ジスモンチと並ぶ、ブラジルが生んだもう一人の天才。と言うか、日本ではあまり語られませんが、他にもアイアートはじめブラジルは凄いミュージシャンの宝庫として世界的には有名です。日本はお国柄からか、一芸に秀でた人に比べマルチな才能を持った人に対しての評価が低いような気がします。アメリカ人のボブ・ブルックマイヤーやヴィクター・フェルドマン然り、あっ、カークなんかもそうか。以前何かの雑誌に世界一のドラマー、スティーヴ・ガッドのインタビューが掲載されており、その中にインタビューアーから“あなたが最も影響を受けたプレイヤーは?”と言う質問に対して、ガッドは“自分が最も感銘を受けたのは「スリー・クァルテット」のレコーディングの中での、チック・コリアによるドラム・プレイだ”という興味深い発言をしている。エンジェルスの大谷君、先のジスモンチ、そしてエルメート然りです。もっとマルチ・プレイヤーが評価されないといけません…話を本題に戻します。本タイトルは、多数の楽器を操るエルメートが、入手困難ではありますが、アナログ2枚組の素晴らしいピアノ・ソロ大傑作も発表しているエルメートが、少々のメロディカ以外は全編ピアノをプレイした本格的なトリオによる、多分2000年のライヴを極上高音質ステレオ・サウンドボード収録したもので、ベースのサントとドラムスのネネというブラジル最高峰のリズム隊を従え、アグレッシヴにリリカルに静と動の対比も鮮やかにピアノを紡ぐ、何の固定観念も抜きに楽しんで頂ける極上ピアノ・トリオ・ライヴです!