『鋼鉄の処女』と共に全世界に衝撃を振り撒いた英雄IRON MAIDEN。そのデビュー前の姿を伝える最古アルバムが登場です。そんな本作に収められているのは、70年代に記録された貴重なオーディエンス録音。大きく4つのセクション+αに分けられますので、それぞれ個別にご紹介していきましょう。DISC 1(前半)幻のデニス・ウィルコック時代 本作の冒頭を飾るのは、IRON MAIDEN最古と言われるデニス・ウィルコック時代(1977年)の録音。一般にポール・ディアノが初代シンガーと思われがちですが、実は三代目。初代ポール・マリオ・デイ時代(1975/1976年)の記録は現在もなお発見されていませんが、二代目シンガー:デニス・ウィルコック時代(1976ー1978年)ならライヴとリハーサルがわずかに公開されてきました。本作は、その貴重を集成しています。1977年上半期:デイヴ・マーレイ&ボブ・ソーヤー時代のライヴ まず登場するのは、ライヴのオーディエンス録音。フル演奏の「Prowler」と、断片的ながら「Floating(Purgatoryの原曲)」「Charlotte The Harlot」が聴けます。激レア音源だけに聴けるだけありがたい……と思いきや、実際にはそれどころではないクリア・サウンドが素晴らしい。恐らくはクラブならではの密着感だと思われますが、メジャー・デビュー後のホール録音よりもずっと良いくらいです。そして、そんなサウンドで描かれるのは、貴重極まる生演奏。超初期はメンバーチェンジのタイミングも不明瞭なのですが、現在マニアの検証で判明している当時のメンツは以下です・スティーヴ・ハリス(ベース)・デニス・ウィルコック(ヴォーカル)・デイヴ・マーレイ&ボブ・ソーヤー(ギター)・ロン・“レベル”・マシューズ(ドラム)1976年12月から1977年半ばまでのラインナップで、録音も1977年の上半期だったとされています。ハリスと共に創設メンバーだったロン・マシューズの名前に目が眩み、「Purgatory」と似ても似つかない「Floating」に卒倒しそうになりますが、やはり衝撃なのはウィルコックのヴォーカル。ディアノほど激しくなく、ディッキソンのようにハイトーンでもない。その歌声がじっくり楽しめる「Prowler」こそが本作最大のお宝。実のところ、1977年で丸1曲のフル演奏が発掘されているのはこれだけ。約6分間にわたってウィルコック時代MAIDENをじっくりと味わえる頂点テイクなのです。1977年下半期:正式キーボーディスト入りのリハーサル その後、ハリスとウィルコック以外のメンバーが総入れ替え。1977年下半期から1978年2月まで続いたラインナップが以下。・スティーヴ・ハリス(ベース)・デニス・ウィルコック(ヴォーカル)・テリー・ウォップラム(ギター)・トニー・ムーア(キーボード)・バリー・“サンダースティック”・パーキンス(ドラム)後の盟友マーレイが離脱し、SAMSONで有名になる覆面ドラマー:サンダースティックが参加。さらにツインギターでさえなく、世にも珍しいギター&キーボード体制のIRON MAIDENが誕生したのです。このラインナップで発掘されたのはライヴではなくリハーサル。サンダースティックが録音したものと言われ、それぞれ1分弱の断片ながらサウンドボードなさがらの極上サウンドで6曲分が聴けます。数十秒ずつの細切れではあるものの、その中身の特濃ぶりは凄絶。電子音のようなフレーズが奇妙な「Sanctuary」「Wrathchild」、ピアノがどこかFACESっぽくさえある「Another Life」、ウィルコックのヴォーカルが映える「Strange World」「Charlotte The Harlot」、ちょっと違うリフが微笑ましい「Iron Maiden」……。プリミティヴでありながら鍵盤やアレンジを色々と試していた超初期だからこその面白さが満点なのです(一説によると、サンダースティックがリハの完全録音を所有しているそうですが……ぜひ公開してほしいッ!)。DISC 1(後半)/DISC 2(前半)ディアノ時代最古のライヴアルバム2種 激レアなウィルコック時代も衝撃ですが、本作のメインとなるのはポール・ディアノ時代のフル・オーディエンス録音2種。どちらもトニー・パーソンズ/ダグ・サンプソン在籍時の1979年の貴重記録です。そもそも、デビュー前のフル録音は3種しかありません。ここで、その3種をチェックしてみましょう・9月10日ミュージックマシン公演 ←★本作DISC 1★・9月30日『DEFINITIVE MUSIC MACHINE 1979』・10月5日ラスキン・アームズ公演 ←★本作DISC 2★ DISC 1(後半)1979年9月10日ミュージックマシン公演 パーソンズ/サンプソン時代の頂点作と言えば、名盤『DEFINITIVE MUSIC MACHINE 1979(Zodiac 329)』が大定番ですが、本作はそれ以外の2種をベスト・マスターで収録しています。特に「9月10日ミュージックマシン公演」は、ディアノ時代最古のライヴアルバムとしても名高い。もちろん、1978年の『THE SOUNDHOUSE TAPES』の方が古いわけですが、あれはあくまでスタジオ・デモ。長尺のライヴアルバムとしては、今なお最古です。さすがにサウンド・クオリティ的には名盤『DEFINITIVE MUSIC MACHINE 1979』には及ばないわけですが、そこでは聴けない名曲群がたっぷり。「Another Life」「Innocent Exile」「Drifter」が楽しめます。