オアシスのアイテムと言えばフィンズベリー・パークの「EVEN BETTER THAN KNEBWORTH」、あるいはリニューアルされての再リリースが記憶に新しい「Tokyo 2002 2nd Night」など2002年ツアーからのアイテムの印象が強いかもしれません。しかし2005年のアルバム「DON'T BELIEVE THE TRUTH」を引っ提げたツアーに関してもいくつリリースしていたのです。この事実を物語るかのようにツアーの開始直後の様子を収めた音源からしてアイテムが存在していたのです。それが5月26日のロンドンはハマースミス・アポロ公演を収録した「TURN UP THE SUN」。今回リリースされる「BERLIN 2002 DAT MASTER」と同じように、2005年のオアシスもツアー本編へと突入する前に小さな会場を回るウォームアップ・ギグを行っていました。それが2002年の場合はヨーロッパだけで行われたのに対し、この年はヨーロッパだけでなく母国イギリスでもウォームアップ・ギグを敢行してくれたのです。そんな貴重なギグを捉えてくれたのがCD「TURN UP THE SUN」だった訳ですが、元になったオーディエンス録音はイギリスのテーパーがトレーダー間に広めることなく送ってくれた独自入手であり、そもそも音源自体が貴重なもの。ただし音像はやや遠め。おまけに母国ということでクラシック・ソングにおける合唱は大盛り上がり大会なのですが、演奏以上に合唱の音像が遠いので(笑)、幸いにも演奏を覆いかぶせてしまうような状態ではありません。2002年のウォームアップ期と同じように、一連のギグだけで演奏されて2005年としてはレアなレパートリーが「Stop Crying Your Heart Out」と「Little By Little」。これら「HEATHEN CHEMISTRY」からの二曲はツアー本編が始まると演奏されなくなってしまっただけに、この時期ならではの貴重なレパートリーという位置づけになるかと。今となっては2005年でこれらの曲を演奏していた事実を知らない人も少なくないのでは。またこのギグを聞いていて非常に面白いのが、まだ「DON'T BELIEVE THE TRUTH」のリリース前という時期ですので、同アルバム収録曲の反応が鈍いということ。先行シングルとしてリリースされていた「Lyla」こそ盛り上がりを見せますが、それとて後の熱狂的な反応とは比べ物にならない。それなのにクラシック・ソングになると合唱が白熱。この独特な盛り上がりの落差を捉えているのも貴重かと。それにオアシス側もまだ導入したばかりの新曲に慣れておらず、「The Meaning Of Soul」では歌い出しのタイミングが掴めなかったリアム・ギャラガーによって演奏がやり直しを命じられるという、これまたウォームアップならではのハプニングが捉えられています。そしてこの時期のオーディエンス録音アイテムなど、今や入手不可能といっても過言ではなく、2002年とはまた違った2005年ウォームアップ・ギグ! Live at Hammersmith Apollo, London, UK 26th May 2005 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters) Disc 1(45:44) 1. Fuckin' In The Bushes 2. Turn Up The Sun 3. Lyla 4. Bring It On Down 5. Morning Glory 6. Cigarettes And Alcohol 7. Stop Crying Your Heart Out 8. Little By Little 9. The Importance Of Being Idle 10. A Bell Will Ring Disc 2(47:17) 1. Live Forever 2. The Meaning Of Soul 3. Mucky Fingers 4. Champagne Supernova 5. Rock 'n' Roll Star 6. Songbird 7. Wonderwall 8. Don't Look Back In Anger 9. My Generation Liam Gallagher - vocals, tambourine Noel Gallagher - guitar, vocals Gem Archer - guitar Andy Bell - bass Zak Starkey - drums