スティーヴ・ヴァイ&ビリー・シーンの超絶ストリングス・チームを擁し、「史上最強のHRユニット」として伝説化している1986年のDAVID LEE ROTH BAND(通称EAT 'EM BAND)。その最高傑作がブラッシュアップ。「GRAF ZEPPELIN」の細密サウンドCDが登場です。最強ユニットのライヴアルバム探究史 そんな本作に刻まれているのは「1986年9月14日フレズノ公演」。その極上オーディエンス録音です。最強トライアングル「デイヴ/スティーヴ/ビリー」は2枚のスタジオ作品『EAT 'EM AND SMILE』『SKYSCRAPER』を発表しましたが、ライヴでは“EAT 'EM AND SMILE Tour”のみ。しかも、その記録は絶望的でサウンドボードの類は一切残されませんでした(近年ビリーが当時のプロショット・ビデオを持っていると発言しましたが、デイヴの許可なく公開する気はなく、現在に至るまで断片も出てきていません。また「ビデオの音声は良いけど素晴らしくはない」とも語っています)。最強の演奏エンターテインメントはライヴでこそ真価を発揮していただけに、あまりにも、あまりにも残念な状況です。そうなると「頂点オーディエンス」に焦点が絞られるのはマニアの摂理。長年に渡って「最も良い音」「ライヴの完全形」が追い求められ、記録が1本1本発掘される度に「王者録音の決定戦」が繰り広げられてきたのです。そして、その争いに決着が着いたのは2016年のこと。ライヴの現場から30周年を記念し、フレズノ公演の大元マスターが発掘されたのです。このマスターはまさに「王者」でした。それまでもフレズノ録音は最高音質として知られてきましたが、残念ながら不完全なCD1枚物だった。逆に、他の完全録音たちはサウンド面でフレズノ録音に遠く及ばなかったのです。ところが、フレズノ公演の大元マスターはサウンドが一層アップグレードした上に完全収録。まさに「究極のライヴアルバム」を体現しており、その輝きを永久保存した当店のプレス名盤『FRESNO 1986 COMPLETE』も大ヒットを記録したのです。究極録音を超ナチュラル派マスタリング そんな『FRESNO 1986 COMPLETE』も完売・廃盤。大元マスターだけに、それ以上の若ジェネ・アップグレードも起こっていません。そこで登場するのが本作。伝説的な大元マスターを「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングで磨き直し、その可能性を最大限に引き出した究極形に仕上げたのです。実際、そのサウンドははっきりクッキリとしていながらスーパー・ナチュラルでもある。そもそもフレズノ録音はサウンドボードとしても流通していたほど芯が力強く、輪郭も鮮やかでティールも鮮明。その凄みにあてられてか、HRパワーを前面に押し出したマスタリングに仕上げられがちでした。しかし「GRAF ZEPPELIN」マスタリングは「現場音の忠実再現」こそがコンセプト。雑な音圧稼ぎなどはせず、当時の会場で鳴っていた自然なサウンドを忠実に再現。その上で細部を磨き上げることで鮮やかさを増しているのです。具体的に言いますとピッチや位相の厳密補正、帯域分析を経た上でのバランス調整、それにノイズ処理……つまり「派手化・ゴカマシ化」ではなく、テープやデジタル化の際に発生する劣化を極限まで整えていく手法。言わば、絵画や文化財の補修作業のようなマスタリングなのです。その結果、音圧稼ぎで細部が潰れることもなく、1/1000秒のズレも許さない位相補正で安定感もズバ抜けている。ノイズ処理にしても演奏音が変化しない限界スレスレのラインを見極めてから行いますので、微細部が削られてしまう事もないのです。楽しくスゴい超絶技能集団のフルショウ そんなスーパーナチュラル・サウンドで画かれるのは、エンターテインメイント系HRの究極形となるフルショウ。スティーヴ&ビリーの究極ストリングス・チームの演奏力も遊び感覚も本家VAN HALENを超越しており、古巣のクラシックスを剛力アップデート。さらに大名盤『EAT 'EM AND SMILE』の新曲群もステージ・テンションで爆上げしているのです。では、どんなレパートリーが強化されているのか、最後にセットも整理しておきましょう。ソロ(9曲)・イート・エム・アンド・スマイル:Shy Boy(★)/Tobacco Road/Elephant Gun(★)/Ladies Night In Buffalo?