'71年北米ツアーより9月7日ボストン公演がベスト・クオリティーの2CDで登場!2種類の音源を駆使し、メインソースの欠落箇所はサブソースで補い、カットは多いですが全曲収録がなされ、なおかつピッチも初めてアジャストされた、現時点で間違いなくベストと言えるタイトルです。本公演はアナログ時代にはリリースされず、'90年代中頃に初登場したライブ。音源は2種類存在。まずソース1は90分強のステレオAudで、ライブ中間部の祭典からモビーまでごっそり未収。またソース1に関しては音の質感による分類上の枝分かれがあり、ザックリ分けると薄膜で覆われたような薄っぺらい感じのスカスカ系サウンドと、粗めのサウンドだがクリア系のサウンドの2種類が存在し、既発でもいずれかの傾向のサウンドで収録。ソース2は55分ほどのモノラルAudで、ライブ序盤からモビーまでの短い断片収録ですが、ソース1に未収のライブ中間部(祭典からモビーまで)を断片的(約14分弱と短い)ながら唯一収録しているのがポイントで、さらにライブ開始前のイントロ部分もソース1より長いというもの。二つの音源状況は上記の通りであり、既発タイトルの収録内容も音源の出現・流通時期などが絡みそれぞれで異なります。まず'90年代に最初に登場したCDはソース1のみの収録ですが上述のとおりこの時点で互いに質感が異なるソース1が登場。2000年以降リリースされた新タラ盤ではソース2のみをフィーチャーした収録。また同様に2000年代のリリースであるEVSDは2種のソースでなるべく全長を目指した構成となっており、収録コンセプトはおのおのタイトルでマチマチ。さらにソース1のステレオ音源に関しては先に触れたとおり音の質感の異なる枝分かれがある事から、ファンにも分類や位置付けはややこしく、しかもこれら2種の音源ともにレアでネットにはないためか近年は更新リリース自体もなく、意外と全体像が把握しづらい状態のままとなっているのではないでしょうか。本盤ではステレオAudのソース1をメインにモノラルのソース2で補填し、完全収録にはほど遠いですが、なるべく全長収録を目指すものとなっています。EVSDと似た収録コンセプトとなりますが、メインソースのソース1については、EVSDでは上述でいうところの分類では薄膜で覆われた方のソース1からの収録でしたが、本盤では粗めだがクリアな方のサウンドで収録。ソース1はどちらの系統の音が良いのかと言う問題はありますが、現時点では「粗め系」のサウンドに高域のノイズや、やかましく感じる質感部分(特に特定帯域を上げすぎて生じたような耳障りな「シー」というヒスノイズ)を緩和する方向でマスタリングするのがベターなのではないでしょうか。よって本盤では粗め系のサウンドを緩和する方向で丁寧なマスタリングがなされております。その効果は十分感じられ、クリアさはそのままに、粗めでヤカマシイ質感が幾分緩和され、なおかつピッチもソース1収録盤としては初めて全般にわたり正しくアジャストされたことで、既発と比べてもだいぶストレスの少ない聞きやすいサウンドとなっており、同じ粗め系のCD盤と比べ若干聞きやすくなったほか、EVSDの薄膜系ソース1部分と比べても、場所によってはまだ粗さは感じられますが、ヒスノイズの質感までもが控え目に聞こえ、なおかつ演奏そのものは間違いなく抜けの良いクリアなサウンドとなっており、間違いなくソース1部分は本盤がベストのサウンドと言えるでしょう。なお、本ソース1に関しては既発CDでは幻惑と天国の部分がディスクチェンジのため曲間がカットされていましたが、今回のタイトルは当然ノーカット。また最後のR&R演奏後のディスクエンド部分のテープノイズがCDとの差別化のために、あえて長く残されています。ソース2で収録された部分についてもネットやコピーではなく、断片的な音声が多いながらも丁寧なマスタリングが施されています。モノラルAudで音質的にはダンゴぽいサウンドですが、鮮度も良く演奏も十分に近くで捉えたサウンドで、十分に高音質と言えそうです。CD本編部分ではイントロ部の補填と、メインのソース1で欠落する祭典からモビーまでが断片的ながらこのソース2で収録されています。祭典からモビーまでの区間で収録時間は14分ほどと、これだけでもかなり欠落そのものが多いのが分かるソース2なのですが、これは既発も同様です。なお、カット部前後は既発ではクロスフェードなどで多めにエディットがなされていましたが、本盤では既発盤との差別化のためにカット部前後の切れ目は若干多めに残されております。またDisc2の後半には、ボーナストラックとして本編部分で未使用のソース2が収録されています。ライブイントロ部分はDisc1のアタマと重複しますが、ライブイントロから幻惑までボーナスながら約42分ものボリュームです。本編部分とボーナス部分をあわせてソース2が全て収録されたことになります。既発ではこのソース2の単体盤でしたが、そこではレベルオーバーの歪みや定位のズレ、トラック変わり目でのギャップノイズなどが散見されたため、定位もセンターに据わりギャップノイズや歪み等の問題も一切ない本盤がソース2部分に関してもベストタイトルとなることでしょう。また、このボーナストラックのソース2にもカットはあり、またSince I've Beenでは途中1分ほどレベルダウン(音声はかすかに聞こえる)してしまう部分(これは既発も同様)もありますが、このボーナストラック部については補填等はなされていません。なお既発盤との差別化のために、カット部前後のエディットはここでも控え目に留め、既発盤よりも、より元の音源状態に近い状態となっております。とにかく、このボーナス部分だけも十分楽しめること間違いなし、2枚のDiscあわせて約150分と、'71ボストン公演盤としては、かつてないほどテンコ盛りの大充実盤となっております。 71年ボストン公演が久々の登場!ネットではない(そもそもネットにない)2種類のソースで全長を現状ベスト収録し、さらに本編未使用のSrc2をボーナス収録! Disc 1 (74:04) 01. Introduction ★出だし少々Src2 02. Immigrant Song 03. Heartbreaker 04. Since I've Been Loving You 05. Black Dog 06. Dazed And Confused 07. Stairway To Heaven (cut out) 08. Celebration Day (Src2 fragment) 09. That's The Way (Src2 fragment) 10. Going To California (Src2 fragment) 11. What Is And What Should Never Be (Src2) 12. Moby Dick (Src2 fragment) Disc 2 (75:35) 01. Whole Lotta Love (cut in fragment) 02. Communication Breakdown 03. Organ Solo 04. Thank You 05. Rock And Roll Bonus Trax: Src2 06. Introduction 07. Immigrant Song 08. Heartbreaker 09. Since I've Been Loving You ★1分ほどレベルダウンあり 10. Black Dog 11. Dazed And Confused (cut out)