9月末から始まったポール・マッカートニー2025版「GOT BACK」ツアーから最新公演を最速でリリース。その公演は10月11日のデンバー。日本時間で日曜日に行われたライブをリリースしてみせるのだから文字通りの最速。今回ネット上に現れたオーディエンス録音は程よい距離感とエコーに包まれた、実にマイルドな聞き心地とクリアーな音質が魅力的。それをリリースに際してイコライズを加えることで、さらにポールの歌声を前面へと押し出すことに成功しました。最新公演ということでさっそくダウンロードされたマニアも少なくないかと思われますが、そこは単にリリースするのではなく、より聞きやすい状態へと磨き上げ、抜かりはありません。今回の2025年版「GOT BACK」ツアーですが、何と言っても世界中のマニアをアッと言わせたのがオープニングに選ばれた新レパートリー「Help!」。1990年にジョン・レノン・メドレーの一部としてポールが歌ったことはあったものの、バンドの演奏も含めて完全な形で披露されたのは今回が初めて。そのインパクトは実に大きく、演奏がまた実に素晴らしい。これは是非とも日本でも聞きたいと願わずにはいられない最高の新レパートリーでしょう。ちょうど今年で「Help!」リリースからちょうど60周年(!)というタイミングでもありますし。おまけに、この日に限って歌い出しで「Help!」オリジナルのジョンの歌声も同時に聞こえるという現象がありました。これがハモリのガイドボーカル用に使っていたジョンの声を出音に鳴らしてしまったのか、あるいは「I've Got A Feeling」のような演出なのか、現時点では釈然としませんが面白く聞こえます。続く「Coming Up」も近年はサウンドチェック要員と化していましたが、ライブ本編への復帰は久しぶり。そこから「Got To Get You Into My Life」に「Drive My Car」と、オープニングから1965年から66年にかけてのビートルズ・ナンバーがまとめて演奏されるというとんでもなく魅力的な展開となっています。それにツアー開始五公演めということでバンドの演奏が盤石なのは言わずもがな、ポールも80を超えたとは信じがたい熱唱を聞かせてくれる。本人からすると、まだまだ現役だからね、という強い意志が伝わってくるかのよう。その一方でレギュラーな「Band On The Run」を始めようとして一旦やめるという非常に珍しいハプニングも捉えられている。ちょっとした場面ではありますが、いつも安定したライブの進行が当たり前なポールだけに、これは地味にレアかと。これまでもオープニングには驚きのレパートリーが導入され続けてきたポールのライブですが、ここに来て新たなビートルズ・ナンバーが選ばれたのは今まで以上に驚きでした。同曲のリリースから60年の歳月を経て、まさかポールによって歌われる日が来るとは。Coors Field, Denver, CO, USA 11th October 2025 TRULY PERFECT SOUND Disc:1 (76:59) 1. Introduction 2. Help 3. Coming Up 4. Got To Get You Into My Life 5. Drive My Car 6. Letting Go 7. Come On To Me 8. Let Me Roll It 9. Getting Better 10. Let 'Em In 11. My Valentine 12. Nineteen Hundred and Eighty-Five 13. Maybe I'm Amazed 14. I've Just Seen A Face 15. In Spite Of All The Danger 16. Love Me Do 17. Dance Tonight 18. Blackbird Disc:2 (79:47) 1. Here Today 2. Now And Then 3. Lady Madonna 4. Jet 5. Being For The Benefit Of Mr. Kite 6. Something 7. Ob-La-Di Ob-La-Da 8. Band On The Run 9. Get Back 10. Let It Be 11. Live And Let Die 12. Hey Jude 13. I've Got A Feeling 14. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (reprise) 15. Helter Skelter 16. Golden Slumbers 17. Carry That Weight 18. The End





