(★)/Bump And Grind(★)/Big Trouble(★)/Yankee Rose/Goin' Crazy!・クレイジー・フロム・ザ・ヒート:California Girls VAN HALEN(8曲)・炎の導火線:On Fire/Ice Cream Man/Ain't Talkin' 'Bout Love・1984:Panama/Jump・その他:Unchained/(Oh) Pretty Woman/Everybody Wants Some!! ※注:「★」印は、こぼ“EAT 'EM AND SMILE Tour”だけの限定曲。……と、このようになっています。曲名を眺めるだけでヨダレが出る名曲の塊ですが、さらに美味しいのが曲名の付かないソロやインタープレイの数々。「Guitar & Bass Solos」ではスティーヴ&ビリーが凄絶なバトルを轟かせ、未発表のインスト曲「Instrumental Jam」へと雪崩れ込む。しかも、単に速弾き・爆弾きなだけではない。ド迫力に押しまくりながら即興フレーズが極めてキャッチーで聞き飽きず、会話のようにユーモラスでもあります。更に言えば、グレッグ・ビソネットのドラムソロもやたらと楽しいですし、デイヴのソロとも言える「"The Story Of Raymond"」は言わずもがな。そう、EAT 'EM BANDが最強たる由縁は、このセンス。単なる技術バカではなく、なんでも弾ける技術と鋭く最先端を行っていた音楽センスで遊びまくる。「楽しくてカッコ良くて、とんでもなくスゴい」。本作は、そんなフルショウをたっぷりと楽しめるのです。本作ほど「究極のHRライヴアルバム」と呼ぶに相応しいものはないでしょう。もはや公式/非公式の別など意味を成しません。サウンドボード裸足の素晴らしいクオリティ、本家VAN HALENさえ超越する技術、そしてハードロックを徹底的にカッコ良く、楽しみ尽くす音楽センス。すべてが究極なライヴアルバムの奇跡。「1986年9月14日フレズノ公演」の極上オーディエンス録音。古くから“EAT 'EM AND SMILE Tour”最高音質の名録音として知られてきましたが、本作は完全収録の大元マスターを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き直した最高峰更新盤です。VAN HALENの名曲群は本家以上にテクニカルで、『EAT 'EM AND SMILE』の新曲群もステージ・テンションで爆上げ。究極のフルショウを極上体験できる究極のHRライヴアルバムです。リマスター・メモ 元々の音源で相当なリミッターが掛かっていたのを擬似的に解除 (つまり、レンジ重視のマスタリングで若干ダイナミックレンジが向上している) 中高域に全般に渡り持ち上がり過ぎ(かなりヤカマシイサウンド)なので、EQ調整でこれを緩和しています。Live at Selland Arena, Fresno, CA, USA 14th December 1986 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE)Disc 1 (48:32) 01. Shy Boy 02. Tobacco Road 03. Unchained 04. Panama 05. Drums Solo 06. (Oh) Pretty Woman 07. Elephant Gun 08. Ladies Night In Buffalo? 09. Everybody Wants Some!! 10. On Fire 11. Dave's Love Rap 12. Bump And Grind Disc 2 (54:42) 01. "The Story Of Raymond" 02. Ice Cream Man 03. Big Trouble 04. Yankee Rose 05. Guitar & Bass Solos 06. Instrumental Jam 07. Ain't Talkin' 'Bout Love 08. Goin' Crazy! 09. Jump 10. California Girls David Lee Roth - Vocals Steve Vai - Guitar Billy Sheehan - Bass Gregg Bissonette - Drums Brett Tuggle - Keyboards