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Ron Wood ロン・ウッド/Gimme Some Neck Rough Mixes,Early Versions & Outtakes

世界中のストーンズ・マニアをアッと言わせたJEMSの「FOXES IN THE BOXES」シリーズから早五年。久しぶりの続編が突如としてネット上に姿を現しました。しかも今回発掘された音源は実に渋い。「FOXES IN THE BOXES VOL.4」に収録されたのはロニー・ウッド1979年のソロアルバム「GIMME SOME NECK」のラフミックスというもの。彼にとって三枚目のアルバムであり、コロンビア・レコードに移籍しての第一弾。前のアルバム二枚がR&B色の強いサウンドでまとめられていたのに対し、そこから本アルバムをリリースするまでの間にストーンズのメンバーになった経験を活かしたようなルーズさを全開にしたロックアルバムでした。レコード会社の大手コロンビアとしても、ワーナー時代のようなファンキーさ、あるいはR&B寄りの作風よりも、ストレートで解りやすいロックを歓迎しないはずがありません。その甲斐あって「GIMME SOME NECK」はアメリカでチャート45位まで上昇という、彼のアルバムの中では最大の成功も収めています。そんなアルバムですが、今までレア音源の類は一切発掘されず、もっぱらアルバムのリリース後に行われたニュー・バーバリアンズのライブ音源に頼るしかありませんでした。それだけに今回の発掘は意外でありながらも、世界中のマニアを驚かせるには十分なもの。今回の音源の公開に当たってはJEMSも詳しい解説を添付してくれましたが、リリースに当たってはさらなる検証を加えてみました。トラックごとに紹介いたしましょう。 01. Breakin' My Heart v2 オープニングトラックながらJEMSの解説によればこちらがセカンドバージョンとのこと。この曲は「GIMME SOME NECK」収録曲の中でも特に音の広がりの乏しいミックスが施されていたのですが、ここではもっと広がりのあるミックスとなっていて、完成版で一緒くたにされていたロニーのギターパートがよく解る。それ以上にサビでコーラスするミック・ジャガーの声が完成版よりもはっきり聞き取れます。 02. Lost And Lonely 演奏が始まる前のちょっとしたやりとりやロニーのカウントから始まるのがいかにもラフミックス。既にあの印象的なバックコーラスは付け加えられているのですが、それでいてロニーの各ギターパートやリードボーカルは生っぽい。というか生のままといった質感。おまけにスタジオの臨場感まで伝わってくるほど。それでいてギターの配置もまるで違う。そして完成版では左右を飛び交っていたフェイドアウト時のバックコーラスの掛け合いもここでは最後まで真ん中に居座っており、代わりにロニーのギターとマックことイアン・マクレガンのオルガンが左右から良く聞こえます。そしてエンディングは12秒も長い。 03. Worry No More アルバムのオープニングを飾った曲ですが、JEMSのテキストだと「ほとんど違いがない、かろうじてギターのオーバーダビングがない程度」とされています。確かにエンディングで右チャンネルから登場したリードギターがここでは聞かれません。それ以上に特筆すべきは、完成版よりもずっと生々しいということ。アルバムではロニーのボーカルがまるで奥に追いやられたような不自然さがあったのですが、ここでははるかに生々しくて前面に押し出されているのが良いですね。 04. We All Get Old これはもうまるでミックスが違う。完成版は演奏がこじんまりとまとめられていましたが、ここではすべての楽器が前面に押し出されており、まるでそれらが競い合うかのよう。イントロでは完成版で消されたのも頷けるようなロニーの余計なリードギターが鳴っており、確かにラフな状態ではある。しかし彼にはこっちの方がずっと合っているのも事実かと。本アルバムでプロデューサーを務めたロイ・トーマス・ベイカーはクイーンのような緻密な録音を手掛けていたからか、ロニーのようなラフでルーズな録音のプロデュースには向いていなかったのでは?と思えるほど。 05 Seven Days ボブ・ディランのペンになる曲というのはもちろん、アルバムの中で唯一ミック・フリートウッドがドラムを叩いた曲でもある。このラフミックスでは彼のドラムの音がやたらと目立っており、それどころか音が割れ気味なほどの迫力。完成版では随分と大人しくさせられたものです。既にリフのフレーズがロニーの多重録音であることはこの時点でも同じだが、キースが遠くから叫んでいるかのように聞こえたバックコーラスはまだなし。そしてロニーのリードボーカルが別テイクなのですが、こっちの方が威勢良く歌っているように聞こえます。プロデューサーのベイカーからすると、そこがむしろダメだったのでしょうか。 06 I Got Lost When I Found You 今回の発掘における一番の驚きではないでしょうか。セカンドアルバム「NOW LOOK」のオープニングを飾ったボビー・ウーマックとの共作曲のリメイク。オリジナルバージョンはあのアルバムの雰囲気を象徴するかのごとくファンキーな調子で演奏されていましたが、さすがは「GIMME SOME NECK」セッション、新たなリフが付け加えられたストレートで荒々しいロック調に生まれ変わっています。 しかも驚いたことにギターソロやバックコーラスがオーバーダビングされている。前のアルバムの曲を録り直し、なおかつそこまでの作業を行っていたということは、シングルのカップリング用とでも考えていたのでしょうか。