DISC 2(前半)1979年10月5日ラスキン・アームズ公演 代わってのDISC 2は「10月5日ラスキン・アームズ公演」録音。かの名門「Krw_co」が発掘した1stジェネ・カセットからダイレクトにデジタル化した最高峰版です。こちらはさらに長尺で「The Ides Of March」「Strange World」「I’ve Got The Fire」も聴ける。特に「Strange World」があることで、デビュー作『鋼鉄の処女』全曲を網羅。大名盤の貴重メンバー&発展途上バージョンとしても楽しめる。この時期から「The Ides Of March」を取り上げていることもポイントです。それ以上に超貴重なのがギターソロ。DISC 1でもデイヴ・マーレイのソロが聴けますが、ここではトニー・パーソンズのソロまで登場。ただでさえソロタイムが珍しいIRON MAIDENですが、パーソンズのソロは正しく本作だけ、ここだけの超貴重なシーンなのです。DISC 2(後半)初代シンガー:ポール・マリオ・デイのMORE そんな本作の最後には、IRON MAIDENの初代シンガーだったポール・マリオ・デイのレア・トラックをボーナス追加。前述の通りIRON MAIDEN時代の記録は残っていないのですが、ここではその後に結成したバンド「MORE」から貴重テイク2曲を収録しています。1曲は「Atomic Rock」。2014年にはアルバム『WARHEAD』の日本盤CDも出ましたが、そこでも聴けなかったシングルB面曲です。もう1曲は「1981年ミュンヘン公演」の「Depression」。この2曲はサウンドボードです。存在自体が奇跡なデニス・ウィルコック時代の録音に、貴重な1979年ライヴ2種、それにポール・マリオ・デイ率いるMOREのレア・サウンドボード。「デビュー前のMAIDEN史」を深掘りするのに必須な激レア音源を一大集成した決定盤コンピレーションです。永遠のプレス名盤『DEFINITIVE MUSIC MACHINE 1979』こそが最重要ではありますが、本作はそれ以外の秘宝を一挙コレクトできる2枚組。デビュー前の姿を伝える最古アルバム。1977年デニス・ウィルコック時代のライヴ/リハーサルやポール・ディアノ時代最古の「1979年9月10日ミュージックマシン公演/10月5日ラスキン・アームズ公演」のオーディエンス録音をベスト・マスターで集成した2枚組です。初代シンガー:ポール・マリオ・デイ率いるMOREのレア・トラックもボーナス収録した決定盤コンピレーションです。Live & Rehearsals 1977 Music Machine, London, England 10th September 1979 Ruskin Arms, London, England 5th October 1979 Disc 1 (73:47) 1977 TAPES 1. Prowler (Live at Bridgehouse) 2. Floating (Purgatory) (Live at The Harrow) 3. Charlotte The Harlot (Live at The Harrow) 4. Dennis Willcock MC 5. Sanctuary (Rehearsal) 6. Another Life (Rehearsal) 7. Strange World (Rehearsal) 8. Charlotte The Harlot (Rehearsal) 9. Wrathchild (Rehearsal) 10. Iron Maiden (Rehearsal) Music Machine, London, England 10th September 1979 11. Wrathchild 12. Sanctuary 13. Prowler 14. Remember Tomorrow 15. Another Life 16. Running Free 17. Transylvania 18. Invasion 19. Charlotte The Harlot 20. Phantom Of The Opera 21. Iron Maiden 22. Innocent Exile 23. Dave Murray Guitar Solo 24. Drifter Disc 2 (79:05) Ruskin Arms, London, England 5th October 1979 1. The Ides Of March 2. Wrathchild 3. Sanctuary 4. Prowler 5. Remember Tomorrow 6. Running Free 7. Another Life 8. Transylvania 9. Strange World 10. Invasion 11. Charlotte The Harlot 12. Phantom Of The Opera 13. Iron Maiden 14. Innocent Exile 15. Tony Parsons Solo 16. Dave Murray Solo 17. Drifter 18. I’ve Got The Fire SOUNDBOARD BONUS: 'MORE' TRACKS 19. Atomic Rock (1981 Single B-Side) 20. Depression (Live in Munich 1981)





























