2024年ユーロ・ツアーから2公演目、5月11日イギリス、リバプール公演を、テーパーにより公開されたデジタル・オーディエンス・マスターより、1時間38分にわたりフル収録。まず話題となったのは前年の来日公演も含めたセットリストが大幅に変更されたことで、書き下ろしたばかりの新曲からレア・ナンバーがいくつもセットインしており、これは近年あまりセットリストをいじらないクラプトンにしては劇的な変化と言える内容にて。それはオープニングからして顕著で、「Blue Dust」と題されたこのインスト曲、前年逝去したベックに捧げ、同年4月の日本公演で初めて披露した「Blue Rainbow」のバリエーションで、まだ公式レコーディングさえしていない新曲のバリエーションを早くも1曲目で披露。そしてさらなるサプライズは4曲目に「Presence of the Lord」をプレイしており、これは2011年のスティーヴ・ウィンウッドとのジャパンツアー以来、13年ぶりのセットイン。また前半エレクトリックセットの最後を飾るのは新曲の 「Prayer of a Child」で、こちらは前年12月にガザ支援のチャリティコンサート冒頭に会場で流されたインスト曲に新たに歌詞を付けたもの。またアコースティックセットでも2005年の「BACK HOME」からのタイトル・ナンバーは、2006年ツアーで序盤の数公演のみプレイしただけのレア曲だったり、ジェリー&ザ・ペースメイカーズのカバー「You'll Never Walk Alone」なども本邦初披露。そしてエレクトリックセットに戻ってからも久しぶりのドミノスナンバー「Got to Get Better in a Little While」や、なんと26年ぶりのライブ披露となったアルバム『ピルグリム』からの「You Were There」は過去一度きりしか演奏していない超レア・ナンバー。そしてアンコール・ラストはクラプトンのリスペクトするジミー・ロジャースの「That's All Right」で締めるという、これまた過去無かったパターンのエンディングで、因みにこれらの結果「Layla」と「Wonderful Tonight」の2大定番がセットから外れていることも驚きの、現在のクラプトンを知るにマストなファン必聴アイテム。Live at M&S Bank Arena, Liverpool, UK 11th May 2024 : from Original Masters Disc 1 : 1. Intro. 2. Blue Dust 3. Key to the Highway 4. I'm Your Hoochie Coochie Man 5. Presence of the Lord 6. Badge 7. Prayer of a Child 8. Mind Hearted Woman Blues 9. Back Home 10. Nobody Knows You When You're Down and Out 11. You'll Never Walk Alone 12. Tears in Heaven Disc 2 : 1. Got to Get Better in a Little While 2. You Were There 3. Cross Road Blues 4. Little Queen of Spades 5. Cocaine 6. That's All Right Eric Clapton – guitar, vocals / Doyle Bramhall II – guitar, vocals / Chris Stainton – piano, keyboards / Tim Carmon – Hammond, keyboards / Nathan East – bass, vocals / Sonny Emory – drums /Katie Kissoon - backing vocals / Sharon White - backing vocals