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Led Zeppelin レッド・ツェッペリン/MN,USA 1973 Upgrade

これだけライブ音源がリリースされているレッド・ツェッペリンですが、有名音源なら何度でもアイテムが出され続ける一方で、すっかり忘れ去られた音源というのも存在します。その好例と言えるのが1973年のセントポール。今から20年以上前、「COMPLETE PERFORMANCE IN MINNESOTA」としてリリースされたきり未だに他のアイテムが存在しないのです。ある意味、異例の長期政権を誇るタイトルだったのですが、今となってはアイテムや音源のこと記憶しているマニアというのもほとんど存在しないのでは。距離感のある典型的なビンテージ・モノラル・オーディエンス録音であり、なおかつピッチの狂いなどもあって、1973年アメリカ・ツアーの中においても典型的なB級アイテムと呼べたのでした。そんな忘れ去られたセントポール73ですが、先月ネット上に突如としてマスターから収録されたバージョンが登場。おまけに公開してくれたのはdadgad。マニアの間でさえ見過ごされていた73年音源のマスター落としがしれっと現れたんです。さすがにカセットコピー時代の「COMPLETE PERFORMANCE IN MINNESOTA」と比べるとビンテージ・オーディエンスなりにアッパー感が歴然としていて、そこで気になった粗さや歪み、さらにはピッチの狂いといった問題が一掃され、マニア向けな音源とはいえど格段に聞きやすくなってくれたのです。もちろんモノラル録音、なおかつ距離感のある音像ですのでヘッドフォンではまるで映えない音質。そこはスピーカーからの再生を推奨しておきたい音源でもあります。それにしても、さすがはマスターからのバージョンだけあって先の問題だけでなく、音の鮮度や深みすら感じさせるアッパーぶりは流石。繰り返しますがあくまでマニア向け音源でありますが懐かしの「COMPLETE PERFORMANCE~」本当に聞きやすくなってくれたもの。この日は何と言っても演奏が聞きどころの連続…というか73年アメリカ、セカンド・レグの中において最初の名演と呼んでも過言ではないほど演奏が充実しているのです。もっとも、ライブ序盤はあのシカゴ二日間に流れを(悪い意味で)汲んでロバートの調子はボロボロ。メロディーラインを下げまくって歌うという有様。ところがバンド自体はそんな様子を気に留める訳でもなく、ジミーに至っては「Misty Mountain Hop」の前で突如「Dancing Days」のイントロを弾きだすなど、むしろご機嫌では?と思えるから不思議。おまけに「Misty Mountain~」から突如としてロバートも復調。そこから爆竹が鳴らされようとも腐ることなく歌っており、むしろそれが鳴ったことで眠りから覚めたのでは?と思えるほど気合が伝わってきます。それ以上に驚かされるのが「No Quarter」。今度はボンゾが覚醒して異様なほど激しく叩きまくり。本曲でボンゾが目立つ展開と言えば77年を思い起こさせますが、その時と違い尺が基本短い73年版の演奏でボンゾがこれほどまでに激しくドラムを叩いてみせた場面というのは非常に珍しい。こうして前半はスロースターターだったこの日ですが、明らかに「No Quarter」でバンドのエンジンが全開となります。そこで迎えた「Dazed and Confused」は期待を裏切らない凄まじい演奏。前半のテーマ部分からしてこの時期では珍しいくらいボンゾが炸裂、それこそ数か月前のヨーロッパの彼が乗り移ってきたのでは?と思えるほど凄まじい。ジミーによるボウイング・セクションが終わり、リズム隊を中心とした展開も完全に彼らの独壇場。そこに負けじとジミーが切り込む展開がまた数か月前のヨーロッパを彷彿とさせますし、20分辺りで壮絶なピークを迎えます。さらにエンディングに向かってもボンゾが炸裂、ほぼ30分に及ぶ凄まじい演奏が繰り広げられました。もうこの後はシカゴ二日間とは別のバンドかと思うほど演奏が白熱、カットが入ってしまうのが惜しい「Stairway to Heaven」の途中ではこの時期のロバートとは思えないほど強烈なシャウトをかましてくれますし、やはりイントロが未収録の「Heartbreaker」での展開も最高。今度はジミーが絶好調で、同曲から「Whole Lotta Love」に切り替わるべき場面をひっぱるひっぱる(笑)。ようやく曲が変わったかと思いきや、今度は73名物「Let That Boy Boogie」パートでもジミーがいつもよりたっぷりソロを弾いて演奏を引き延ばす。そしてフィナーレ「Communication Breakdown」はイントロから異様なテンションの高さでこれまたジミーが長めの展開に。「COMPLETE PERFORMANCE IN MINNESOTA」の時は音の粗さやピッチの狂いのせいで、こうした演奏の凄みを感じ取れなかったマニアが多かったのでは?このように「Heartbreaker」以降におけるジミーの弾きまくり感は本当に壮絶で、これぞ「失われた名演」という表現がぴったり当てはまるであろう、見過ごされたマニアック音源73年セントポールが遂にアップグレード!安定した音像で2時間43分に渡ってしっかりと録音されてる。音の鮮度や明度も問題なし。質も良い。音の深みもある。予想だにしてなかった素晴らしいマスター。これは必聴!!Civic Center, St. Paul, Minnesota, USA 9th July 1973 PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1 (67:34) 1. Intro 2. Rock And Roll 3. Celebration Day 4. Black Dog 5. Over the Hills and Far Away 演奏後一瞬だけDancing Daysリフ弾く 6. Misty Mountain Hop 7. Since I've Been Loving You 8. No Quarter テープチェンジ 9. The Song Remains the Same 10. The Rain Song Disc 2 (45:08) 1. MC 2. Dazed and Confused 3. Stairway to Heaven Disc 3 (49:54) 1. MC 2. Moby Dick 3. Heartbreaker 4. Whole Lotta Love 5. Communication Breakdown

Led Zeppelin レッド・ツェッペリン/MN,USA 1973 Upgrade

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