アメリカ・ツアーを完遂したオアシスは三週間のオフを挟んでイギリスとフランスで三回だけギグを行っています。結局この三回のステージがトニー・マッキャロルにとってオアシスで最後の活動となってしまいました。・4月17日サウスエンド『LIVE BY THE SEA』撮影ギグ・4月20日パリ ・4月22日シェフィールド『ANOTHER PLACE TO PRAY (BURIED ALIVE)』 パリ公演の前後に行われたのはどちらも有名なギグ。サウスエンドはオアシス初のライブビデオ『LIVE BY THE SEA』が収録された日であり、シェフィールドはあの「Don't Look Back In Anger」が作りたてでライブ初披露されたという伝説の一日。その間に挟まれたのが今回のパリ公演だったのです。こちらの音源ですが、少し距離感のある音像でライブ前半は少し団子状な録音状態。しかしダラスと同じようにDATを用いたオーディエンス録音で鮮度や臨場感は抜群。リアム・ギャラガーの歌やバンドの演奏の輪郭もコンサートが進むにつれてどんどんシャープになって聞きやすくなってきます。これくらいのクオリティならマニアでなくとも楽しめるのでは。こうして音像が近くなってくることから、リアムが「Live Forever」終盤で歌詞を間違えても勢いで歌い切る様もしっかり聞き取れて楽しい。おまけにドラマーがトニーですので、全体の雰囲気はまだ「DEFINITELY MAYBE」モードであり、演奏全体に若々し勢いが溢れているのも聞きどころかと。さらにダラスや前後のイギリスでのギグと同様「Headshrinker」が演奏されていますが、この日は曲の後半になるとリアムが歌うのをさぼってしまい、これがレパートリーとして短命に終わってしまった理由をうかがわせてくれます。にもかかわらず彼が演奏の後でそのことを詫びているのが貴重な光景と言えるでしょう。またノエルが弾き語りコーナーで「Take Me Away」を歌っているのも大変に貴重ですが、これもまたサウスエンドの撮影では披露されず、この日とシェフィールドだけで歌われたという。おまけにパリの観客がこの曲をしっかり合唱しているのが微笑ましい。同じように「Whatever」もサウスエンド以外の二回のギグだけで披露されていますが、これと初期のレパートリーが居並んでいるところがこの時期のセットリストの面白いところ。この曲や「Some Might Say」をスタジオバージョンと同じようにトニーがコンサートで叩いてみせた時期というのは非常に短いので、その点に関してもドキュメントとして非常に貴重なもの。そんな時期の音源ですので過去に「MISSING LINK (BATACLAN '95)」というCDでリリースされた実績があるのですが、今回はトレーダー間に出回るDATマスターからの収録ですので、そこで生じていた「Talk Tonight」でのカットがなく、しかも完全な状態かつ過去最高の音質で楽しめるというハイクオリティ・ディスク。何よりトニー期を締めくくるレア・ギグの良質音源です。 Le Bataclan, Paris, France 20th April 1995 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND Disc 1 (52:45) 1. Rock 'N' Roll Star 2. Columbia 3. Digsy's Dinner 4. Some Might Say 5. Shakermaker 6. Live Forever 7. Up In The Sky 8. Acquiesce 9. Headshrinker 10. (It's Good) To Be Free 11. Cigarettes & Alcohol 12. Married With Children Disc 2 (36:29) 1. Take Me Away (Acoustic) 2. Talk Tonight (Acoustic) 3. Whatever 4. Slide Away 5. Supersonic 6. I Am The Walrus