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Paul McCartney & Wings ポール・マッカートニー ウイングス/Scotland,UK 1979 Upgrade

1979年のイギリス・ツアーは結果的にウイングス最後のライブ活動となってしまっただけでなく、セットリストが非常に独特でこの時期でしか聞かれないレパートリー満載ということからマニアの間で高い人気を誇っていました。ところがこのツアーの音源を収録したアイテムはLPの時代からどれも音質のスッキリしないアイテムばかり。1979年という年代を考えると不思議なほど音源に恵まれていなかったのです。それでも非常に貴重なツアーであったことから、マニアはイマイチなオーディエンス録音のアイテムでも懸命に聞きこんだもの。それほどまで貴重な内容を誇るツアーだったのです。1975年や76年と違いこの時のメンバーでのウイングスのツアーが79年しか行われなかったというのも大きい。スーパーデラックスのリリースが待たれる名盤「BACK TO THE EGG」を引っ提げたツアーであったことから、同アルバムからの曲を大量にフィーチャーしていた点も魅力。それでいてオープニングはそれまで演奏されたことのなかったビートルズナンバーの「Got To Get You Into My Life」から幕開けというのが大胆。また「No Words」にリンダが歌う「Cook Of The House」といった具合に、ウイングス・ナンバーもそれまでのツアーで演奏されたことのない曲がレパートリーに導入されるという、非常に意欲的なツアーであったのです。おまけに回る会場はシアタークラスばかり、辛うじてロンドンだけはウェンブリー・アリーナという選択がまた意欲的でした。そんな貴重なツアーながら音質の冴えないアイテムばかりが横行していた状況に一石を投じた名盤がVIGOTONEの「LAST FLIGHT」。今は亡きジェフ・エメリックによってマルチトラックからリミックスされ、それまでのビミョーなオーディエンス録音アイテムを軽く一蹴する音質最高のステレオ・サウンドボード録音。もっともグラスゴー公演からはリアルタイムで「Coming Up」がシングルのカップリングとして日の目を見ており、マニアでなくとも正式にライブレコーディングが行われていたことは広く知られていました。となれば全編を聞きたくなるのが当然なのですが、最初はコンピものCD「BIG MAC'S LIVE TRACKS」で「Old Siam Sir」一曲が小出しされ、次に「GLASGOW 1979」でコンサートの半分がめちゃくちゃな曲順で収録されました。特に後者はリリースされた時点ではありがたがられたものです。こうなると完全版が聞きたくなるのがマニア心というものですが、そんな思いに応えてくれたのが「LAST FLIGHT」の登場でした。ウイングスのラストツアーから遂に登場したステレオ・サウンドボード録音完全版は世界中のマニアから諸手を上げて歓迎され、当時のリリースであったにもかかわらず大ベストセラーを記録。その後も「LAST FLIGHT」の名の下でリリースが繰り返されるようになります。それらがまたことごとく好セールスを記録したのも、一重に79年ツアーのステレオ・サウンドボード録音完全版かつ最高音質ということに尽きるかと。今回マイク・ミラードのマスターがリリースされる76年のオーバー・アメリカ・ツアーとはまるで違う洗練されたロックサウンドが最高の音質で楽しめるという点でも重要音源であります。そんな初心者からマニアまで必聴の定番音源ではありますが、もちろん問題も抱えています。エメリックによってリミックスされたおかげでライブアルバムとしては完成の域に達していたものの、そこは流出音源らしくカセットにコピーされたものが元となっていました。これは関係者が聞き返す為に作られたのだと推測されます。それが何度かダビングされた上で流出したのでしょう、特にカセットのB面に属するコンサート後半は音のこもりが顕著。「LAST FLIGHT」の名の下にリリースされてきたアイテムのいくつかはイコライズが施されていたものの、コンサート後半の問題にまで取り組んだアイテムというのは皆無でした。そこで今回のリリースにおいては現在の最新テクノロジーを用いてリマスターするだけにとどまらず、この問題も徹底的に解消すべく、新たなイコライズを敢行したのです。これによってカセット流出音源っぽかった音のこもりが解消され、音源全体が非常にすっきりクリアーな音質に生まれ変わったのはもちろん、コンサート後半にあったこもりの増幅という違和感まで一気に解消されました。その点に関しては、これまた79年ツアーの大きな魅力であり、今の季節に映えまくるクラシック「Wonderful Christmastime」、あるいは「Mull Of Kintyre」辺りで聞き比べれば一目瞭然。今までの「LAST FLIGHT」リリースと違い、コンサートが最後までクリアーな音質で楽しめるとなれば、改めて初心者からマニアまで必須のスタンダード・アイテムへと昇格したアッパー版です! Apollo Theatre, Glasgow, Scotland 17th December 1979 STEREO SBD (UPGRADE) Disc 1 (49:52) 01. Got To Get You Into My Life 02. Getting Closer 03. Every Night 04. Again And Again And Again 05. I've Had Enough 06. No Words 07. Cook Of The House 08. Old Siam Sir 09. Maybe I'm Amazed 10. The Fool On The Hill 11. Let It Be 12. Hot As Sun 13. Spin It On Disc 2 (46:09) 01. Twenty Flight Rock 02. Go Now 03. Arrow Through Me 04. Wonderful Christmastime 05. Coming Up 06. Goodnight Tonight 07. Yesterday 08. Mull Of Kintyre 09. Band On The Run STEREO SOUNDBOARD RECORDING

Paul McCartney & Wings ポール・マッカートニー ウイングス/Scotland,UK 1979 Upgrade

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