2000年にリリースされたライブDVD「SILVER AND GOLD」を2010年の9月ごろに日本で放送したバージョンを収録。放送されたのがそうした年代ですし、元はライブDVDですので画質は完璧。もちろんこれだけではありません。こちらのバージョンは放送に際して独自の字幕が付け加えられており、これが面白い。というのも、リリース当初と放送時の間に10年の歳月が流れていますので曲間のやり取りの字幕の解釈がまるで違う。中でも傑作なのが「The Great Divide」をやり終え、次にどうするか考えたところで「何してたっけ…」「そうか」「思い出した!」「(まだ)ボケてない」と一人ツッコミを入れる場面の字幕が傑作。まだ還暦を迎える直前のニールでしたが、この自虐MCの場面は2000年のリリース時よりも現代社会の問題と向き合うような字幕の解釈によって、よりリアルに(苦笑)彼の言葉を感じられるのではないでしょうか。この放送版では同じく「The Great Divide」の演奏前にも笑える字幕が付いており、しかもそれはニールのMCではないです。同曲を演奏する前に飛び交う客席からの声(野次というほどのものではないが)に対して、他の観客が「黙れ!」と一喝するところにまで字幕が入ってしまうのだから笑ってしまいます。そして髪が短く、おまけに着ているシャツといい、まるで1974年CSNYツアーの時のようなルックスのニール・ヤングが当時の最新アルバム(DVDと同名)からの曲を中心として、静かに弾き語る姿は今なお訴えかけて来るものがあります。そのアルバムのリリースからも20年近くが経過した今、当時の新曲群の魅力が色褪せてないことにも驚かされる、意外な近代ニールの貴重ライブ映像です。 Bass Concert Hall, Austin, Texas, USA 29th May 1999 PRO-SHOT Broadcast in Japan 2010 (64:48) 1. Intro 2. Looking Forward 3. Out of Control 4. Buffalo Springfield Again 5. Philadelphia 6. Daddy Went Walkin' 7. Distant Camera 8. Red Sun 9. Long May You Run 10. Harvest Moon 11. The Great Divide 12. Slowpoak 13. Good to See You 14. Sliver & Gold PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.65min.