サミー・ヘイガー時代でも最大規模となったワールド・ツアー“F.U.C.K./RIGHT HERE RIGHT NOW TOUR”。『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』の補足編とも言うべき傑作映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1991年12月4日テキサス公演」。野外フリーコンサートの模様を収めたマルチカメラ・プロショットです。この映像は当時からツアーを代表するプロショットとして有名でしたが、本作はその最高峰版。サウンドチェックとインタビューシーンを追加し、クオリティアップした決定版です。その内容に触れる前に、まずはショウのポジション。サミー時代最大・最長のツアー全景から振り返ってみましょう。1991年《6月18日『F@U#C%K』発売》・8月16日-9月23日:北米#1(19公演)・10月8日-11月15日:北米#2(24公演)・12月2日-14日:北米#3(10公演)←★ココ★ 1992年・1月22日-3月3日:北米#4(23公演)・4月3日-5月31日:北米#5(33公演)←※公式 1993年《2月23日『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』発売》・3月30日-4月29日:欧州(18公演)・6月25日-8月28日:北米#6(41公演) これが1991年-1993年のVAN HALEN。1年単位では“BALANCE TOUR”の方が多いのですが、丸2年に及ぶ長さも合計160公演を超える場数もサミー時代の頂点と呼ぶに相応しい長大なツアーでした。その中で本作のテキサス公演は「北米#3」の3公演目。公式作品『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』の約半年前となるコンサートでした。そんな本作を再生して最初に登場するのは、サウンドチェック映像。街頭に特設されたと思われるステージは、いつものホールやスタジアムとはまるで違う雰囲気。当日は5,000人が集まったそうですが、日中の街中を埋め尽くす群衆は、ほとんどお祭りのようなムードです。このサウンドチェックと続くインタビューは、ダビングを重ねたような白く飛んだ画質が気になってしまいますが、ライヴ本編になると各段にクオリティアップ。画面にタイムカウンターが入っている通りスタッフ側の流出映像で、発色も素晴らしく、スクラッチノイズすらない美麗画質のプロショットがたっぷりと観られるのです。この“流出感覚”が本作の旨み。『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』のようにゴージャスに磨き上げられたオフィシャル作品とは違い、荒っぽいまでに生々しい演奏と収録がたまらなくカッコイイのです。もちろん、サウンドも極上のサウンドボードですが、いかにも卓直結で耳にプラグを突っ込んだようなダイレクト感が鮮烈。エフェクトで飾り立てることなく、生演奏の機微が弦をこする音に至るまで超リアルに流し込まれるのです。そんなクオリティで描かれるのは、『F@U#C%K』時代のカラーが濃厚でありながら『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』とはひと味もふた味も違うショウ。ここで公式作品と比較しつつセットを整理しておきましょう。VAN HALEN・1984:Panama(★)・5150:Why Can't This Be Love(★)/Best Of Both Worlds(★) ・OU812:A Apolitical Blues(★★)/Finish What Ya Started・F@U#C%K:Poundcake/Judgement Day/Runaround/Top Of The World サミーのソロ ・スタンディング・ハンプトン:There's Only One Way to Rock(★)・VOA:I Can't Drive 55(★★) ※注:「★」印は『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW(映像版)』で観られない曲。「★★」印はCD版でも聴けない曲。……と、このようになっています。本作では11曲が収録されていますが、その半数以上が『LIVE: RIGHT HERE, RIGHT NOW』とは異なるのです。特にポイントなのは「A Apolitical Blues」。『OU812』のCDボーナス・トラックとなった曲ですが、ステージ演奏されたのは指折り数えられる程度。オーディエンス録音でさえ聴けたらラッキーという激レア曲をマルチカメラ・プロショットで観れてしまうのです。もしろん、そんなセットを紡ぐパフォーマンスこそが素晴らしい。熱く吠えるサミー・ヘイガー、変幻自在に弾き倒すエディ・ヴァン・ヘイレンはもちろん、この2人が日中の街頭ステージで抱きついたり、前髪に悪戯したり……。適切な表現なのか分かりませんが、“仲睦まじく”じゃれ合いながらロックする。今となっては、遠い記憶になってしまった光景が鮮明に映し出されていきます。最晩年には再び連絡を取り合うようになっていたというエディとサミー。そんな2人の蜜月時代を捉えたマルチカメラ・プロショットです。有名人が集まったスーパーバンドでありながら、比類なきマジックを魅せてくれた“あの4人”。「生きたバンド感」をこれ以上なく伝えてくれる大傑作映像。 Live at Westend Marketplace, Dallas, TX. USA 4th December 1991 PRO-SHOT 1. Soundcheck & Crowd 2. Interview 3. Poundcake 4. Judgment Day 5. One Way To Rock 6. Runaround 7. Why Can't This Be Love? 8. Panama 9. A Apolitical Blues 10. Finish What Ya Started 11. I Can't Drive 55 12. Best Of Both Worlds 13. Top Of The World PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.70min. Sammy Hagar - Vocal Eddie Van Halen - Guitar Michael Anthony - Bass Alex Van Halen - Drums