『LOS ANGELES 1982: MIKE MILLARD MASTER TAPES』の音源公開時に「これからもミラードが録音したCSN音源を発掘する予定です」とJEMSが告知していたように またクロスビー・スティルス&ナッシュのステージを彼が録音した秘蔵マスターが公開されました。しかも今回はCSNがその名も『CSN』というタイトルを冠したアルバムを引っさげた1977年のツアーのミラード録音というマニア狂喜の発掘。『CSN』は当時アメリカで大ヒットを記録し、結果として彼らにとって最後の大会場ツアーが実現したのが1977年。実際6月から始まったツアーはどこも満員札止め大盛況となり、LAフォーラムでも二日連続の公演が実現しました。このタイミングと言うのが何とも絶妙で、その直前までLAフォーラムを使って伝説の連続公演を行っていたのがレッド・ツェッペリン。6月27日にあの『L.A. FORUM 1977 FINAL NIGHT: MIKE MILLARD MASTER TAPES FLAT TRANSFER』となるショーが行われ、28日と29日がCSNのフォーラムでのステージと言う順番。つまりミラードが彼の最高傑作録音群の大仕事をやり遂げた次の録音がCSNであり、彼は二日目のショーに参戦。一連のZEP録音で活用した車椅子を持ち出して再びの録音を敢行。ZEPの爆音ステージに慣れていたミラードにとって、打って変わって落ち着きのある音量だったCSNのステージに驚かされたとのこと。そうした絶妙なタイミングの録音だけあって、今回の音質は実に素晴らしい。それが原因で直前のZEPほど圧倒的な音圧ではないものの、非常にクリアーで聞き心地抜群。周囲の臨場感もいつものように絶妙なバランスで捉えてくれているのですが、それが最大限活かされているのが「Our House」と「Teach Your Children」。どちらでもこのツアーからグレアム・ナッシュが観客に合唱を促すようになったのですが、特に前者の模様はミラードならではの豊かだが絶妙なバランスの臨場感にて捉えられており、聞いていて感動するほど。何より当時の音楽界で台頭してきたAORを意識したような落ち着きのあるサウンドが『CSN』成功の秘訣でしたが、ライブサウンドにもそれが投入されており、全体を通して落ち着きのあるバンドアレンジが非常に魅力的。ライブ終盤「Carry On」なども以前のような長尺な演奏とならず、5分で収まる展開が今となってはむしろ新鮮に映る。そして同アルバムのヒットを受けてライブはオープニングから大いに盛り上がっているのですが、彼らの持ち味であるハーモニーが活かされるアコースティック・セットになると観客が騒がずに聞き入っているのも素晴らしく、メリハリのある盛り上がりからも当時の人気ぶりが伝わってきます。そんなCSNもう一つの絶頂期と呼べる77年ツアー。今まで公式に撮影されながら未だに断片的にしか日の目を見ていないヒューストン公演くらいでしか垣間見られないステージでしたが、今回は堂々ミラード録音による初登場音源が発掘!The Forum, Inglewood, CA, USA 29th June 1977 TRULY PERFECT SOUND Disc:1 (68:45) 1. Pre-Road Downs 2. The Lee Shore 3. Love the One You're With 4. I Used to Be A King 5. Just A Song Before I Go 6. Shadow Captain 7. Turn Back The Pages 8. Long Time Gone 9. Suite: Judy Blue Eyes 10. You Don't Have to Cry 11. Guinnevere 12. Our House 13. Cathedral Disc:2 (70:09) 1. MC 2. King Of The Mountain 3. Cross Road Blues > You Can't Catch Me 4. 4 + 20 5. As I Come Of Age 6. Helplessly Hoping 7. Blackbird 8. To The Last Whale: a. Critical Mass b. Wind On The Water 9. Deja Vu 10. I Give You Give Blind 11. Band Introductions 12. Military Madness 13. Carry On 14. Wooden Ships 15. Teach Your Children