サイモン・フィリップスを迎えた『TAMBU』で新章を開いた1996年のTOTO。そのステージを極上体験できる異次元サウンドボード・アルバムが登場です。そんな本作に記録されているのは「1996年3月3日アントウェルペン公演(ベルギー)」。その超絶級ステレオ・サウンドボード録音です。本作最大のポイントは衝撃的なまでのクオリティにあるのですが、まずはショウのポジション。当時のスケジュールから振り返ってみましょう。1995年《5月9日『TAMBU』発売》・5月16日ー25日:欧州#1(3公演)・6月16日ー7月8日:欧州#2(16公演)・10月18日ー12月12日:欧州#3a(37公演)1996年・1月8日ー3月3日:欧州#3b(29公演)←★ココ★・3月31日ー4月12日:日本(10公演)・4月14日ー21日:アジア(6公演)・5月10日ー18日:南米(5公演)・6月7日ー7月21日:欧州#4(28公演)これが1995年/1996年のTOTO。“TAMBU Tour”で世界を巡ったわけですが、そのメインとなったのは年末年始を挟んだヨーロッパ・ツアー。本作のアントウェルペン公演はその最終日であり、来日直前の最後のコンサートでもありました。そんなショウを記録した本作は、超ド級のステレオ・サウンドボード。ひと口に「サウンドボード」と言っても個性は多種多様なわけですが、本作はいわゆる「ミックス卓直結系」。それも無加工・ド密着・ギラッギラで、再生した瞬間から「これは放送じゃないな」と分かるヤツです。大歓声も遠いわけですが、それ以上に強烈なまでの生楽器感や常軌を逸した幅で吹っ飛ぶパンなど、家庭用オーディオで再生される事などまるで考えられていない。現場PAから吐き出されている音そのまんまな「ムキ出しサウンドボード」なのです。いわゆる「コンサートの体験感」など微塵もないわけですが、それこそが擦れっ枯らしのサウンドボード・マニアにはたまらない。寒極の存在感など掻き消す生演奏の迫力は脳内がコンサート会場と化し、全身が楽器1つひとつと一体化するようなシンクロ感で没入できる。「オフィシャル級」と言っても構わないのですが、実際のオフィシャル作品では決して味わえない異次元サウンドでもあるのです。そんな快感中枢直撃サウンドで描かれるショウもまた超絶。常にハイクオリティなアンサンブルで魅せてくれるバンドですが、名手中の名手サイモン・フィリップスを迎えて更に洗練。超絶サウンドによって、その一部始終が脳のシワに刻まれるのです。そして、生演奏の題材となるセットも名曲揃い。ここでその内容も整理しておきましょう。70年代/80年代クラシックス(7曲)・宇宙の騎士:I'll Supply The Love・聖なる剣:Africa/Rosanna(★)・ファーレンハイト:I'll Be Over You/Don't Stop Me Now(★)・第7の剣:Home Of The Brave/Stop Loving You 90年代(7曲)・欲望の王国:Don't Chain My Heart/Jake To The Bone・タンブ:Drag Him To The Roof/Gift Of Faith/If You Belong To Me/The Turning Point/Dave's Gone Skiing ※注:「★」印は別公演サウンドボードもボーナス収録されている曲。……と、このようになっています。本作はアントウェルペン公演をフル収録しているわけですが、その後に別公演サウンドボードも4曲ボーナス収録されています(DISC 2の8トラック目以降)。公演日・開催地は不明ながら、超絶なサウンド特性は本編にも通じますので、恐らくは同じ関係者がテープの余りにオマケ的に録音したのでしょう。「Stop Loving You」はエンディング・パートのみ、「Smoke On The Water」はイントロ・リフの遊びだけですが、間の「Rosanna」「Don't Stop Me Now」はフルで収録されています。貴重な『TAMBU』ナンバーもオフィシャル級サウンドで聴けるお宝ライヴアルバム……と書きかけたのですが、止めました。とてもではありませんが、それどころではないのです。とにかく、この超絶なド直結サウンドをご体験頂きたい。それも、できる限りヘッドフォンで。4人の妙技と女声コーラスが頭の中を飛び回り、脳みそをグリングリンとかき回される。尋常ではないサウンド宇宙に全身を浸しながら、大河のような「Africa」の感動に押し流される快感。あぁ、このまま音楽の洪水で溺れ死んでしまいたい……そんな世迷い言まで口を付いてしまう異次元サウンド盤です。「1996年3月3日アントウェルペン公演」の超絶級ステレオ・サウンドボード録音。ミックス卓直結系で、とにかく無加工・ド密着・ギラッギラ。大歓声も遠いわけですが、それ以上に強烈なまでの生楽器感や常軌を逸した幅で吹っ飛ぶパンなど、現場PAから吐き出されている音そのまんまな「ムキ出しサウンドボード」です。そんなオフィシャル超えの異次元サウンドで貴重な『TAMBU』ナンバーも味わえる。それこそ公式作品と並べて味わうべき絶対盤です。 The Stadsschouwburg, Antwerpen, Belgium 3rd March 1996 STEREO SBD Disc 1 (62:47) 1. Drag Him To The Roof 2. Don't Chain My Heart 3. Gift Of Faith 4. Jake To The Bone 5. If You Belong To Me 6. The Turning Point 7. I'll Supply The Love 8. Africa 9. Home Of The Brave Disc 2 (57:27) 1. MC 2. I'll Be Over You 3. Dave's Gone Skiing incl. Drum Solo 4. Instrumental 5. Stop Loving You 6. Rosanna 7. Don't Stop Me Now 8. Stop Loving You (ending) 9. Rosanna 10. Don't Stop Me Now 11. Band Introductions 12. Smoke On The Water Intro Steve Lukather : Guitars, Vocals David Paich : Keyboards, Vocals Mike Porcaro : Bass Simon Phillips : Drums Sofia Bender : Vocals John James : Vocals STEREO SOUNDBOARD RECORDING