのギターも速射の1粒1粒まで鮮明で、ちょっとしたアーミングもハッキリ分かる。もちろん、肝心要のカーマインも五臓を蹴り上げ、六腑を揺らすド迫力。さすがに鳴りまで艶やかとは言えませんが、そこまでパワフルでありながらビビらない安定感も驚きの名録音なのです。 【カーマインによるドラマティシズムが溢れ出すフルショウ】そのサウンドで“史上最強の5人”をフル体験できる……この醍醐味は堪えられません。“カーマイン時代”と言えば、ドルトムントで開かれた“POP ROCK FESTIVAL 1983”のTV放送が唯一のプロ記録として知られていますが、本作はそこでも聴けないレパートリーがたっぷり。ここで、その内容も整理しておきましょう。SABBATHナンバー(2曲)・Iron Man/Paranoid ランディ時代(7曲)・BLIZZARD OF OZZ:I Don't Know/Mr. Crowley/Revelation (Mother Earth)(★)/Steal Away (The Night)(★)/Suicide Solution(★)/Crazy Train(★) ・DIARY OF A MADMAN:Flying High Again(★)月に吠える(3曲)・Rock 'n' Roll Rebel(★)/Bark At The Moon/Centre Of Eternity ※注:「★」印は“DORTMUND ROCK POP FESTIVAL”のプロショットでは聴けない曲。……と、このようになっています。セット自体は“BARK AT THE MOON TOUR”の基本に準じるもので、ギターやキーボード等は幾多のサウンドボードでもお馴染みの鮮やかパッセージの連発。しかし、そこに轟くカーマインのドラミングはお馴染みではない。その要はフレーズのセンスでしょう。トミーも名手ではありますが、どちらかと言うとストレートなパワーで押し切るスタイル。それに対し、カーマインは硬軟自在なフレーズを織り込むパーカッシヴなスタイルで、曲の可能性をどんどん発見していく。その閃きはドルトムントのプロショットでもうかがえましたが、本作は初期ナンバー大増量なのが嬉しい。ランディ時代の曲はドラマティシズムこそが要であり、それを逐一盛り立てるカーマインの業が映えまくるのです。これを喩えるならコージー時代のBLACK SABBATH。コージーは派手なパワーヒッターのイメージが先行していますが、実際には非常に細かい性格なのか歴代ドラマーではリズムキープで済ませていたパートにもフックのあるフレーズを叩き込んでサバスのドラマティシズムを極限まで引き上げていました。さすがに加入直後のカーマインはコージーSABBATHほどの深みには至っていませんが、やはり歴代の誰よりもドラマティック。コージーさえもが憧れたというカーマインのセンスで彩られた名曲群が次々と流れ出る。もっと続けて欲しかった、せめて『月に吠える』をカーマインと録って欲しかった……そんな37年前の恨み言が今さらのように甦る素晴らしいショウなのです。プロ記録としては約30分の“POP ROCK FESTIVAL 1983”だけを残し、歴史の闇に消えた“最強のオジー・オズボーン・バンド”。そのフルショウを日本人が真空パックした世界初登場マスターです。ジェイク、ドン、ボブだけでなく、英雄カーマイン・アピスまで揃ったドリーム・チームの真髄。 録音者提供の完全初登場オリジナル・マスター音源!! Live at Hammersmith Odeon, London, UK 29th November 1983 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) (71:14) 1. Introduction 2. I Don't Know 3. Mr. Crowley 4. Rock 'n' Roll Rebel 5. Bark At The Moon 6. Revelation (Mother Earth) 7. Steal Away (The Night) 8. Suicide Solution 9. Centre Of Eternity 10. Drum Solo 11. Flying High Again 12. Iron Man 13. Crazy Train 14. Paranoid Ozzy Osbourne - Vocal Jake E. Lee - Guitar Bob Daisley - Bass Carmine Appice - Drums Don Airey - Keyboards