ドゥギー・ホワイトを迎えた新生ALCATRAZZと、エニッド・ウィリアムズが去りながらも女性バンドの最長記録を伸ばし続けているGIRLSCHOOL。両者がステージを分け合う最新ツアーを極上体験できるライヴセットが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2021年11月18日ストーク=オン=トレント公演」。その超絶級オーディエンス録音です。米国に遅れつつ、英国シーンも新型コロナ・パンデミックからの復活を目指している段階。ALCATRAZZとGIRLSCHOOLは、その先陣を切るかのようにカップリングツアーを開始しました。まずは、そんな両者の近況から始めましょう。・11月4日:オスロ公演(GIRLSCHOOL)・11月11日:グレート・ヤーマス公演(ALCATRAZZ)・11月17日:ミルトン・キーンズ公演・11月18日:ストーク=オン=トレント公演 ←★本作★・11月19日:ブラックプール公演・11月20日:スウォンジー公演・11月21日:グリムズビー公演・11月24日:チェスターフィールド公演 ・11月25日:エディンバラ公演・11月26日:ブラッドフォード公演・11月27日:トルーン公演・11月28日:ニューカッスル公演・12月1日:ロンドン公演・12月2日:ウルヴァーハンプトン公演これが現在までに公表されているスケジュール。両バンドとも今月初旬にウォームアップ的なギグを1回行い、カップリング・ツアーを開始。本作のストーク=オン=トレント公演は、その2公演目にあたるコンサートでした。その現場を記録した本作は、まさに「超」月の極上オーディエンス。クラブ規模の密着感が凄まじく、距離感など皆無。いわゆる「まるでサウンドボード」を地で行く超ダイレクト録音です。サウンドについてはこの辺にしまして、早速、大注目のショウ内容へ。それぞれのセットを整理しつつ、個別にご紹介していきましょう。【DISC 1:トレイシー・ラムが復帰したGIRLSCHOOL】DEMOLITION(5曲)・Demolition Boys/Nothing To Lose/Take It All Away/Race With The Devil/Emergency HIT AND RUN(7曲) ・C'mon Let's Go/The Hunter/Hit And Run/Future Flash/Kick It Down/Watch Your Step/Tush その他(5曲)・80年代:Bomber/Screaming Blue Murder/Action・GUILTY AS SIN:Guilty As Sin/Take It Like A Band まず登場するのは、創設者でもあるイーニッド・ウィリアムズが去ったGIRLSCHOOL。しかし、後任に収まったのは80年代/90年代にも参加していたトレイシー・ラム。違和感もなく、GIRLSCHOOLらしいショウが楽しめます。実際、セットも黄金のグレイテスト・ヒッツでして、2大名盤『DEMOLITION』『HIT AND RUN』を濃縮還元し、そこにトレイシーも参加していた『TAKE A BITE』の「Action」や最新作『GUILTY AS SIN』の「Guilty As Sin」「Take It Like A Band」を散りばめる。思わず共演EPの想い出がフラッシュバックする爆走「Bomber」もド密着&極太サウンドでブチかましてくれます。【DISC 3-4:ドゥギー・ホワイト参加のALCATRAZZ】新曲(4曲)・ファイヴ:Grace Of God/Sword Of Deliverance/Target/Turn Of The Wheel クラシックス(ALCATRAZZ側:4曲)・ノー・パロール・フロム・ロックン・ロール:Too Young To Die, Too Drunk To Live/Island In The Sun/Jet To Jet・ディスタービング・ザ・ピース:God Blessed Video クラシックス(ドゥギー側:6曲) ・レインボー関係:Wolf To The Moon/Ariel/Black Masquerade/The Temple Of The King・シェンカー関係:The Girl With The Stars In Her Eyes/Vigilante Man これがALCATRAZZ篇のセット。こうして3つに分類してみると、何とドゥギー側のセレクトが一番多い。新作『V』ナンバーが4曲なのは仕方ないにせよ、1st/2ndアルバムの名曲群よりも多いとは。