『RAISE VIBRATION』を引っさげて世界を巡っているレニー・クラヴィッツ。その最新マルチカメラ・プロショットがリリース決定です。そんな本作に収められているのは「2019年3月31日ブエノスアイレス公演」。今や世界中に広がった巨大フェス“ロラパルーザ”のアルゼンチン編に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。今年のアルゼンチン編は、3月29日から31日の3日間で開催され、全92組のバンド/アーティストが参加。その中でレニーは最終日に準トリとしての出演でした。このショウはネットで生配信されており、本作はその配信プロショットを約100分に渡って収録しているのです。まずは、彼の近況を知る意味でも2018年/2019年のスケジュールからショウのポジションを確かめてみましょう。 ●2018年・1月10日:ラスヴェガス公演・4月13日-18日:メキシコ(3公演)・5月25日-7月30日:欧州(35公演)《9月7日『RAISE VIBRATION』発売》・9月9日:ハイドパーク公演・9月21日-10月25日:北米(11公演) ●2019年・3月23日-4月6日:南米(6公演)←★ココ★・4月27日-6月11日:欧州(24公演)これが現在までに公表されている2018年/2019年のスケジュール。『RAISE VIBRATION』発売以降はハイドパークと北米だけに止まっており、本格的なツアーは2019年から。本作のブエノスアイレス公演は、その序盤となる「南米」ツアー4公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを記録した本作は、まさに完全無欠の超・極上。世界に名だたる巨大フェスの最新配信ですから当たり前のような気もしますが、それにしても美しい。超極上ステレオサウンドボードの収録も一流ならダイナミックに動き回るカメラワークも超一流。開演を待つシーンのリアルタイム感、1曲目「Fly Away」の冒頭で現場ミックスがやや迷うところに生配信らしさを感じる事もできますが、あとはただただひたすら完全オフィシャル級クオリティ。もはや四の五の言っても仕方なく、「最高級ですから見ちゃってください!」の一言で済ませたい超絶プロショットです。そんなクオリティで描かれるショウは、南米らしい熱狂と巨大スペクタクル。暗闇になってからの出演ということもあってライティングの光芒がえらく鮮やか。ステージ演出はわりとシンプルではありますが、それが実に硬派なイメージを醸し出しており、えらくカッコイイ。そして何より、巨大な群衆そのものが凄まじい演出となっている。暗闇だけに姿がはっきりとは見えないのですが、ステージから照らされる人の海は果てが分からない。その大群衆が一気にハネて叫ぶ「Are You Gonna Go My Way」の凄まじい事と言ったら……。そして、ショウは黄金時代の集大成。もちろん、最新作『RAISE VIBRATION』からも「It's Enough」「Low」が演奏されますが、後はほぼクラシックス。デビュー作『LET LOVE RULE』から2004年の『BAPTISM』までの全作から満遍なくセレクトされ、各アルバムから1-2曲ずつとバランスも均等。その豪華絢爛な濃縮感は、まさに「動くベスト・アルバム」です。実際、『BAPTISM』『RAISE VIBRATION』のナンバー以外はすべて『GREATEST HITS』の収録曲でもあるのです。クオリティ・演奏・セットリスト、すべてが濃厚で強烈。本作はレニーの最新ショウを楽しめるプロショットではあるのですが、その中身は“クラヴィッツ初体験”にも最適な超娯楽大作なのです。『RAISE VIBRATION』と同等以上となる映像作品の大傑作。Hipodromo de San Isidro, Buenos Aires, Argentina 31st March 2019 PRO-SHOT(99:37) 1. Intro 2. Fly Away 3. Dig In 4. American Woman / Get Up, Stand Up 5. It's Enough 6. Low 7. It Ain't Over 'Til It's Over 8. Can't Get You Off My Mind 9. Believe 10. Always On The Run 11. Where Are We Runnin'? 12. Again 13. Let Love Rule 14. Are You Gonna Go My Way Lenny Kravitz - guitar, vocals Craig Ross - guitar, vocals Gail Ann Dorsey - bass, vocals George Laks - keyboards Franklin Vanderbilt Jr. - drums Harold Todd - saxophone Ludovic Louis - trumpet Michael Sherman - saxophone PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.100min.