それともロニーがトラディショナルを弾き語りしたインストゥルメンタル「Delia」の代わりにこのリメイクバージョンが入る予定だったのかもしれません。 07 F.U.C Her 「GIMME SOME NECK」収録曲の大半がそうだったのように、完成版は非常にくぐもった音質でした。その点こちらの方がずっとクリアで生々しい。完成版ではロニーのボーカルにエフェクトが加えられていたせいでなおさらくぐもった印象を受けただけに、この生々しさは正に霧が晴れたかのよう。そこでは控えめにミックスされていたピアノが前面に押し出されている点も印象的。 08 Don’t Worry アルバムを締めくくった「Don’t Worry」、完成版は多重録音されたロニーのボーカルが左右から飛び交うという、ベイカー本領発揮のプロデュースにてまとめられていましたが、こちらはそれら多重録音ボーカルがまだ振り分けられておらず、ちょっと鬱陶しい(笑)。代わりにギターパートが左右からアグレッシブに飛び出す迫力のラフミックス。こちらの方がロニーには合っている気も。それどころかこの時点ではボビー・キーズらのホーンセクションが付け加えられていないおかげで、完成版ではかき消されていたさまざまなギターパートが色々と聞こえてとても新鮮に響きます。 09 Infekshun こちらも演奏全体が圧倒的に生々しく聞こえる。そして完成版ではここでもロニーのボーカルにエフェクトが加えられていたので、俄然こちらの方が自然で迫力満点。何よりギターパートが前に迫り来る感じは雲泥の差。 10 Tiger Balm 今度は何と完全未発表曲。ロニーも付き合いのあったザ・バンド後期のサウンドを彷彿とさせるようなゆったりした曲。ここで聞かれるオルガンの音色やプレイもイアン・マクレガンというよりガース・ハドソン風に聞こえるほど。それに驚くべきはロニーもボーカルをちゃんと録音した上にバックコーラスまで加えられている。彼の甘い歌声がすごくイイ。これならアルバムに収録されたとしても何ら遜色なかったことでしょう。これまた驚きのアウトテイク。 11 Buried Alive ここでも音そのものが生々しいのは当たり前、何よりミックのコーラスハーモニーが完成版より大きく聞こえるという魅力的な状態。完成版ではエンディングで辛うじて彼の声が聞こえるという程度でしたから、演奏が進むにつれてミックの声が存在感を増してくる今回のラフミックスはなおさら魅力的に映ります。それでいてエンディング自体も完成版より長く、さらにミックの声が聞けてしまうのです。 12 Come To Realize こちらもロニーのオーバーダブ・パートが少なく、その分マックのエレクトリック・ピアノの音が目立っている。そして何より合唱風だったバックコーラスがまだなく、ロニーが一人でコーラスを多重録音してみせた程度。しかも完成版のエンディングはコーラスが盛り上がっている最中にフェイドアウトさせたような終わり方をしていますが、こちらはもっと長く収録された上でフェイドアウトします。 01. Breakin' My Heart v1 こちらがファースト・バージョンということでオーバーダビングがほとんどなく、ミックを始めとしたバックコーラスだけが加えられたベーシックトラックに近い状態だと思われます。何よりロニーのボーカルが完成版やセカンドバージョンとは違っていて、後半ではミックにコーラスのタイミングを指示しているような場面までみられます。正にラフミックスらしい状態でしょう。アルバムのラフミックスというと、基本線は出来ありつつも所々で違いがあるという状態がほとんど。その点今回の音源は音質そのものが完成版アルバムとはまるで違っており、それはレコードのマトリクスの違いを聞き分ける様な微妙なレベルではなく、完全に一聴して解るレベル。それでいて未発表曲まであるというのだから面白いことこの上ない。今までありそうでなかったロニーのアルバムのレア音源というだけでも本当に貴重なのですが、音質が完全にオフィシャル・レベルであることにも驚きを禁じ得ません。元はラフミックスを収録したカセットとのことで、若干ながら入るヒスノイズすらカセットらしさを感じさせてくれてまったく嫌味がない。実際、今回のリリースに際しても一切のイコライズや手直しは必要なく、ネットに現れたバージョンをそのまま採用しました。それほどクオリティの高い音源ですが、あれほどラフな仕上がりだったアルバムのラフミックスが今になって発掘されるとは面白い。2020年上半期最大の発掘音源です! Recorded at Pathe Marconi Studios, Boulogne-Billancourt, France, March and/or April 1978 and Cherokee Studios, Los Angeles, September-November 1978 Foxes In The Boxes Vol. Four (53:38) 01. Breakin' My Heart(II) 02. Lost And Lonely 03. Worry No More 04. We All Get Old 05. Seven Days 06. I Got Lost When I Found You 07. F.U.C. Her 08. Don't Worry 09. Infekshun 10. Tiger Balm 11. Buried Alive 12. Come To Realize 13. Breakin' My Heart(I)

Ron Wood ロン・ウッド/Gimme Some Neck Rough Mixes,Early Versions & Outtakes

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