エリック・クラプトン単独来日公演史上初となる、IEM(イヤモニ)音源と極上音質のステレオ・オーディエンス録音マスター2種類、合わせて3種類の音源を駆使したバランス最強なマトリクスバージョンがリリースです!ステレオのイヤモニを全編収録したオリジナルマスター(ドラマーのソニー・エモリーが初日のみ装着していました)、極上音質のステレオ・オーディエンス録音マスターもオリジナルを使用。 オーディエンス成分強めな競合他品とは異なるグレードとクオリティを備えたベストなIEMマトリクス音源の決定版CDがついに登場です!今回のイヤモニの効用は、クラプトンのボーカルの鮮明さ、繊細さです。通常のオーディエンス録音では楽音の中でボーカルはP.A.を通しての収録となるため、ポジションによってはそれほど際立って聞こえない場合もあります。ところがこのイヤモニ音源、懸命に歌うクラプトンの息遣い、ピッチを何とか狂わさぬようとする努力までもが実感できるような最高のクリアネスで収録。それもそのはず、本盤はただオーディエンス録音と合わせただけではなく、イヤモニ音源を歓声+ドラム4パーツ(スネア、タム、ハイハット、キック)+ベース+ボーカル+その他x3種類=24ステムに分離して丁寧に再度ミックスダウンを実施したのです。その効果によりボーカルを聴くだけで、熱心なファンの方なら、80歳になって喉も衰えてきているクラプトンが懸命に歌う姿が脳裏に甦り、涙されるのではないでしょうか。マトリクスに使用したステレオ・オーディエンス録音マスターは当店がプレス盤「Budokan 2025 1st Night」に採用したオリジナルの極上音源と先行リリースのオリジナル音源。3つのマスターの融合が奇跡のサウンドを生み出しました。元々音像の広がりと音の深みと歯切れの良さを備えたマスターでしたので、大迫力で鳴るクリアなサウンドの中をクラプトンの真摯なボーカルが通り抜ける、と言えばいいでしょうか。初日のもう一つの最強決定版ですので、どうぞご期待ください!クラプトンのボーカルをよりリアルに体感できる永久保存盤!セットリストをご覧いただければ、今回の日本公演へのクラプトンの意気込みが伝わってきました。しかも初日は17曲と、8公演で最も曲数が多かったのです。クラプトンの62年に及ぶプロキャリアから、今80歳の彼がどうしてこのセットリストを組んだのか、その意図を垣間見るため、改めて各曲の出所を明らかにしてみましょう(各曲は、初演奏または初録音した年に準拠します。「 」は収録アルバム)。・クリーム時代・・・White Room、Cross Road Blues 「WHEELS OF FIRE」 Sunshine of Your Love 「DISRAELI GEARS」Badge 「GOODBYE」・デレク・アンド・ザ・ドミノス時代・・・Key to the Highway、Nobody Knows You When You're Down and Out LAYLA AND OTHER ASSORTEDLOVE SONGS」・ソロ時代・・・(70年代)Kind Hearted Woman Blues 「CROSSROADS 2」、「ME AND MR. JOHNSON」 Golden Ring 「BACKLESS」Wonderful Tonight、Cocaine 「SLOWHAND」80年代)Old Love、Before You Accuse M「JOURNEYMAN」(90年代)I'm Your Hoochie Coochie Man、Motherless Child 「FROM THE CRADLE」 Tears in Heaven「RUSH」「UNPLUGGED」00年代)Little Queen of Spades「ME AND MR. JOHNSON」(20年代)The Call 「MEANWHILE」こうして見ますと、カバー曲中心でリリースした2010年代のアルバムからの選曲はなく、逆にクリーム時代のナンバーがデレク・アンド・ザ・ドミノス時代を上回る3曲もセットインしていることが分かります。それだけクラプトン自身もクリームでのキャリアを誇りに思っているのでしょう。8曲もブルースがセットインしているのがクラプトンらしいところですが、そのうち3曲がロバート・ジョンソンのナンバーでした。この辺りにもクラプトンの想い、こだわりが垣間見えるようです。また全体を俯瞰すれば、新曲を含めほぼ満遍なくキャリア全体から選曲していることが分かります。80歳での日本公演、長年支持してくれた日本のファンのために組んだセットリストはキャリアを総括する内容だったと言えるでしょう。逆に言えば、これらが80歳になった現在のクラプトンが演奏したい曲なのでしょう。古いファンも「UNPLUGED」以降のファンも満足させる、長いキャリアを誇るクラプトンらしいセットリストでした。さて、ファンがワクワクする初日のコンサートは、いきなりクリーム時代のWhite Roomというハードで熱量の多いナンバーでスタートしました。このバンドメンバーでの日本公演では初の演奏となりました(イントロ付き)。ソニー・エモリーのパワフルなドラミングが冴え、女性コーラスが圧倒的な迫力を演出するこのナンバーで、クラプトンはオリジナルバージョンどおり、ワウペダルを踏んでのソロを決めてくれました。声も出てます!最後にこの曲をプレイした2003年の日本公演時のような切れ味はさすがに影を潜めていますが、それでもクラプトンらしい絶妙なフレーズ構成が窺えます。続くブルースはもはやコンサートでは定番の堂々たる演奏ぶり。そして本来ならアコースティックセット前の盛り上げとしてI Shot the Sheriffを持ってくるべきところ、今回は意外にもSunshine of Your Loveというクリーム最大のヒット曲で意表を突きました。例のリフに入る前には、昨年の中南米ツアーの時と同様のイントロが付加されています。こうした新しいアレンジでライブに臨むクラプトンには「マンネリ」という言葉は無縁でしょう。