名作『AFTER THE WAR』で独自のアイリッシュHRを極めた1989年のゲイリー・ムーア。ハードロック時代を締めくくった来日公演を現場体験できるオリジナル録音が新発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「1989年5月12日:中野サンプラザ公演」。その絶品オーディエンス録音です。1989年来日と言えば、“ハードロッキン・ゲイリー”の総決算。当店では数々の名作でアーカイヴしてきました。まずは、当時のスケジュールを振り返ってコレクションを整理してみましょう。・5月6日:川崎産業文化会館・5月8日『THE DEEPEST BLOOD(中野)』・5月9日:大阪厚生年金会館・5月10日:名古屋市公会堂・5月12日:中野サンプラザ ←★本作★・5月13日『LAST SHOW IN JAPAN(渋公)』 以上、全6公演。東京では「中野2回+渋谷1回」の合計3公演が実現し、本作はその2公演目にあたるコンサートでした。もうピンと来ている方もいらっしゃると思いますが、このショウはすでに『LORD OF WAR』としてもご紹介済み。しかし、本作はあの傑作とはまったくの別物。別ジェネでも別マスタリングでもなく、まったくの無関係の人物が録音し、本人から提供された完全別録音なのです。そして、そのクオリティは『LORD OF WAR』を超えている。いや『LORD OF WAR』自体も傑作であり、1989年来日を代表する1本ではあったのですが、本作はさらにその上を行っている。何と言っても素晴らしいのは、オンで力強い芯。『LORD OF WAR』もクリアさや鮮やかさでは本作にも負けていませんが、パワフルながらも綺麗にセパレートした芯の間近感は圧倒的。しかも爆音や塊になったりせず、各楽器が綺麗に分かれたままグイグイと目の前に迫る。開演前のリアルな熱狂からサウンドボードと間違えたりはしませんが、演奏が始めると強力な芯に全てが制圧され、「あれ? これAM放送だったっけ?」と思ってしまうほどです。そんなオンなド直球サウンドで描かれるのは、ギター・クレイジーが残したハードロックの名曲選。ここでその内容も整理しておきましょう。ワイルド・フロンティア(3曲)・Wild Frontier(★)/Over The Hills And Far Away/Johnny Boy アフター・ザ・ウォー(3曲)・After The War/This Thing Called Love(★)/Blood Of Emeralds その他(7曲)・ヴィクティムズ・オブ・ザ・フューチャー:Shapes Of Things(★)/Empty Rooms・ラン・フォー・カヴァー:Military Man/Out In The Fields・その他:Parisienne Walkways/Rockin' Every Night(★)/So Far Away ※注:「★」印は定番プロショット『AFTER THE IRISH WAR』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。“AFTER THE WAR Tour”の大定番の言えばベルファスト公演のプロショットですが、本作はそこでも聴けなかった名曲も盛りだくさん。HR公式三部作『RUN FOR COVER』『WILD FRONTIER』『AFTER THE WAR』を軸としたセットは『WE WANT MOORE!』よりもグッとメロディックで、さらにソング・オリエンテッド。まさに集大成となるフルショウなのです。この後ブルース路線に舵を切ったゲイリーは日本と縁遠くなり、次に来日を果たしたのは死の直前となる2010年でした。「ゲイリーのHR」を愛しすぎた故に、彼のブルースを受け入れられなかった日本。だからこそ、独特のアイリッシュHRの粋であった1989年の来日公演は特別すぎるのです。そんな現場をパワフル・サウンドで甦らせてくれる新発掘マスター「1989年5月12日:中野サンプラザ公演」の絶品オーディエンス録音。『LORD OF WAR』とは異なる別録音で、録音者から譲られたオリジナル・マスターからダイレクトにデジタル化された銘品。力強く綺麗にセパレートされた芯も鮮やかで、パワフルながらも爆音や塊になったりせず、グイグイと目の前に迫る。独自のアイリッシュHRの集大成となるフルショウをパワフル・サウンドで現場体験できる新名盤です。Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 12th May 1989 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (41:18) 1. Dunluce(Part 1) 2. After The War 3. Shapes Of Things 4. Wild Frontier 5. This Thing Called Love 6. Military Man 7. So Far Away 8. Empty Rooms Disc 2 (45:24) 1. Blood Of Emeralds 2. Out In The Fields 3. Over The Hills And Far Away 4. Rockin' Every Night 5. Johnny Boy 6. Parisienne Walkways 7. Band Introductions Gary Moore - Guitar & Vocal Bob Daisley - Bass Neil Carter - Keyboards, Guitar, Vocal Chris Slade - Drums