「TAKEN BY FORCE」を引っさげて行われたSCORPIONSの初来日公演は、4月23日と24日の東京・中野サンプラザ公演を皮切りに、25日には名古屋、そして翌26日には大阪、最終日となった27日が3度目の東京・中野サンプラザと、実に5日間連続でのライヴというタイトな日程で行われました。このうち東京で組まれた3公演分は公式ライヴ作品「TOKYO TAPES」をはじめ、各種のオーディエンス・ソースで知られていますが、名古屋や大阪でのライヴ音源は種類が限られており、ファンでも「聴いた事が無い」と言う人が意外なほど多いようです。そこで今回は名音源である「OSAKA TAPES」を、オリジナル・マスターより全面的なトリートメントを施した"Remastered Edition"として復活させました!本音源は初登場した当時から音質には定評がありましたが、今回のリマスターでは音の抜けと明度を改善し、よりシャープな輪郭でバンドの演奏を再現しています。会場の熱気を丸ごと取り込んだ生々しい臨場感はもちろんそのまま。オープニングの「All Night Long」と「Pictured Life」から公式ライヴにも引けを取らない聴き易さと迫力で演奏を楽しませてくれます。ウリ・ジョン・ロート在籍時のSCORPIONSといえば"暗い"印象がありますが、「Backstage Queen」や「Suspender Love」などは'80年代以降のバンド像に連なる曲想を聴かせ、SCORPIONSはこの当時から本質的には"明るい"音楽的志向を持っていた事がうかがえます。これにジミ・ヘンドリクスの影響を受けたウリのヘヴィな音楽性やスピーディなプレイが大きく加味されると「He's A Woman, She's A Man」や「Catch Your Train」のような楽曲になるのだろうという事が想像されます。もちろん「We'll Burn The Sky」や「In Trance」で聴けるメロディの素晴らしさは言う事なし(特に「In Trance」イントロのギターは美しいです)。「In Search Of The Peace Of Mind」から文字通り空へ飛び立つような「Fly To The Rainbow」も絶品の演奏で、ライヴ中盤の完成度にはどんな聴き手も聴き惚れてしまうはず。これら一連の楽曲がほとんど網羅されたこの'78年ライヴのセットリストは、ウリ時代SCORPIONSのベストとしても機能していると言えるでしょう。来日初演ではヴォーカルと会場の合唱のみだった「荒城の月」は、後半にバンドの演奏が加わるようになり、よりドラマティックで重厚な曲想を楽しめます。特にメロディアスなウリのギターは絶品で、エモーショナルな旋律は聴き手の耳を大いに魅了します。本作最後は「Robot Man」がオーディエンスを大興奮の渦へと巻き込みます。クラウスの声はオープニングからここまで全く疲労の色も見せず、一貫してパワフルで伸びやかなヴォーカルを聴かせてくれます。録音はこの「Robot Man」の後半部分で終了してしまい、この後に取り上げられたと思われる「Hell Cat」やウリのロング・ソロは残念ながら未収録ですが、ディスク2枚で100分を越えるライヴは、充分以上の聴き応えと満足感を味わわせてくれます。初期SCORPIONSの総決算、ウリ時代の到達点といえる充実のライヴをたっぷりとお楽しみください! Live at Festival Hall, Osaka, Japan 26th April 1978 TRULY AMAZING SOUND (from Original Masters) Disc 1 1. All Night Long 2. Pictured Life 3. Backstage Queen 4. Polar Nights 5. We'll Burn The Sky 6. Suspender Love 7. In Trance 8. In Search Of The Peace Of Mind 9. Fly To The Rainbow Disc 2 1. He's A Woman, She's A Man 2. Speedy's Coming 3. Catch Your Train 4. Top Of The Bill 5. Drum Solo 6. Top Of The Bill(reprise) 7. Hound Dog 8. Long Tall Sally 9. Steamrock Fever 10. Dark Lady 11. Kojo No Tsuki 12. Robot Man Klaus Meine - Lead Vocals Ulrich Roth - Guitar, Vocal Rudolf Schenker - Guitar, Vocal Francis Buchholz - Bass, Vocals Herman Rarebell - Drums, Percussion, Vocal