アコースティックセットの前には、オーディエンスに向けての挨拶コメントがありました。「またここに戻って来れて嬉しいです。長年ここでプレイして来れたのは、ミスター・ウドーのおかげでした。」と、初来日からクラプトンをサポートしてきたウドー音楽事務所の故有働氏への配慮もしたところが、彼の人間性を表していました。今回の日本公演も、有働氏への追悼というクラプトンの強い気持ちがあったようです。そしてしっとりと始めたロバート・ジョンソンのKind Hearted Woman Bluesへ。前回の日本公演でもセットインしていたことを思うと、クラプトンは相当この曲が好きなのでしょう。さすがにファルセットパートは辛そうですが、それでも懸命に歌うクラプトンには感慨を抱かざるを得ません。この部分は是非本作のイヤモニバージョンで聴いていただきところです。続いてはニューアルバム「MEANWHILE」に収録した新曲The Callを披露。ネットで公開されているこの曲のMVでも感じられるように、クラプトンの友人への優しい想いが溢れる珠玉のナンバーです。ニューアルバムでは、彼自身の一押しなのでしょう。そしてまたブルースを2曲続け、昨年のヨーロッパツアーで46年ぶりに演奏したことで話題になった、78年作「BACKLESS」収録のGolden Ringをしっとりとプレイしてくれました。この曲が日本公演で聴けるのは、初めてのことでした。アコースティックセットの最後を飾ったのは、大名曲Tears in Heaven。「UNPLUGED」以降のファンには堪らないナンバーだったでしょう。そして再びスタンディングのエレクトリックセットとなった後半は、まさにクラプトンの王道とも言えるナンバーを畳みかけてくれました。Old Loveの序盤ではぎこちないプレイもありましたが、ソロの後半は俄然調子を戻し、オーディエンスを湧かせています。この日のハイライトはここでしょう。中間のジャム風パートでのティム・カーモンのシンセソロは、98年の「ピルグリムツアー」を彷彿させます。クラプトンに比肩するくらい情熱的な彼のソロには会場からも喝采が湧き起こっています。続くWonderful Tonightのメインフレーズはドイル・ブラムホールがプレイしていますが、中間のソロはクラプトンです。70年当時はジョージ・ハリスンの奥さんだったパティ・ボイド宛てに送ったクラプトンのラブレターを昨年彼女がオークションに出品したことに立腹し、昨年ツアーではパティ絡みのこの曲とLaylaをセットインさせなかったというクラプトンですが、日本公演ではこの曲を復活させたことが意外でもありました。どういう心境の変化だったのでしょうか。終盤Cross Road BluesからCocaineまではまさに大団円の様相を呈しています。クラプトンのプレイにも一際気合が入っていますが、バンド全体も凄いです。各人のソロにも熱がこもります。Cocaineのエンディングは、オーディエンスの大合唱で終わるのではなく、その後に粋な畳みかけがありました。こういうアレンジも新鮮でいいものです。アンコールは昨年の北米ツアーと同様、Before You Accuse Meでした。ここでも中間には、フレディ・キングのあのHideawayの展開部をちょこっと挿むなど、楽しい工夫をしてくれています。このステージに満足しなかったファンは一人もいなかったのではないでしょうか。初日公演におけるの所感 本作の素晴らしい音質で聴くと、まるで各曲におけるクラプトンとメンバーのアイコンタクトまでが浮かんでくるような生々しさ、そしてクラプトンの80歳とは思えない声の張りとボーカルテクニックを実感することができます。今年80 歳に達した老齢のクラプトンはかつてと同じ曲を演奏して歌っても、いい意味では枯れた、悪い意味では衰えたパフォーマンスとなるのは致し方ないところです。ギタープレイに関しては、オープニングを含み、エレクトリックでプレイされた全曲において、クラプトンはどこかでミストーンを発するか、或いはもたつきを露呈しています。今になって考えますと、昨秋のツアー以来、数か月ぶりの今年最初のステージであったこと、ロンドンから東京への航空機の長旅による時差ボケの影響等いろいろなことが彼に負担を与えていたと思われます。でも我々は彼の年齢を承知の上で武道館に足を運び、また、そこで収録されたその時限りの音源を好んで聴きます。それは74年に29歳で初来日したクラプトンと同様、以降51年に亘り、日本と日本のファンを愛して演奏してきてくれた80歳のクラプトンをも愛しているからでしょう。彼の超絶速弾きのキラーソロをいつも聴きたいところですが、もたつきつつも懸命にプレイし、歌う彼の姿にも我々は感動するのです。二度と同じソロはしない、が身上のクラプトンの姿が本作にもあります。そして80歳とは思えない歌を披露する初日のクラプトンの姿が本作にリアルに捉えられています。誰もが驚く、奇跡的レベルの超高音質。これは凄いです。今年一番の傑作!!Budokan, Tokyo, Japan 14th April 2025 IEM+AUD MATRIX(from Original Masters)Disc:1 (49:27) 1. Intro 2. White Room 3. Key to the Highway 4. I'm Your Hoochie Coochie Man 5. Sunshine of Your Love 6. Kind Hearted Woman Blues 7. The Call 8. Motherless Child 9. Nobody Knows You When You're Down and Out 10. Golden Ring 11. Tears in Heaven Disc:2 (56:26) 1. Badge 2. Old Love 3. Wonderful Tonight 4. Cross Road Blues 5. Little Queen of Spades 6. Cocaine 7. Before You Accuse Me 8. Closing Announcement