黄金時代の終焉に向かってひた走っていた1973年のDEEP PURPLE。その定番音源の最長・最高峰盤が誕生。若ジェネ・マスターを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き上げたCDが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1973年3月11日ジェノヴァ公演」。その傑作オーディエンス録音です。1973年と言えば、第II期から第III期へと転換した歴史的ターニング・ポイント。まずは活動全景を俯瞰してショウのポジションを確かめてみましょう。《1月13日『紫の肖像』リリース》・1月16日ー3月20日:欧州(36公演)←★ココ★・4月12日ー6月19日:北米(42公演)・6月23日ー29日:日本(6公演:第II期崩壊)《9月:第III期始動 → 11月『紫の炎』完成》・12月9日ー17日:欧州#3(5公演)これが1973年のDEEP PURPLE。『紫の肖像』の発売で幕を開け、上半期は第II期メンバーでワールド・ツアー(欧州/北米/日本)。下半期は第III期で『紫の炎』を創り上げ、ライヴはお披露目的な「欧州#3」だけでした。そんな中で本作のジェノヴァ公演は、終わりの始まりにあたる「欧州」レッグ。その30公演目にあたるコンサートでした。パープル史にとって重要な時期でもあり、当店ではこの「欧州」レッグも数々の名作でアーカイヴしてきました。良い機会でもありますので、ここでそのコレクションも整理しておきましょう。欧州レッグの詳細・1月16日『BERLIN 1973』・1月17日ー20日(3公演)・1月21日『MUNICH 1973』・1月23日『MUNSTER MASTER』・1月24日ー2月10日(10公演)・2月16日『RAINBOW 1973』・2月19日+20日(2公演)・2月21日『BIRMINGHAM 1973 MASTER・2月23日ー3月10日(8公演) ・3月11日:ジェノヴァ公演 ←★本作・3月14日ー19日(5公演)・3月20日『BRUSSELS 1973』……と、このようになっています。上記はあくまで現行の名盤だけで、全記録というわけではありません。7作のライヴアルバムがひしめく中で本作は最終日『BRUSSELS 1973』に次ぐ後期の記録。言わば「終わりの始まりの終わり」とでも言えるタイミングでした。そんなショウを真空パックした本作は以前から名録音が残された事でも知られ、当店でもShadesレーベルの『GENOVA 1973』が定番として愛されてきました。本作もその定番音源ながら、最長・最高峰を更新する決定盤。Shades盤よりもジェネが若い元マスターの発掘を「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングしたものです。まず「最長の更新」ですが、これはテープ・チェンジによるカット補填。従来既発ではドラムソロの合間に約50秒のカットがありましたが、本作では別音源でパッチ。シームレスに楽しめる史上初のライヴアルバムとなりました。そして、それ以上に重要なのが「最高峰サウンドの更新」。実際、本作から流れ出るのはShades盤とは別次元。もちろん、録音自体は同じですのでややワイルドな感触までは変わりませんが、その鮮度は明らかに瑞々しく、グッと若々しくなっているのです。実のところ、『GENOVA 1973』も1stジェネとして公開されていたのですが、ということは今回のマスターが大元トランスファーなのか、もしくは別系統でより高精度にコピーされ、保存状態も良かったと言うことなのか……。ともあれ、マスタリングでは生み出せない若々しい鳴りが素晴らしい。すべての楽器の1音1音がはっきりクッキリと生まれ変わっており、楽器同士も混じり合わずに見事にセパレート。まるで録音ポジションそのものが数メートル前になったようにダイレクト感が増しているのです。もう全部が違うのですが、一番分かりやすいのはベースでしょうか。既発を体験された方なら、個性的な「ビンビン!」というアタック音をご記憶と思いますが、これがアタックだけではなくなっている。さらに鳴りが豊かに鳴ることで「ビン」のすぐ後に「ゴリッ」とした感触が残り、それが連なることで得も言われぬグルーヴ感を醸している。しかも、その輪郭が異様にクッキリしているため、ギターやキーボードが同時に鳴っても混ざらない。特に「Smoke On The Water」は絶対必聴。ベースはあくまで一例ではあるのですが、この曲に限っては完全にオルガン/ギターとタメを張る超個性ベースが炸裂するベース・ソングとなっているのです。そんなベスト・マスターをさらに「GRAF ZEPPELIN」が磨き込んでいる。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、「GRAF ZEPPELIN」の手法は「ナチュラル系復刻主義」とでも呼べそうなもの。派手な作り込みや無闇な音圧稼ぎなどはせず、絵画・文化財の補修の如く「元の音」を復元していく。ピッチ補正・位相修正・帯域分析・バランス調整・ノイズ処理……その1つひとつがすべて「復元」の視点で貫かれ、ライヴ現場そのものを可能な限り再現しているのです。今回の場合は、ヒスの軽減が著しい。新マスター自体、従来盤よりもヒスが少なかったりもしたのですが、さらに綺麗に処理。もちろん、演奏音に影響の出ない寸止めでもあり、ナチュラルでありつつ、より滑らかで、艶やかな演奏音を実現しているのです。日本では聴けなかった「Mary Long」も美味しいフルショウを現場体験できる秘宝録音、その最長・最高峰更新盤です。ピークを過ぎていたとは言え、そこは「70年代の第II期」。貴重度も迫力も、他のどの時代とも別次元ですし『MADE IN JAPAN』とは違ったとしても、当代最強のハードロックバンドには違いないのです。若ジェネ・マスター&細密マスタリングで生み出された史上最高の1枚。「1973年3月11日ジェノヴァ公演」の傑作オーディエンス録音。Shadesレーベルの既発よりも若ジェネの新マスターを「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリング。最長・最高峰を更新する決定盤です。鮮度は明らかに瑞々しく、すべての楽器の1音1音がはっきりクッキリと生まれ変わっており、楽器同士も混じり合わずに見事にセパレート。まるで録音ポジションそのものが数メートル前になったようにダイレクト感が増しています。日本では聴けなかった「Mary Long」も美味しいフルショウを現場体験できる秘宝アルハムです。(リマスター・メモ)枝葉違いのロージェネマスターを使用しこの時点でも既発を上回る音質。ヒスのざらつきが減り、鮮度が断然アップ。 カット部(ドラムソロ)を近年登場した別ソースで補填し、史上初の完全収録を実現!Live at Palasport, Genova, Italy 11th March 1973 TRULY AMAZING SOUND(UPGRADE) (77:36) 01. Introduction 02. Highway Star 03. Smoke On The Water 04. Strange Kind Of Woman 05. Mary Long 06. Keyboard Solo 07. Lazy 08. Drum Solo ★1:50-2:41別ソースで補填 09. The Mule 10. Space Truckin' 11. Black Night Ian Gillan - Vocal Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums