地下に潜んでアンダーグラウンドの体臭を発散させていた“Metal Blade”時代のSLAYER。魔闘気にむせ返る生演奏を脳みそに刻みつける激烈サウンドボードのベスト・マスターが登場です。そんな本作に永久保存されているのは「1985年6月20日オーバーハウゼン公演」。そのステレオ・サウンドボード録音です。1985年は「HELL AWAITSの年」であると同時に、「インディ時代最後の年」でもありました。まずは、今まさにメジャーへの壁を食い破らんとしていた当時の活動概要を俯瞰し、本作のポジションを確かめてみましょう。1985年・1月3日ー2月9日:北米#1(7公演)《3月『HELL AWAITS』発売》・3月15日ー4月23日:北米#2(19公演)←※THE ULTIMATE REVENGE・5月26日ー6月24日:欧州(20公演)←★ココ★・8月17日ー9月29日:北米#3(12公演)・10月24日:ウィニペグ公演11月15日+16日:ブルックリン(2公演)1986年・2月1日ー3月10日:北米#4(3公演)・8月12日:ニューヨーク公演《10月7日『REIGN IN BLOOD』発売》・10月17日ー12月7日:北米#5(30公演)これが一大転機となった1985年/1986年のSLAYER。それまで彼らは北米でしかライヴをしたことがなかったのですが、初めて太陽を渡ったのが1985年春の「欧州」ツアーでした。本作のオーバーハウゼン公演は、そんな歴史的ツアーの17公演目にあたるコンサート(ちなみに、この時のオープニングは『INFERNAL OVERKILL』を出したばかりのDESTRUCTION。なんて贅沢!)でした。そんなショウで記録された本作は「超」が付くド直結サウンドボード。以前から存在は知られてきましたが、本作は独自ルートでもたらされたベスト・マスター(現代大ヒット中のIRON MAIDENの衝撃作『MUNICH 1983 SOUNDBOARD(Zodiac 703)』と同じルートです)。ひと口にサウンドボードと言っても様々なタイプがあるわけですが、本作は完全にミックス卓直結の流出系。海外の研究家からもたらされたベスト・マスターでして、芯は荒縄のように極太で、ディテールは荒縄の毛羽立ちのように痛々しくも細やか。家庭用オーディオでの再生などハナから気にも留めていないミックスは遠慮会釈なく、トンデモないステレオ幅でブッ飛びまくるパンが脳みそをグチャグチャにかき回してくる。さらに激烈なのがデイヴ・ロンバードの超人ドラム。当時の某雑誌に「デイヴのバスドラに頭を突っ込んでみたい」という自殺願望(?)が掲載されたこともありますが、本作をヘッドフォンで聴くとまさにそんな感じ。ツーバス連打が左右から押し寄せ、さらにタム回しやハイハットなどが雪崩れてくる。SLAYERは公式ライヴアルバム『LIVE UNDEAD』『DECADE OF AGGRESSION』でも異様に生々しかったりしますが、本作はそれ以上の異次元感覚なのです。そんな異次元サウンドボードで脳みそに流し込まれるのは「インディ時代の総決算」とも言うべき特濃のステージ。『LIVE UNDEAD』『DECADE OF AGGRESSION』では聴けない曲もたっぷりありますので、比較しながら整理しておきましょう。ヘル・アウェイツ(5曲)・Hell Awaits/Crypts Of Eternity(★★)/Hardening Of The Arteries(★)/At Dawn They Sleep/Kill Again(★)その他(10曲)・ショウ・ノー・マーシー:The Final Command(★★)/Black Magic/Die By The Sword/Fight 'Til Death(★)/The Antichrist/Show No Mercy・ハウンティング・ザ・チャペル:Aggressive Perfector/Captor Of Sin/Haunting The Chapel(★)/Chemical Warfare※注:「★」印は公式『LIVE UNDEAD』『DECADE OF AGGRESSION』のどちらでも聴けなかった曲。特に「★★」印はメジャー移籍後に演奏されていない限定曲。とにかくスゴい。もの凄いライヴアルバムです。SLAYERはメジャ?移籍後も過激であり続けましたが、ルーツであるNWOBHMの体臭を身にまとっていたのは“Metal Blade”時代まででした。本作に刻まれているのは『REIGN IN BLOOD』を生み出すバンド・ポテンシャルと、アンダーグラウンドの体臭を併せ持った奇跡の季節なのです。その生演奏を超絶サウンドで脳みそに刻みつける異次元サウンドボード。「1985年6月20日オーバーハウゼン公演」のステレオ・サウンドボード録音。独自ルートでもたらされたベスト・マスター(IRON MAIDENの衝撃作『MUNICH 1983 SOUNDBOARD(Zodiac 703)』と同じルート)で、ミックス卓直結の流出系。芯は荒縄のように極太で、ディテールは荒縄の毛羽立ちのように痛々しくも細やか。トンデモないステレオ幅でブッ飛びまくるパンが脳みそをグチャグチャにかき回してくれます。インディ時代の総決算となる特濃セットを『REIGN IN BLOOD』ばりのバンド・ポテンシャルでブチかますスラッシュ・メタルの理想盤です。UPGRADE!!!! 物凄いサウンドボードです(特にドラム)。Blue Moon, Oberhausen, Germany 20th June 1985 STEREO SBD(from Original Masters) (60:21) 1. Introduction 2. Hell Awaits 3. Aggressive Perfector 4. Captor of Sin 5. The Final Command 6. Kill Again 7. Crypts of Eternity 8. Fight Till Death 9. Haunting the Chapel 10. Hardening of the Arteries 11. Black Magic 12. Die by the Sword 13. The Antichrist 14. At Dawn They Sleep 15. Show No Mercy 16. Chemical Warfare Tom Araya - bass, vocals Kerry King - guitar Jeff Hanneman - guitar Dave Lombardo - drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING