“USフェス”で全世界にLAメタルの存在を知らしめ、一躍象徴となった1983年のMOTLEY CRUE。そんな初期を代表する超極上サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1983年12月1日サンアントニオ公演」。その超絶級ステレオ・サウンドボード録音です。本作のポイントはオフィシャルもびっくりの超クオリティにあるのですが、それ以上なのが初期ならではの凄まじいショウ。前述のように1983年は“USフェス”の年でもありますので、ここでその歩みを振り返ってみましょう。1983年・3月26日-4月3日:北米#1(6公演)・5月29日:USフェスティバル出演 ・9月3日-17日:北米#2(3公演)《9月26日『SHOUT AT THE DEVIL』発売》・10月31日-12月16日:北米#3(28公演)←★ココ★ 1984年・1月10日-3月24日:北米#4(52公演)・4月12日-6月15日:北米#5(38公演)・8月18日-9月7日:欧州#1(7公演) ・10月15日-11月19日:欧州#2(23公演) これは1983年/1984年のMOTLEY CRUE。“USフェス”前後にも幾つかショウはありましたが、本格的なツアーは『SHOUT AT THE DEVIL』の発売後。本作のサンアントニオ公演は、その序盤「北米#3」の16公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、超・生々しい極上ステレオ・サウンドボード。ひと口に「サウンドボード」と言っても個性もクオリティも千差万別だったりしますが、本作の個性はいわゆる「ミックス卓直結系」でランクは「超A級」。明らかに現場PA用のミックスはハウリングが発生しようとお構いなしですし、大歓声も妙に遠め。開演時には勢い余ったヴォーカルがオフ気味になってしまうほどラフなバランスだったりします。しかし、それが良い。一般感覚では乱暴なまでのミックスではありますが、サウンドボード・マニアにとってはこの生々しさがたまらない。もちろん、ハウリングもバランスも1曲目「Shout At The Devil」の1分台で整えられ、その後はパンのステレオ感も強烈なド直球サウンドボードの凄味が全開。4人が奏でるありとあらゆる音が脳内に土足でズカズカと上がり込み、頭蓋をステージにしてしまう。客席でのコンサート体験感とはまったく違う、バンドとの完全一致感。オーディエンスは元より、FMサウンドボードでも公式盤でも味わえない異次元のシンクロ感を味わえる1枚なのです。その超ド級ダイレクト・サウンドで描かれるのが『SHOUT AT THE DEVIL』時代ならではの異様なハイテンション・ギグ。前述のように1983年と言えば“USフェス”が象徴ですが、本作は比較にならない程ボリュームアップ。ここで比較しながらセットを整理してみましょう。 華麗なる激情(4曲)・Take Me To The Top/Merry-Go-Round/Piece Of Your Action/Live Wire シャウト・アット・ザ・デヴィル(9曲+α)・In The Beginning(★)/Shout At The Devil/Bastard/Ten Seconds To Love(★)/Knock ‘Em Dead, Kid/Too Young To Fall In Love(★)/ God Bless The Children Of The Beast(★)/Red Hot(★)/Looks That Kill/Helter Skelter ※注:「★」印は“USフェスティバル”では聴けなかった曲。……と、このようになっています。要所に『華麗なる激情』ナンバーも配しつつ、ほぼほぼ「生演奏版SHOUT AT THE DEVIL」となるフルショウ。実に「Danger」以外全曲が演奏されており、公式ライヴ作『LIVE: ENTERTAINMENT OR DEATH』でも聴けない「God Bless The Children Of The Beast」「Red Hot」も飛び出す。他にも「Take Me To The Top」や「Merry-Go-Round」「Bastard」など、このツアーまでのレパートリーも大量にブチかまされるのです。とにかく、脳みそを直撃する超絶サウンドボード。そのクオリティで初期の苛烈極まるフルショウを真空パックした歴史的なライヴアルバムです。それこそオフィシャル名盤『SHOUT AT THE DEVIL』と同等……いえ、遙かに超越した次元でそそり立つLAメタルの究極盤です。なぜ80年代にメタルがメイン・ストリームとなり得たのか、なぜその中心にLAメタルが、そしてMOTLEY CRUEがいたのか。それを千の言葉よりも雄弁に物語る音楽ジャンル“ヘヴィメタル”全体の超名盤。 Live at Civic Center, San Antonio, TX, USA 1st December 1983 STEREO SBD(UPGRADE) (62:58) 1. Intro 2. In The Beginning 3. Shout At The Devil 4. Bastard 5. Take Me To The Top 6. Ten Seconds To Love 7. Merry-Go-Round 8. Knock 'Em Dead Kid 9. Piece Of Your Action 10. Too Young To Fall In Love 11. God Bless The Children Of The Beast 12. Red Hot 13. Guitar Solo 14. Looks That Kill 15. Live Wire 16. Helter Skelter Vince Neil - Vocals Mick Mars - Guitar Nikki Sixx - Bass Tommy Lee - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING