この映像は、『UNPLUGGED LIVE』に先立つ「1991年11月4日フランクフルト」で収録されたテレビ放送。ビデオ時代から有名な代表映像ですが、本作はビデオ時代とは一線を画す最高峰版。実のところ、以前から『ACOUSTIC EVENING IN FRANKFURT』としても親しまれてきましたが、今回はオフィシャル映像の史上最高峰DVD化に併せ、本作も音声をリマスター。頂上を更新する究極版に仕上げました。そのクオリティで描かれるショウは、『UNPLUGGED LIVE』にも劣らない美の世界。当時はMcAULEY SCHENKER GROUPの『M.S.G.』リリース直前だったせいもあり、番組のテーマは新作のプロモーション。そのため、セットは全曲McSGで固められ、選曲も曲順もE.P.『NIGHTMARE: THE ACOUSTIC M.S.G.』と完全に同一。あの名作E.P.の“生演奏版”であり、“映像版”として楽しめる完全再現なのです(厳密には、本作をスタジオ再現したのがE.P.)。見事なギターのオブリガートも素晴らしいのですが、特に驚くのはロビン・マッコーリーのヴォーカル。1991年にツアー記録はないため、恐らく本作が初演だと思われるのですが、不自然さや不慣れ感がまったくない。その表情からもまるで長年歌い込んできた曲に魂を吹き込むような熱唱なのです。シンプルなアコギ・アレンジだけにギターが完璧なのはまだ分かるのですが、ヴォーカルはむしろエレクトリックよりも厳しいはず。それにも関わらず、初演にして完璧(+α)な歌声………。当時も「ロビンも意外と良い」と言われたものですが、事情を知るほどにさり気なさに凄味が宿る。ロビンのプロフェッショナルぶりが浮き立つ映像なのです。90年代初頭は猫も杓子もアンプラグドをやっていたイメージですが、マイケルは決してブームに乗ったのではありません。『UNPLUGGED LIVE』にも言えることですが、本作が撮影された時点で“MTV UNPLUGGED”が商品化されていたのはせいぜいポール・マッカートニーくらいで、KISSはおろか、エリック・クラプトンやNIRVANAよりもマイケルの方が早かった。だからこそ、本作には売れ線狙いの下心がないのです。この時点では“新作プロモーションのお楽しみ”だったかも知れません。しかし、そのトーンがマイケル自身の胸に深く響いたからこそ、E.P.をつくり、オフィシャルのライヴ映像を残し、さらにMcSGを解体してのソロにも走った。本作の演奏は、まさにその端緒なのです。ただただ、純粋な衝動でアコースティック・ギターを手に取り、素朴な響きを追求していた神。その初期衝動が指先から溢れるウラの大傑作プロショット。 Live at Music Hall, Frankfurt, Germany 4th November 1991 PRO-SHOT (35:28) 1. Introduction 2. Anytime 3. We Believe In Love 4. What Happens To Me 5. Bad Boys 6. Member Introduction 7. When I'm Gone 8. Never Ending Nightmare Robin McAuley - Vocal Michael Schenker - Acoustic Guitar Spencer Sercombe - Acoustic Guitar, Vocal PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 35min.