老若男女問わず、当店にお越しの筋金入り(プロの方含め)リスナー多くの琴線を刺激し、未だに増殖を続けるペンギン・マニア。彼らを聴いた事のない人は、環境の許す限りの大音量で彼らの音楽に身を任せると、初めてお気に入りの音楽に遭遇した時のあのワクワク感が蘇ります!!!2018年2月にリリース予定の新作に合わせて、瞬く間にソールド・アウトとなった2016年ブルーノート東京での初来日公演と、圧倒的な反響を得たブルーノート・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン 2016、まだ記憶に新しい今年の東京ジャズ 2017に続いて、アルバム発売と同じ2018年2月にブルーノート東京での再来日公演が決定したゴーゴー・ペンギン。そんな彼らの、クリス、ニック、ロブという黄金のトリオとなったばかりの、まだインディー時代の稀少な2014年10月26日ドイツ・ブレーメンでのライヴをレーベル独自の丁寧なマスタリングを施した極上高音質ステレオ・サウンドボードにて収録したアイテム!さて、そんなプログラミングのような完璧なプレイを生で演奏出来るのか?と訝る貴兄は、これらのライヴを聴いて腰を抜かし目から鱗が落ちること必至で御座います。元々シーケンス・ソフトで作ったスケッチを基に楽曲を作っていき、プレイヤーというよりもトラックメイカーに近い制作プロセスを踏むことで、普通にスタジオでセッションを重ねても到底思いつきそうにない複雑なフレーズをラップトップ経由で手繰り寄せ、それらをピアノ・トリオの様式へとトレースすることで、プログラミングでは表現不可能なダイナミズムを生み出しながら、さらにインプロビゼーションをはめ込み、とても人間技とは思えないような超絶テクニックで一矢乱れぬアンサンブルをいとも軽々とこなし、それをライヴで披露してしまうという、各メンバーの演奏スキルと豊富な引き出しはとんでもない次元にまで達しています。他方、テクニックをテクニックのために使わないとメンバーが語っている様に、磨き抜かれた刃のようなアンサンブルは引き算の美学に支えられ、あくまでも生演奏の可能性に拘っており、打ち込みは一切使用していない…細かいところでは、人力ドラムンベースから演奏の終わりに用意されたコンピューターのバグを思わせるグリッチ・ノイズに至るまで、生演奏で再現している。時折針飛びを起こした様に聴こえる場面に遭遇することがありますが、それはそういう演奏なので悪しからず。このリズム・セクションはひとつの極地にあるといっても過言ではなく、とくに鬼変拍子を多用したロブのドラムスは連なる音のことごとくに対して、止むことなく聴き惚れてしまう… 一方でクリスのピアノも真髄。心の琴線をダイレクトに打鍵するが如くに抒情的でロマンチック。エスビョルン・スヴェンソンの死によりその歴史に幕を閉じてしまったE.S.T.に代わるように登場したゴーゴー・ペンギン、今聴くべきピアノ・トリオ、いや音楽はこれだ!!!