80年代末にシーンを席巻した名バンド、KINGDOM COME。その刹那に実現した初来日を体験できる貴重なオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1989年1月1日:東京ドーム公演」。BON JOVI、RATTと共に出演した“HEAT BEAT LIVE '89 IN BIG EGG”で記録されたオーディエンス録音です。KINGDOM COMEは幾度かの活動停止と再始動を繰り返しながら現在も活動していますが、その歴史のほとんどはレニー・ウルフのソロ・プロジェクトとしてのもの。バンドとして活動していたのは最初の2年間だけでした。良い機会でもありますので、その全体像からショウのポジションを振り返ってみましょう。 1988年《2月29日『KINGDOM COME』発売》・3月17日-5月20日:欧州#1(50公演)・5月27日-9月30日+10月31日:北米#1(61公演)・12月31日:日本(1公演)1989年・1月1日-12日:日本(3公演)←★ココ★《4月24日『IN YOUR FACE』発売》・5月1日:アムステルダム公演 ・5月31日-8月15日:北米#2(31公演)・9月16日+21日:欧州#2(2公演)《KINGDOM COME解散》 これがバンドだった1988/1989年のKINGDOM COME。1989年の下半期には解散を発表し、翌1990年には早くもレニーのソロとして再起動します。その後も含めてKINGDOM COMEの来日は一度しか実現しておらず、その初舞台がBON JOVIによる年越しイベント“HEAT BEAT LIVE '89”だったわけです。1988年の大晦日は「FINAL COUNT DOWN」と題してブリトニー・フォックス入りの4組で実施され、翌日の元旦は「BLAST OFF TOKYO」と題して3組が出演。新人のKINGDOM COMEは一番手でした。そんなショウで記録された本作は、驚きのダイレクト感が鮮烈なパワフル・オーディエンス。このところ発掘が続いている名手によるオリジナル・マスターでして、最近のHR系ですとHEARTの名盤『TOKYO 1988 2ND NIGHT』やBON JOVIの『BUDOKAN 1987 FINAL NIGHT』等が大好評。大会場であっても距離のないサウンドが絶賛を集めました。本作もまた、その手腕が光っている……と言いますか、今まで以上の衝撃。何しろ、本作の現場は完成間もない東京ドーム。日本でも屈指となる録音の難所であり、特に出音ノウハウ・録音技術が確立していなかった80年代は、ボワボワ・ボケボケでも当たり前なのです。さすがの名手でも……と思いきや、本作は芯がとにかく極太で厚めの鳴りを物ともせずにグイッグイと目の前に迫ってくる。ボケがちな重低音の輪郭が素晴らしく、ベースのラインもくっきりとしており、LED ZEPPELIN譲りのグルーヴもぶっとく鮮やか。しかも、それだけパワフルであってもまったくビビらず、レニー・ウルフのセクシーな歌声がレーザー光線のようにすべてを切り裂く。「一体、これのどこが東京ドーム!?」と我が耳を疑う素晴らしいサウンドなのです。それほどのダイレクト・サウンドで描かれるのは、シーンの話題を独占した時代の名盤『KINGDOM COME』の生演奏版とも言うべきステージ。そもそも彼らのライヴ情報自体が貴重でもありますので、ここでセットも整理しておきましょう。KINGDOM COME(7曲)・Shout It Out/Living Out Of Touch/Pushin' Hard/17/What Love Can Be/Get It On/The Shuffle その他(3曲)・BURNS LIKE A STAR:Break Down The Walls・IN YOUR FACE:Who Do You Love/Perfect 'O' ……と、このようになっています。前述の日程をご覧の通り『IN YOUR FACE』の直前でもあって新曲「Who Do You Love」「Perfect ‘O’」も披露しつつ、軸はあくまでデビュー作『KINGDOM COME』。全10曲中7曲を大盤振る舞いしており、名曲「Living Out Of Touch」も「What Love Can Be」も、もちろん全世界をビビらせた「Get It On」も披露してくれる。あのブルージーでありつつ、厳格なハードロックの理想像がステージでも見事に繰り広げられる。そして、オールド・ファンの感涙を呼ぶのがSTONE FURY時代の超名曲「Break Down The Walls」!! 付きもののパクり話とは一切関係なく、レニー自身の美声を最大限に活かしたメロディアスHRの理想曲もきっちり現場体験できるのです。苦笑いしつつも、その魅力に抗えなかったKINGDOM COME。LED ZEPPELINのHR要素を純粋培養したサウンドに、ロバート・プラントを訪仏せずにいられない声。そして先人の名盤がフラッシュバックする名曲たち……それこそプラントやペイジ自身に描いて欲しかった理想郷を体現してくれた名バンドでした。その泡沫の黄金時代を現場体験できる貴重なオリジナル録音。「1989年1月1日:東京ドーム公演」の傑作オーディエンス録音。大元カセットからダイレクトにデジタル化された銘品で、そのサウンドは、東京ドームとは思えないほどダイレクトでパワフル。極太な芯がグイグイッと目の前に迫り、菓子の一語まで鮮明なディテールも見事。時代の名盤『KINGDOM COME』ナンバーやSTONE FURY時代の超名曲「Break Down The Walls」等、泡沫の黄金時代を現場体験できる奇跡のライヴアルバムです。 Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 1st January 1989 PERFECT SOUND(from Original Masters) 01. Introduction 02. Shout It Out 03. Living Out Of Touch 04. Pushin' Hard 05. Keyboard Solo 06. 17 07. Guitar Solo 08. What Love Can Be 09. Who Do You Love 10. Get It On 11. Drum Solo / Get It On 12. Break Down The Walls 13. Perfect 'O' 14. The Shuffle Lenny Wolf - Vocals Danny Stag - Guitar Rick Steier - Guitar Johnny B. Frank - Bass James Kottak - Drums