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Oasis オアシス/PA,USA 1996

1996年のオアシスはメイン・ロードにネブワースというビッグ・ギグで栄光に彩られた年であったことは説明不要でしょう。春のメイン・ロード辺りからリアムを中心としたオアシスのテンションは上昇の一途を辿り、それがMTVアンプラグドでリアムの出演取りやめからミソが付き始め、続いて行われたアメリカ・ツアーが兄弟喧嘩と共に強制終了してしまったことでオアシス栄光の一年が残り数か月を残して幕を閉じてしまいます。アメリカ・ツアー自体も「CHICAGO 1996 DAT MASTER」でドキュメントされていたように、初日のシカゴをリアムがドタキャンしたせいで全編ノエル・ボーカルの一日からスタートしている。既にツアー空中分解の火種は撒かれていた訳ですが、それでもすべての日がダメだったのかと言えばとんでもない。むしろリアムが戻ってきてからアメリカでの数日はハイテンションなパフォーマンスの連続だったのです。それを証明するのが今回のフィラデルフィア。オープニングの「Acquiesce」からリアムはエンジン全開…というかキレッキレ。心の赴くままに歌いあげている。調子が悪い日は彼にとって関門になってしまう「Some Might Say」に関してもサラリと歌いこなしているのが頼もしい。この曲を歌うリアムの姿を一つとっても96年らしい振り切れっぷりというか、これがもう聞いていて気持ちいいくらいのレベル。そうした辺りがメイン・ロードやネブワースの残火ではないでしょうか。このテンションの高さに乗ってリアムは曲間でも非常に饒舌。もちろんこのハイパーなパフォーマンスぶりにはアルコールという燃料が使われていた訳ですが、そのはっちゃけたリアムの爆裂テンションがアメリカ人に受けないはずがなく、会場も大いに盛り上がっている。この時期ならではのレア・レパートリーであった「Listen Up」を始める前など、ノエルまで一緒になってオーディエンスを煽り、それに対して彼らも盛り上がるという、これもまた気持ちのいい臨場感。このキレッキレ・リアムが「Cigarettes & Alcohol」になると少し雲行きが怪しくなり、途中でノエルに助け舟を出してもらったりするのですが、丸投げにならずにサッと歌に戻っているところがこの日らしくもあり、それでいて「兄弟ならではの阿吽」を垣間見させてくれる場面でしょう。イントロを始めた際に聞かれるノエルのハイテンションな絶叫にも驚き。一曲置いて「It's Gettin' Better (Man!!)」においてもまったく同様の光景が見られるのですが、ここでもグダグダに陥らず絶妙のタイミングでリアムが歌に戻っているから面白い。そもそも「It's Gettin'~」はこの時点だとリリースどころかレコーディング前の新曲と言う扱いでネブワースを始めとした一連の野外マンモス・ギグから披露され始めていたのですが、後の「BE HERE NOW」収録バージョンよりも少しテンポが速く演奏されていて、それを聞きなれた耳には新鮮に映るかと。ノエル・コーナーになっても会場がよく盛り上がっており、戻ってきたリアムによる「Live Forever」になるとそれまでの飛ばし過ぎが祟ったか、さすがに彼の歌が苦しそう。一部はノエルに歌ってもらっているほどだったのですが、それでも結局は最後まで歌い切ってくれたのがこの日らしい。そしてフィナーレ「I Am The Walrus」になると非常に珍しいハプニングが。そこではノエルが曲の進行を間違えてしまい、リアムが曲を止めさせてやり直すという珍しいパターン。それでも仕切り直されたテイク2でもハイテンションぶりは衰えることがなく最後まで疾走。この96年らしいハイテンションなフィラデルフィアの一夜を記録してくれたのはCrazy S.ならぬBrian Dというテーパー。彼によるオーディエンス録音は「まるでサウンドボード」というようなイメージの音像とは違いますが、非常に迫力のある音質でこの日のハイパー・パフォーマンスを余すところなく伝えてくれる。程よい距離感とクリアーな音質が絶妙な名録音。大好評「CHICAGO 1996 DAT MASTER」に続き、短命に終わった96年最後のアメリカ・ツアーからフィラデルフィアの名会場スペクトラム(当時は企業に買収され「コア・ステーツ・センター」という名前でした)でのリアムも戻ってきたオアシスのハイパー・ギグをリリース!CoreStates Spectrum, Philadelphia, PA, USA 2nd September 1996 PERFECT SOUND Disc 1 (67:35) 1. The Swamp Song 2. Acquiesce 3. Supersonic 4. Hello 5. Some Might Say 6. Roll With It 7. Slide Away 8. Listen Up 9. Morning Glory 10. Cigarettes & Alcohol 11. It's Getting Better (Man!!) 12. Champagne Supernova Disc 2 (34:02) 1. Whatever / Octopus Garden (Noel acoustic) 2. Cast No Shadow (Noel acoustic) 3. Wonderwall (Noel acoustic) 4. Don't Look Back In Anger 5. Live Forever 6. I Am The Walrus Liam Gallagher - lead vocals, tambourine Noel Gallagher - guitar, vocals Paul Arthurs - guitar Paul McGuigan - bass Alan White - drums

Oasis オアシス/PA,USA 1996

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