年末恒例の国民的歌番組への出演も終え、日本での活動をすべて終了してしまったKISS。年明けのロスに苛まれている方にピッタリの極上オリジナル映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「2019年12月11日:東京ドーム公演」。東京最後のショウを記録したオーディエンス・ショットです。最後の来日公演を『TOKYO DOME 2019』『OSAKA 2019』傑作ライヴアルバムでレポートしてきましたが、映像は本作が初。音だけでなく、光景でも記録が蘇る作品がついに登場したわけです。気になるクオリティの前に、まずは記録の意味でも昨年末の来日スケジュールでショウのポジションを確かめておきましょう。 ・12月8日:ゼビオアリーナ仙台・12月11日:東京ドーム ←★本作★・12月14日:盛岡タカヤアリーナ ・12月17日:京セラドーム大阪・12月19日:ドルフィンズアリーナ・12月31日:紅白歌合戦に出演 そんなショウで撮影された本作は、まさに絶景のオーディエンス・ショット。撮影者本人から譲られた本作だけのオリジナル・マスターなのですが、その人物こそがただ者ではない。「2019年の最高傑作映像」とまで言われたALCATRAZZの『DEFINITIVE TOKYO 2019 FINAL NIGHT: THE VIDEO』やマイケル・モンローの『TOKYO 2019 1ST NIGHT』を撮影した人物の最新作なのです。この2作をご覧になった方ならもうピンと来られていると思いますが、遮蔽物ゼロの絶景、それこそスタッフが撮影したかのような安定感、見どころを決して逃さないカメラワーク……「まるでワンカメ・プロショット」とまで言われる名手が腕によりをかけて「最後のKISS」を記録した1枚なのです。実際、本作も素晴らしい。さすがにALCATRAZZやマイケル・モンローとは比較にならない巨大会場だけに距離は否めませんが、絶景ぶりも見事なカメラワークもさすが名手の作。そして、その距離を相殺するのが果敢にもほどがあるズーム。グイグイと寄りに寄りまくり、ポールやジーンの上半身が画面からハミ出してしまうほど攻めまくる。それだけアップになってもやはり見どころは外さず、ギターソロになればキチンとトミー・セイヤーに移り、コーラスやキメのフォーメーションの数々もばっちり。距離から生じる(わずかな)揺れがなければ、スクリーン・ショットかと思うほど。よくまあ、撮影の難しい東京ドームでここまで見事に撮影できたものです。その映像美で描かれるのは、もちろん歴史的なKISS最後の東京公演。ここで正直に申し上げなければなりません。本作最大にして、唯一の欠点はフル収録ではないこと。開演から快調に撮影されていくのですが、「Cold Gin」までたどり着いたところで一旦終了。その後5曲ほど撮影されず、「I Was Made For Lovin' You」の途中から再開されるものの、ゴンドラで移動するポールの姿を最後に終わってしまうのです。ショウのハイライト・パートが観られないのは残念至極。そんな悔しさを癒すため、「I Was Made For Lovin' You」は別アングルで追加収録致しました。本編とは比較にならない遠景ショットですが、だからこそ東京ドームの巨大感がよく分かる。もちろん、ゴンドラで巨大空間を縦断するポールのスペクタクルもハッキリと目撃できます。最後の最後までKISSはKISSであり、プロフェッショナルの中のプロフェッショナルだった。その最後の勇姿、巨大なエンターテインメントを絶景で味わえる映像作品です。返す返すも完全収録ではないのが惜しまれますが、それでも約70分に渡って歴史的なショウの現場に立てる。早くも朧気になってきた想い出を確かな記憶に変えるには十分。KISSロスにあえぐ今だからこそ必要な1枚。 Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 11th December 2019 AMAZING SHOT(from Original Masters) 1. Intro 2. Detroit Rock City 3. Shout It Out Loud 4. Deuce 5. Say Yeah 6. I Love It Loud 7. Heaven's On Fire 8. War Machine 9. Lick It Up 10. Calling Dr. Love 11. 100,000 Years incl. Drum Solo 12. Cold Gin 13. I Was Made For Lovin' You Bonus Track 14. I Was Made For Lovin' You #2 COLOUR NTSC Approx.70min.