「HOUSE OF BLUE LIGHT」リリースに伴うDEEP PURPLEの1987年アメリカツアーは、公式ライヴ作品「NOBODY'S PERFECT」のほか、その元素材のひとつとなったロサンゼルス公演をステレオ・ライン音源で収録した「L.A. LIGHTS」、さらにはツアー最初期を優れたオーディエンス録音でパッケージした「MAD DOG U.S.A.」や「BLACK AND BLUE」など、音源面では非常に恵まれています。それに対して映像面では充実度がもうひとつで、当時の"動くPURPLE"の姿を見たいファンには、やや物足りない状況です。本作はその「映像を楽しみたい」欲求に応える、ファン待望の一本です!本映像は'87年アメリカツアーより、16公演目に当たる5月8日のミシガン州デトロイト"ジョー・ルイス・アリーナ"公演を82分間に渡り良好なオー ディエンス・ショットで収録しています。マスターはライヴのセットリスト5曲目「Perfect Strangers」からのスタートで、残念ながら不完全収録なのですが、ステージ上で躍動するメンバーを確かな輪郭で収めた画質はVTR時代を上回る見易さです。2階席の左手側からステージを安定して収めた構図もライヴ展開の掴みやすさを両立しており、当時の観客撮り映像としては非常に高いレベルにある と言えます。特に当時のステージ・セットの様子が良く判るのは有り難く、アルバムの「HOUSE OF BLU LIGHT」のジャケに因んだのか、ステージ左右のドアをあけて出入りしているメンバーの姿など、音源では判らないライヴの雰囲気がしっかりと伝わります。この日はリッチーのアクションが随所で非常に目立っており、ステージ上を縦横に躍動する彼の姿はファンの目を惹き付けるでしょう。「Hard Lovin' Woman」のソロ後半でベースペダル付近にしゃがみこんで派手なアクションをキメる姿や、「Bad Attitude」のソロでミステリアスなソロを聴かせるボトルネック奏法、ドラムライザーの横でソリッドなソロを繰り広げる「Child In Time」など、見どころは満載です。とどめは「Black Night」で、セットからPAの上へ登り、文字通りギターを粉砕するようなギタークラッシュはド迫力! まるでリッチーが撮影者の(そして映像を観るマニアの)リクエストに応えるような目覚しい動きの数々は、時間を忘れて見入ってしまいます(なぜか巨大なバルーンがステージに投げ込まれる「Space Truckin'」では、メンバーの反応も面白いです)。リッチーは'91年以降になるとステージでの動きが大人しくなってくるので、ここまで動き回る彼の姿を収めた本映像は、それだけで充分以上の価値が認められます。もちろん動作だけでなく演奏そのものも優れていて、「Difficult To Cure」中間パートでの魅力的なソロを紡ぎだしています。これにはジョンも素晴らしいキーボードソロで盛り上げており、出色の出来栄えと言うべきでしょ う。さらにイントロで長いアドリブを聴かせ、場内を騒然とさせる「Lazy」や、火を吹くような「Space Truckin'」 でのソロ、同曲後半でのジョン,ペイスとの絡みは最高の見所です。この日はギランの声も良く出ており、この当時ライヴでの再現でしばしば苦しんだ 「Hard Lovin' Woman」や「Child In Time」でもかなりしっかりと歌えています(この時期彼が着ていた個性的な?ステージ衣装も見どころ?でしょうか)。大きな会場にふさわしく、スケール感のある演奏を繰り広げるPURPLEのステージは見応えがあります。元もとのマスターではサウンドがややオーバーロード気味でしたが、これをリマスターで適宜調整し、音声面でも最良のバージョンに仕上げてあります。 Live at Joe Louis Arena, Detroit, Michigan, USA 8th May 1987 AMAZING SHOT!!! 1. Perfect Strangers 2. Hard Lovin' Woman 3. Bad Attitude 4. Child In Time 5. Difficult To Cure 6. Knockin' At Your Back Door 7. Lazy 8. Space Truckin' 9. Woman From Tokyo 10. Black Night 11. Smoke On The Water Ian Gillan - Vocal Ritchie Blackmore - Guitar Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums COLOUR NTSC Approx. 82min.