2004年ME AND MR. JOHNSON ツアー決定版その1!エリック・クラプトン音源では最早お馴染みとなったイギリス在住重鎮テーパーから、彼が録音した秘蔵の大元マスター2種を入手致しました!2004年に実施された、アルバム「ME AND MR. JOHNSON」のプロモーションツアーより、5月4日と5日にロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて行われた公演の極上音質の大元DATマスター。このツアーからは、当時FMで放送されたアイルランドのベルファスト公演音源や当店が重鎮テーパーのオリジナルマスターとしてリリース済みの「DUBLIN 2004」が定評を得ていますが、それらに優るとも劣らない素晴らしいマスターなのです。本音源には既発盤は存在するのですが、今回は重鎮テーパーが大元DATマスターをダイレクトに使用していますので、アップグレードバージョンであることは間違いありません。まず初日の5月4日を収録した本作は、全編に亘り非常にクリアな、極上レベルのステレオ・オーディエンス録音です。現在でもこの音質はオーディエンス録音の最高峰と言えるレベルのもので、とにかくこの素晴らしい音質でクラプトンのステージに酔いしれていただけることを保証致します。このツアーはクラプトンのキャリア中でもいろいろなトピックを含んでいました。①まずセカンドギターとして、ドイル・ブラムホール二世が初めて参加したこと。2000年リリースの「RIDING WITH THE KING」に参加してくれたドイルを口説き続けて4年。遂に彼をバンドに引き入れたのです。ブルースに根差し、スライドプレイもワウを踏んでのプレイもできる彼の高い実力は、本作でも遺憾なく発揮されています。②そしてセットリストが非常に魅力的だったこと。Let It Rainで始めるという素敵なオープニングに続き、何と78年リリースの「BACKLESS」収録のディランナンバー、Walk Out in the Rainというレアな曲をプレイしています。この曲は、78年秋のヨーロッパツアー最初期のみプレイされただけで、以降はまったくライブで演奏されたことがありませんでした。まさに驚きのセットインでした。そして中盤のシッティングセットでは、リリースしたばかりのアルバム「ME AND MR. JOHNSON」からのナンバーを5曲立て続けにプレイ。ロバジョンへのクラプトンの熱い想いが感じられます。このコーナー明けには、何と70年のデレク・アンド・ザ・ドミノス時代以来となるGot to Get Better in a Little Whileをプレイしたのです。近年でこそお馴染みになったナンバーですが、元を質せばこのツアーが最初の再演だったのです。そして、これまでとは違い、CocaineとLaylaの順を入れ替えて、Laylaから間髪入れずにCocaineへメドレーするという演出にしていました。お馴染みの曲でも新鮮味を感じてもらおうというクラプトンの工夫だったのでしょう。③さらにキーボードに故ビリー・プレストンが参加したこと。彼の個性溢れるオルガン捌きは随所で輝いています。悲しいことに、このツアーが彼の生前最後のライブパフォーマンスとなりました。そういう意味で、偉大なるプレイヤーを偲ぶにも最適な音源と言えます。④そしてバックコーラスが、ミシェル・ジョン&シャロン・ホワイトという黒人女性陣に変わりました。そのため、コーラスにはゴスペルテイストが加わり、よりエモーショナルな効果を上げています。以上のことから、非常に新鮮な印象を受けるバンド、ステージとなっていたわけです。ドイル&ビリーを得て弾き捲るクラプトンの白熱のステージ!さてここで、このツアーがクラプトンのキャリアにおいてどのようなタイミングで行なわれたものだったのか、このコンサート前後のトピックを時系列に見ていきましょう。≪2004年3月30日:アルバム「ME AND MR. JOHNSON」リリース≫・2004年3月24日~5月11日:ヨーロッパツアー ←★ココ★・2004年6月4,5,6日:第1回クロスロード・ギター・フェスティバル開催 ・2004年6月9日~8月2日:全米ツアー ちょうどアルバム「ME AND MR. JOHNSON」のリリースと合わせて行なわれたツアーだったことがお分かりいただけるでしょう。当然、当該アルバムからの新曲もセットに組まれており(中盤)、クラプトンが全人生を懸けて心酔するロバート・ジョンソンの、レコーディングしたばかりのナンバーをライブでどのようにプレイするのか、そこに注目は集まりました。しかしむしろこのツアーの聴きどころは、他のナンバーにあったと言ってもいいでしょう。78年のアルバム「BACKLESS」からのディラン・ナンバーWalk Out In The Rainを引っ張り出してきて、レイドバックした演奏を聴かせたかと思えば、何と70年以来34年ぶりに演奏したドミノス・ナンバー Got To Get Better In A Little Whileで息をも継がせぬ怒涛のプレイを披露、そして間髪入れずに弾き倒しの Have You Ever Loved A Womanへの流れ。それに加え、この日のI Want a Little Girlでのクラプトンのソロが凄過ぎます!愛する対象を欲す情念が迸るような凄まじいソロなのです。この曲にもご注目ください。この曲でのクラプトンのソロは、他曲とはギターのトーンが異なっていることから、恐らくギブソン系のギターに持ち替えたと思われます(ES-335?)。この曲だけと思われることから、クラプトンのこだわりが窺えますね。そしてHave You Ever Loved A Womanでは、フィーチャーされるドイルとプレストンのソロもまた素晴らしい!ここで聴かれるプレストンのプレイは、ティム・カーモンでもない、ポール・キャラックでもない、本当に彼の個性溢れる「ハモンドの魔術師」ぶりです。もうここまででノックアウトされることは間違いありません。終盤も、ドイルが加わったLaylaはやっぱりいいです!ひょっとすると、2001年にツアー引退を宣言したクラプトンは、ドイルとやるまでは引退を保留にしようと思ったのかもしれませんね。それほど熱望していたドイルとの息の合った素晴らしい共演が捉えられています。それは取りも直さず、いかにこの時のクラプトンが心身ともに充実していたかが窺い知れる素晴らしいステージと言えるでしょう。さらに興味深いことに、アンコールには、クラプトンに目をかけられオープニングアクトに指名されたロバート・ランドルフが飛入り参加し、お得意のペダルスティールを披露しています。彼とクラプトンとの付き合いは、これをきっかけに今日まで続いていきます。2004年ツアー中、決定版と断言できる本作をどうぞご堪能ください(但し本作は「決定版その1」なのですが)。Royal Albert Hall, London, UK 4th May 2004 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) UPGRADE Disc:1 (50:36) 1. Intro 2. Let It Rain 3. I'm Your Hoochie Coochie Man 4. Walk Out in the Rain 5. I Want a Little Girl 6. I Shot the Sheriff 7. Me and the Devil Blues 8. They're Red Hot 9. Milkcow's Calf Blues 10. If I Had Possession Over Judgment Day 11. Kind Hearted Woman Blues Disc:2 (59:48) 1. Got to Get Better in a Little While 2. Have You Ever Loved a Woman 3. Badge 4. Wonderful Tonight 5. Layla 6. Cocaine 7. Sunshine of Your Love (with Robert Randolph) 8. Got My Mojo Working (with Robert Randolph) Eric Clapton : Guitar & Vocals Nathan East : Bass Chris Stainton : Keyboards Steve Gadd : Drums Doyle Bramhall II : Guitar Billy Preston : Keyboards Sharon White : Backing Vocals Michelle John : Backing Vocals