イーグルス初来日公演をサウンドボードで捉えた驚きの音源として昔から有名なツアー最終日の名古屋。何でもコンサート終了時にミキサー卓の所からカセットを盗んだ昭和のロック小僧のおかげで流出したと言われる伝説まで残されています。何しろモノラルのPAアウトサウンドボードという事でさまざまなアイテムがリリースされ、現在では公式の権利がない音源であることをいいことにグレーゾーンCDまで生み出される始末。しかも会場が小さかったことを受けて、PAサウンドボードでありながら客席の盛り上がりを意外なほど捉えているのも本音源魅力の一つ。実際その盛り上がりは凄まじいものがありました。とはいえこのサウンドボードのおかげで聞きやすい音質であった一方、かなり粗い音質であったことも確か。それが本音源の惜しまれる点ではなかったかと。そこに着手した海外のマニアがリマスターを施してネット上に公開してくれたのが今回のバージョン。なるほど過去のリリースにあったような粗さがはっきり軽減されてこれは聞きやすい。明らかにクリアーさが増しており、海外マニアのリマスターにありがちなデジタル臭の不自然さも皆無。「ああまた76年の名古屋?」と訝し気に思うマニアでもこれは楽しんでもらえるはず。そもそも武道館でのライブを終えて日本公演最終日の会場が小さい観客動員1500人レベルの会場でのツアー千秋楽をイーグルス自体も大いに楽しんでいる様子が伝わってくるのが本サウンドボードの大きな魅力。既にこの時点で十分な人気を獲得していた彼らはアメリカだとアリーナ・クラスの会場が当たり前となっていただけに、思わぬ小会場への帰還は彼らとしてもまんざらではなかったはず。特にグレン・フライの楽しそうな様子が捉えられているのもダイレクト感が強いPAサウンドボードならでは。さらに会場の規模だけでなく年末には歴史的名作『HOTEL CALIFORNIA』で一気にスーパーグループへと進化する彼らの最後の牧歌的な時期を捉えてくれているという点でも名古屋のサウンドボードの魅力は色褪せていない。こうした理由によって古くからマニアに親しまれてきた名古屋のサウンドボードではありますが、今回の聞きやすさが意外な驚きをもたらしてくれること間違いなし。言うなればイーグルスが和気藹々とした時期のサウンドボードが残されている(そして流出してくれた)のは本当にラッキーでしたが、それが初来日公演の最終日というのは輪をかけてラッキーでした Nagoya-shi Kokaido, Nagoya, Japan 9th February 1976 SBD UPGRADE!!! Disc:1 (52:27) 01 Take It Easy 02 Outlaw Man 03 Doolin-Dalton 04 Turn To Stone 05 Lyin' Eyes 06 You Never Cry Like A Lover 07 Take It To The Limit 08 Desperado Disc:2 (63:04) 01 Midnight Flyer 02 One Of These Nights 03 Already Gone 04 Too Many Things 05 Good Day In Hell 06 Witchy Woman 07 Rocky Mountain Way 08 James Dean 09 Best Of My Love 10 Funk 49 11 Carol SOUNDBOARD RECORDING Glenn Frey - Guitar, Keyboards, Vocal Don Henley - Drums, Guitar, Vocal Don Felder - Guitar, Vocal Joe Walsh - Guitar, Keyboards, Vocal Randy Meisner - Bass, Vocal