たしかにグラハムもALCATRAZZでRAINBOWやMSGの曲を歌ってきたわけですからおかしくはないはずなのですが、ドゥギーはこれまで数々のバンド/プロジェクトを渡り歩きつつ、どこでも自分の持ち歌はほとんど取り上げられなかった。グラハムと同等の扱いを受けられるとは、破格の厚遇と言っても良いでしょう。しかも、マイケル・シェンカーとの「The Girl With The Stars In Her Eyes」「Vigilante Man」をセレクトする辺りも意外ですし、極めつけは「The Temple Of The King」。たしかにRAINBOW時代にライヴで歌っていましたし、ロニーもDIOで「Mistreated」をやっていましたから別にあり得ない事じゃない。あり得なくはないんですが……ALCATRAZZと言うより、まるでドゥギーのソロ・バンドかのような大胆セレクトです。また、最新情報ではメンバーチェンジもあった模様。アルバムでドラムを務めていたマーク・ベンケチェアが脱退し、本作でスツールに座っているのはラリー・パターソン。様々なバンド経歴のあるベテランですが、当店的に一番有名なのはBLAZE BAYLEY BAND……という渋い人選です(公式サイトにも反映されていない人事ですが、SNSで公開しているので間違いないでしょう)。ともあれ、実は「ドゥギーを後任に迎えた」ではなく「ドゥギーと対等に組む」だった新生ALCATRAZZ。本作は、その意外なスタンスと真価を目の当たりにできる最新・極上のフル・ライヴアルバムなのです。老舗の味を守り続けるGIRLSCHOOLと、新鮮さを超えた驚きの新生ALCATRAZZ。まるで正反対ながら、どちらもベテランならではのカップリング・ショウをフル体験できるライヴセットです。息を吹き返した英国シーンの最前線に超極上サウンドで居合わせられる3枚組。ドゥギー・ホワイトを迎えた新生ALCATRAZZとトレイシー・ラムが復帰したGIRLSCHOOLのカップリング・ツアーを伝えるライヴセット。「2021年11月18日ストーク=オン=トレント公演」の超絶級オーディエンス録音です。クラブ規模の密着感も凄まじい「まるでサウンドボード」を地で行く超ダイレクト・サウンドの名録音で、大注目のフルショウを体験できる。RAINBOWやマイケル・シェンカー等、ドゥギーの持ち歌を大盤振る舞いするALCATRAZZ/老舗の味を頑固に守るGIRLSCHOOLと、個性の異なる両雄のフルショウを極上体験できます。 Eleven, Stoke-on-Trent, UK 18th November 2021 ULTIMATE SOUND GIRLSCHOOL Disc 1(75:04) Girlschool 01. Intro 02. Demolition Boys 03. C'mon Let's Go 04. The Hunter 05. Guilty As Sin 06. Hit And Run 07. Action 08. Future Flash 09. Kick It Down 10. Nothing To Lose 11. Take It Like A Band 12. Watch Your Step 13. Take It All Away 14. Race With The Devil 15. Bomber 16. Emergency 17. Screaming Blue Murder 18. Tush Kim McAuliffe - vocals, guitar Jackie Chambers - guitar, vocals Tracey Lamb - bass Denise Dufort - drums ALCATRAZZ Disc 2(44:38) 1. Intro 2. Grace Of God 3. Too Young To Die, Too Drunk To Live 4. Wolf To The Moon 5. Sword Of Deliverance 6. Target 7. Island In The Sun 8. Ariel 9. Jet To Jet Disc 3(37:57) 1. MC 2. Turn Of The Wheel 3. The Girl With The Stars In Her Eyes 4. Black Masquerade 5. God Blessed Video 6. Vigilante Man 7. The Temple Of The King Doogie White - vocals Joe Stump - guitar Gary Shea - bass Jimmy Waldo - keyboards, vocals Larry Paterson - drums