“ロックの客席録音”……そんな奇特な文化が生み出した奇跡の音楽作品『READING '76』(以下別CD)。録音の女神が満面の笑みで祝福していた現場は、映像でも記録されていました。それが本作です。別CDと同じレコード会社スタッフが8ミリで撮影したもので、約4分半の短さながら、未だかつて誰も観たことがない光景が広がる全世界初公開映像。本編は関係者席だからこそ成しえた“プロフェッショナル・オーディエンス”だったわけですが、その本人の視線をそっくり再現してくれる超・貴重映像なのです。撮影者本人から渡ってきたフィルムの現物を元にしているだけに本作のクオリティは極上。40年前の8ミリというヴィンテージ感覚もたっぷりながら、その鮮度は時空を超えており、猛烈に鮮やかな発色が目にも眩しい。そして、衝撃なのはその光景。激烈ジャズロックを紡ぎ出すメンバー1人ひとりを自在にアップで捉え、カラフルな演奏を一層色鮮やかにしてくれるのです。もちろん、無声の8ミリ・フィルムでしたので、別CDの歴史的極上サウンドを被せ、無上無類の光景に相応しい逸品に仕上げました。さらに驚きなのは、“プロフェッショナル・オーディエンス”を実現した録音/撮影ポジション。個々人に接近するズームでは音声とのギャップは感じませんが、思いっきり引いてステージ全景を捉えた距離感は、激近サウンドとあまりにも違いすぎる。同一人物の録音と撮影とはとても信じられない。画面には映りませんが、関係者席のすぐ側にPAがあったのか、それともレコード会社に売り込むための専用PAでも設置されていたのか……。まるでバンドのすべてを撮影するため、極上に録音するために周到に用意されたとしか思えない視点とサウンドが並び立っているのです。 バンドの意図か、ただの奇跡なのか。何とも測りかねるところですが、結果として歴史的な名録音が残され、その光景も発掘された。客席での録音と撮影。オフィシャルでもなく、サウンドボードでもなく、アンダーグラウンド文化だからこそのサウンドと映像……奇跡的な演奏と同時に起きていた“客席の奇跡”。 Live at Reading Festival, Reading, UK 27th August 1976 Taken from the original 8mm film (dubbed with CD audio source) Featuring the following live audio tracks of Reading Festival 1976 Expresso / Esunuria / Mandrake / Shadows Of / Percolations Part 1 / Gattox / Reading Jam COLOUR NTSC Approx.4min.