同時リリースとなる1989年のコステロだけでなくテーパーTwo Of Usは所謂パブロック系アーティストが好きなようで、彼の盟友であるニック・ロウのステージも録音してくれていました。Two Of Usが公開してくれたのは1995年1月30日、ウェットランズという会場でのクラブ・ギグ。ロウによる95年1月のライブ音源といえば大好評サウンドボード・アルバム「PHILADELPHIA 1995」が記憶に新しいところですが、それが1月28日の公演だったことからも察しがつくのでは。そう、次に行われたギグが今回のウェットランズ。ということでセットリストも同一…かと思いきや、まずフィラデルフィアで演奏されていた「Lonely Just Like Me」の代わりに当時のニューアルバム「THE IMPOSSIBLE BIRD」からのバラード「14 Days」が歌われています。ここでロウが切々と歌う様は掛け値なしに絶品。それ以上に特筆すべきは、この年のツアーでフィナーレに演奏されていたクラシック「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding」でショーが終わらず、その後にもロウ過去のアルバムからのナンバーが二曲も歌われているという大サービス。もちろんフィラデルフィアも素晴らしいギグだったのですが、この日は盛り上がりがより一段と凄まじく、それがロウの気をよくさせたのでしょう。またTwo Of Usによるオーディエンス録音は極上の音質。クラブならではの親密で賑やかな臨場感をしっかりと捉えつつ、それ以上にオンな音像が圧倒的。サウンドボードの「PHILADELPHIA 1995」では伝わり切らなかったクラブならではの盛り上がりと演奏の勢いが生々しい。やはり当日の空気をたっぷりと吸い込んだ極上オーディエンス録音は格別で、このレベルになるとプレス盤でリリースされたとしても何ら遜色がない。それほどまでの高音質ですので、なるほどこの日のロウがいつも以上にアンコールをサービスしてみせたという盛り上がりには納得。それだけではありません、この場面は本当にサプライズだったらしく「36 Inches High」のイントロの途中から録音が始まっているという。おまけにTwo Of Usがここで前に突進したのだと推測され、ただでさえオンなバランスだった音像がいよいよサウンドボードまがいな近さへと進化(笑)。このサプライズ・アンコールになると周囲の観客も熱心なファンが固まっているのか、どちらの曲でも一緒に歌う声がちらほらと。それほどまでに熱狂的なファンと盛り上がりを前にロウが気をよくした結果がこのさらなるアンコールだったのでは。同年の来日公演でもコンサート本編はじっくり聞きこむ感じで進みながら、アンコールになると盛り上がりが一気に白熱していたこと思い出される場面でもあるかと。名盤「PHILADELPHIA 1995」はそれこそライブアルバム用のアウトテイクでは?と思えたほど完成度の高いステレオ・サウンドボード録音ではありましたが、それとはまた違ったご機嫌なギグを最高音質のオーディエンス録音で楽しめるのが今回のリリース。豊かな臨場感と迫力の音像は正に「PHILADELPHIA 1995」と対をなす極上音源であり、今回も初心者からマニアまで自信を持って推せる最高のアイテム。是非フィラデルフィアとセットでお持ちください! Wetlands, New York City, NY, USA 30th January 1995 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(45:46) 1. Intro 2. 12-Step Program (To Quit You Babe) 3. True Love Travels On A Gravel Road 4. Without Out Love 5. Lover Don't Go 6. The Rose Of England 7. Trail Of Tears 8. Dream Girl 9. Cruel To Be Kind 10. Where's My Everything? 11. I'm Coming Home (Johnny Horton) 12. 14 Days 13. Tombstone Every Mile Disc 2(46:10) 1. Half A Boy And Half A Man 2. Crying In My Sleep 3. Soulful Wind 4. I Knew The Bride (When She Used To Rock And Roll) 5. Bo Bo Skediddle 6. Raging Eyes 7. Shelley My Love 8. Allons Rock 'n' Roll 9. You're My Wildest Dreams 10. I'll Be There (If You Want Me To) 11. (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding 12. 36 Inches High 13. Big Big Love Robert Treherne - drums Paul Riley - bass Geraint Watkins - keyboards Bill Kirchen - guitars