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Paul McCartney ポール・マッカートニー/Tokyo,Japan 11.15.1993

当時のバブル景気の機運と相まって1990年のポール初来日公演は文字通りのフィーバーでした。その点93年の来日公演は終了からしばらくはマニアからあまり人気のない時期だと思われていた節があります。それどころか93年のツアー自体が過小評価ぎみだったのではないでしょうか。しかし、ここ20年の間で93年の来日公演や当時の最新アルバム「OFF THE GOURND」も再評価されるようになりました。そして何より、ここ10年の間でリリースされ続けてきた93年来日公演の新発掘オーディエンス・アルバムの数々が再評価を高める上で大きな役割を果たしてくれました。というのも、93年当時にリリースされていたアイテムなどはとうの昔に市場から姿を消して久しかったから。それを裏付けるように、これまで独自入手の音源を基にリリースされてきたアイテムはどれも大好評で、唯一の現行リリース・アイテムである「TOKYO DOME 1993 1ST & 2ND NIGHT」もベストセラーと化しています。このタイトルは都合三回行われた93年東京ドーム公演から前半二回分を独自入手のオーディエンス録音かつ極上音質にて捉えてくれていた訳ですが、惜しむらくは東京ドーム三日目の様子を捉えた現行アイテムがないということ。確かに2014年には「THE NEW WORLD TOUR IN TOKYO DOME」という二日目の音源とカップリングされた四枚組がリリースされていましたが、これまた売り切れとなって久しい。それだけに、マニアでなくとも東京ドーム三日目の新たなアイテムを待ち焦がれていたのでは。そもそも東京ドーム三日目といえば当日のサウンドチェックの模様とセットでテレビ放送が実現した訳ですが、ライブ本番の方はというと実際のショーから3分の1にも満たないパートしか放送されず、それに輪をかけて「Let Me Roll It」だけが14日のテイクという、あらゆる意味で不満が残る編集だったという。これによってなおさら東京ドーム三日目に関してはコンプリートなオーディエンス録音の価値が落ちることはなく、そのせいで三日目の音源を収録していた「THE NEW WORLD TOUR IN TOKYO DOME」が大好評を博した上に売り切れとなってしまったのです。ところがこの夏、突如として東京ドーム三日目の新たなオーディエンス録音がマニアから提供されました。もちろんトレーダー間やネット上にも一切出回っていない音源であることは言うまでもないのですが、画期的なのはその録音状態。1993年と言えば既にDATがテーパー間に普及し始めた時期であり、これまでリリースされてきたアイテムもすべてそれを使った録音でした。しかし今回提供されたオーディエンス・マスターは意外にもカセットテープを用いていたのです。使用したグレードはもちろんハイポジ。デジタル時代が始まった93年当時には異端ともいえたセッティングで録音された東京ドーム三日目の初登場音源を聞いて驚かされるのは、凄まじいまでのダイレクト感を伴ったオンな音像。この時代にDATを用いた東京ドームでのオーディエンス録音はどんなに音像が近くてもドーム特有のエコーからは逃れられない。その点アナログ・カセット録音である今回の音源にはそうしたエコーが皆無。おかげで演奏もびっくりするくらいクローズアップされている。例えばロビー・マッキントッシュが弾いた「Looking For Changes」のイントロなど、もはやサウンドボード・レベル。この曲みたくバンド演奏が圧巻の音圧で聞かれるのはもちろん、「UNPLUGGED」の成功を受けてショー中盤に設けられたアコースティック・コーナーの音圧まで見事なもの。デジタルだとこのパートで音が引っ込んでしまうきらいがあるのですが、ここでもアナログならではの迫力に圧倒されることでしょう。基がカセット録音ですので当然テープチェンジによるカットが入るわけですが、すべて曲間で替えてくれた仕事ぶりがお見事。そこで生じたカット個所には「THE NEW WORLD TOUR IN TOKYO DOME」音源をパッチしましたが、これによって今回の音源の驚異的な音像を実感してもらえるかと。それでいて愉快な臨場感を捉えてくれているのも今回の音源の大きな魅力で、特に左側ではまるでビートルマニアのような黄色い歓声が飛び交っている。これが意外と憎めません。というのも、ただキャアキャア言うのでなくビートル・クラシックから「OFF THE GOURND」収録曲までくまなく盛り上がっている。感心させられるのはロビーによる場つなぎインスト「Robbie's Bit (Thanks Chet)」が始まる際など、彼に対してちゃんと声援を送っていること。だから憎めないのです。そしてこの曲の最中に右側からは観客の傑作なやりとりも聞かれ、そちらは実際に聞いて笑ってください。今振り返ってみると、そのアコースティック・コーナー終盤で「Michelle」を皮切りとして、ポールのキラー・バラードが「Here There And Everywhere」、「Yesterday」そして「My Love」といった具合に立て続けに歌われるパートの何と豪華なこと。しかもこれらの曲すべてが今となってはライブで歌われなくなってしまっただけに、なおさらこの豪華すぎるバラード・セレクションが新鮮に映ります。何しろ当時はライブで聞けて当たり前だと思っていた曲ばかりですからね。そして「THE NEW WORLD TOUR IN TOKYO DOME」リリース時にも触れたように、この日のポールの絶好調ぶりといったら。来日前のツアーで起きた体調不良の煽りを食らった90年と違い、正にエンジン全開のポールがそこにいる。「Hey Jude」の前でじらしに歌った「O Sole Mio」など、おふざけの域を超えた熱唱ぶり。そこに加えて勢いのあるバンドサウンドをアルバムに刻み込んだ「OFF THE GOURND」収録曲が映える。あの短すぎるテレビ放送からは、こうした東京ドーム最終日ならではの魅力がほとんど伝わってこなかった。それでいてデジタル・オーディエンスとも違うハイポジ録音による骨太サウンドがこの日の素晴らしさをさらに際立たせてくれる。これは掛け値なしに凄い録音、是非スピーカーから爆音で楽しんでください!完全初登場のニュー・マスター。93年東京3日目公演のベスト・ソース!! Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 15th November 1993 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (71:58) 1. Opening Film 2. Drive My Car 3. Coming Up 4. Looking For Changes 5. Jet 6. All My Loving 7. Let Me Roll It 8. Peace In The Neighbourhood 9. Off The Ground 10. Can't Buy Me Love 11. Robbie's Bit (Thanks Chet) 12. Good Rockin' Tonight 13. We Can Work It Out 14. I Lost My Little Girl 15. Ain't No Sunshine 16. Hope Of Deliverance 17. Michelle 18. Biker Like An Icon 19. Here, There And Everywhere 20. Yesterday 21. My Love Disc 2 (64:53) 1. Lady Madonna 2. C'mon People 3. Magical Mystery Tour 4. Let It Be 5. Live And Let Die 6. Paperback Writer 7. Back In The U.S.S.R. 8. Penny Lane 9. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 10. Band On The Run 11. I Saw Her Standing There 12. O Sole Mio 13. Hey Jude

Paul McCartney ポール・マッカートニー/Tokyo,Japan 11.15.1993

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