2CDは“MARYLAND HEIGHTS 1994”(以下2CD)はYES全史においても格別な極上サウンドボード・アルバムです。そこに“光景”と“体験感”まで上乗せするオーディエンス・ショットをお贈りします。本作が撮影されたのは、「1994年8月28日コロンビア公演」。2CDより約2ヶ月後にあたるコンサートです。そもそも“TALK TOUR 1994”のオーディエンス映像というだけで貴重なのですが、本作のクオリティは貴重さに似つかわしくない素晴らしさ。ステージ正面から見下ろすタイプの映像なのですが、2階席撮影等いうわけでもありません。現場となった“メリウェザー・ポスト・パヴィリオン”は、約2万人収容のオープン・スペースなのですが、ステージの近くには天井もあり、客席にはわずかながら傾斜がある。窪地の底にあるステージを眺めるような会場なのです。それだけに視野は非常に良好。演奏中にも関わらず、客席を歩く観客もいるので「影がまったくない」とは言えないのですが、フラット床の会場とは次元が違う広々と視界で“90125 YES”が隅々まで見渡せるのです。その安定度も素晴らしい。時代柄ビデオ撮影ですし、手ブレ補正機能など存在しない。さらに本作は三脚も使っていないようなのですが、撮影者のド根性で安定させるのです。その上で、果敢に見どころズームにも挑戦。幻想的なライティングを余すことなく捉えきっているのです。画質面では「マスター・クオリティ」と断言すべきかどうか迷いますが、迷うということはその可能性もあるということ。あくまでもアナログビデオの粒子感は拭えないものの、歪みや線ノイズなどは一切なく鮮やかな発色もたっぷりと味わえるのです。(マイクの接触ノイズやそれにともなう不安定な箇所が散見されるのが残念ですが・・・しかし、音質自体は抜群に良いでし、特に後半は素晴らしい!)何はともあれ、極上視点で“TALK TOUR 1994”を、そして“90125 YESの到達点”を体験できる1本です。このツアーにはサンチャゴ公演のプロショットもありますが、それとは次元の違う現場感覚が存分に楽しめる。1994年の来日公演を体験された方なら22年前の光景が蘇り、未体験の方にはイギリスきってのプログレハード・ショウを目撃していただける逸品。Live at Merriweather Post Pavilion, Columbia, MD. USA 28th August 1994 (141:12) 1. Intro 2. Perpetual Change 3. The Calling 4. I Am Waiting 5. Rhythm Of Love 6. Hearts 7. Real Love 8. Changes 9. Heart Of The Sunrise 10. Make It Easy/Owner Of A Lonely Heart 11. Rabin Piano Solo 12. And You And I 13. I've Seen All Good People 14. Walls 15. Endless Dream 16. Roundabout/Purple Haze COLOUR NTSC Approx.141min.