サミー・ヘイガー&WHITESNAKEとのカップリング・ツアーも話題となっているNIGHT RANGER。そんな彼らの最新ショウを伝える傑作ライヴアルバムが登場です。そんな本作が記録されたのは「2020年3月7日フォックスボロ公演」。その超・極上オーディエンス録音です。昨年は大名盤の再現来日で湧かせてくれましたが、その後の彼らは通常スタイルで精力的にツアー中。その近況を知る意味でも、まずは現在までに公表されているスケジュールからショウのポジションを確かめておきましょう。・1月24日-3月13日:北米#1(13公演)←★ココ★・4月29日+5月3日:北米#2(2公演) ・5月21日-6月13日:北米#3(5公演)・7月10日-9月30日:北米#4(35公演) これが2020年のNIGHT RANGER。現在は「北米#1」を終えて4月末まではオフ。サミーや白蛇とのカップリングツアーは「北米#4」にあたります。実のところ、現在は全米で新型コロナ・ウィルスの影響からショウの延期やキャンセルが続出しているのですが、運良く(?)NIGHT RANGERのスケジュールではスキマの時期。今のところは活動には影響がないようです。そして、本作のフォックスボロ公演は終わったばかりの「北米#1」終盤、12公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、驚きの超極上サウンド。思いっきり生々しい感触ながらゼロ距離なダイレクト感と空気感皆無の超詳細ディテールは「まるでサウンドボード」を地で行く凄まじさ。スネアやバスドラの音色にはオーディエンス録音らしさが出やすいものですが、本作はそれさえも超密度で極太。いかにもクラブな密室感たっぷりの歓声がなければ、卓直結サウンドボードとしか思えない極上ぶりなのです。その要因は狭いクラブの密着感にもあるのでしょうが、実は録音家も達人。本作をモノにしたのは、現代の名手として名を上げている「Farve4」なのです。この人物は最近になってサウンドボード的な名作を連発。ジェネラル系も数多いのですが、特にメタル関係で言うならQUEENSRYCHEの『BOSTON 2020』も記憶に新しいところ。もっと言うならRATTの『FOXBORO 2019(Shades 1137)』! そう、本作とは4ヶ月違いの同会場録音なのです。あの超傑作を体験された方ならピンと来ると思いますが、あの超絶サウンドでNIGHT RANGERが楽しめる。キャッチーなアメリカン・ロックを極上サウンドで味わえる姉妹作なのです。そんな超絶サウンドで描かれるのは、セットも最高に楽しい。先述の通り、来日公演とは違ってアルバム再現ではありませんが、往年の名曲群+美味しいカバーは豪華そのもの。ここで、その内容も整理しておきましょう。 80年代ナンバー(12曲・DAWN PATROL:Sing Me Away/Night Ranger/Don't Tell Me You Love Me・MIDNIGHT MADNESS:Touch of Madness/When You Close Your Eyes/Rumours in the Air/Sister Christian/(You Can Still) Rock In America ・7 WISHES:Four in the Morning/Sentimental Street/Goodbye・BIG LIFE:The Secret of My Success カバー他(4曲)・DAMN YANKEES:Coming of Age/High Enough・アリスクーパー:School's Out・オジーオズボーン:Crazy Train ……と、このようになっています。オリジナルは80年代限定のグレイテスト・ヒッツで、ひと事で言えば2016年の『35 YEARS AND A NIGHT IN CHICAGO』を更に濃縮したような感じ。そして、あの公式作で聴けないのはカバー4曲で、いずれもメンバーの関連バンドからのセレクト。ジャック・ブレイズのDAMN YANKEESやブラッド・ギルスが参加したオジー・オズボーンは有名ですが、アリス・クーパーと関係があるのはケリ・ケリー。ツアー・バンドに参加した他、『ALONG CAME A SPIDER』や『WELCOME 2 MY NIGHTMARE』といったスタジオ作でも彼の演奏を聴くことができます。ともあれ、「コレぞ!」の名曲をギュッと詰め込んだ“生演奏のベスト・アルバム”に、知らぬ者はいない超有名曲が差し込まれたショウがつまらないわけがない。バツグンに巧く、底抜けに楽しいショウをとんでもない超絶・極上サウンドで現場体験できる……それが本作の正体なのです。カバーだけでなく、遊びで有名曲のリフも飛び出すムードは、まさにロックンロール・パーティ。NIGHT RANGERファンの方にはもちろん必聴・必携のライヴアルバムですが、80年代にロックを愛していた方なら間違いなく心の底から掻き立てられることでしょう。ワクワクが止まらず、思わずニヤニヤしてしまう大・娯楽傑作。このライヴアルバムに理屈は要らない。 Live at Six String Grill & Stage, Foxboro, MA, USA 7th March 2020 ULTIMATE SOUND Disc 1(58:50) 1. Intro 2. Touch of Madness 3. Four in the Morning 4. Sing Me Away 5. Rumours in the Air 6. Coming of Age 7. Sentimental Street 8. The Secret of My Success 9. School's Out 10. Crazy Train 11. Night Ranger incl. Drum Solo Disc 2(38:22) 1. High Enough 2. Goodbye 3. When You Close Your Eyes 4. Don't Tell Me You Love Me 5. Sister Christian 6. (You Can Still) Rock In America Jack Blades - Vocals/Bass Kelly Keagy - Drums/Vocals Brad Gillis - Guitars Keri Kelly - Guitars Eric Levy - Keyboards