1982年本格的なカムバック・ツアーとなったユーロ・ツアーより、4月28日オランダのハーグ公演を、近年ネット等で公開された、放送用マスター使用による、過去最高のクオリティーのサウンドボード音源にてほぼコンプリート収録。放送上オープニングのみ途中からの収録ながら、スターンのソロから、エヴァンスのソロに移行、そしてその後の演奏はラストまでカンペキなクオリティーにて。なおここではミノ・シネルのパーカッションがいきなり全開で、それに導かれるように、”My Man’s Gone Now”ではマイルスも挨拶がわりの強烈なソロを披露。またその後通常は”Aida”にブリッジするところ、この日は”Fat Time”のテーマをマイルスが突然吹き出し、これまた通常より早いテンポで展開。その後見事な構成力で”Aida”につなぎ、後半は”Ife”から”Jean Pierre”への流れとなり、この時期にしてはかなり珍しい展開が聞けるのも大きなポイント。またラストでのマイルスの長いソロもジャジーかつブルージーなもので、とにかく前年のカムバック・ツアーはアメリカと日本のみで、しかも演奏自体も不安定だったものの、この欧州ツアーは万全の体制で臨んだだけに、このような意外な展開も全くスムーズ。数少ない1982年ツアーのサウンドボード・ライブだけにやはり必聴と云えるマスト・アイテム。 DISC ONE: 01. Back Seat Betty (incomplete) 02. My Man’s Gone Now 03. Fat Time DISC TWO: 01. Aida 02. Ife 03. Jean Pierre [Recoded At Garden Pavilion, Hague, Holland April 28th 1982] MILES DAVIS (tp, key) BILL EVANS (ss, ts, fl) MIKE STERN (g) MARCUS MILLER (b) AL FOSTER (ds) MINO CINELU (perc)