あの4人が集結し、地球を丸ごと燃え上がらせた”Alive/Worldwide Tour”。あの伝説ツアーを目撃できる極上映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「1997年5月18日ニュルブルク公演」。ロック大国ドイツ最大のフェス“ROCK AM RING”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。”Alive/Worldwide Tour”と言えば、KISS史上もっとも巨大な成功を収めたツアーでもある。良い機会でもありますので、まずはその全景を振り返り、本作のポジションも確かめてみましょう。1996年《3月12日『KISS UNPLUGGED』発売》・6月15日-11月10日:北米#1/MOR出演(90公演)←※公式デトロイト映像 ・11月20日-12月21日:欧州#1(19公演)・12月28日-31日:北米#2(4公演)1997年・1月18日-2月15日:日本/オセアニア(15公演)・3月7日-5月6日:南米/北米#3(40公演)・5月16日-7月5日:欧州#2(23公演)←★ココ★《10月28日『CARNIVAL OF SOULS』発売》 これが1996年/1997年のKISS。『KISS UNPLUGGED』での再会を期に再結成プロジェクトに乗り出したわけですが、その公式映像というと『KISSOLOGY VOLUME THREE』のデトロイト公演が有名。あちらはツアー開始直後の記録でしたが、本作はその反対に最終盤。「欧州#2」の2公演目にあたるコンサートでした。ドイツ最大の超有名フェスだけに、その模様は当時からTV放送。数々の既発も生んできました。本作もまた、そんな当時の放送プロショットなのですが、その中でもベストと評価の高いマスターをDVD化したもの。ベストの由縁は長さとクオリティの両面に渡る。まず長さですが、実はこのショウは放送各国によって内容が異なっていたのですが、本作は放送されたすべての曲を網羅している。実のところ、各国放送を合わせても5曲「King of the Night Time World」「Love Gun」「New York Groove」「100,000 Years」「Beth」ほど足りなかったりするのですが、それでも14曲(+各ソロ)・約70分たっぷり楽しめるのです。さらに、クオリティ。時代柄アナログ放送ならではの甘さはあるものの、マスター鮮度は絶品。ダビング痕がまるで観られず、白線ノイズもなければヨレや歪みも起きない。デジタル&ハイヴィジョンで当然な現代感覚だと「完全オフィシャル級」と断言しづらいものの、90年代基準でなら全力で叫びたい……そんな豪奢な映像美なのです。そして、そのクオリティで描かれるショウそのものが素晴らしい。”Alive/Worldwide Tour”とは言っても、前述したデトロイト公演の公式プロショットとは磁気が異なり、セットも違う。ここで比較しながら整理してみましょう。KISS(4曲)・Deuce/Firehouse/Cold Gin/Black Diamond(★) DESTROYER(4曲)・Do You Love Me?/Shout It Out Loud/God of Thunder/Detroit Rock City(★)その他(6曲)・HOTTER THAN HELL:Let Me Go, Rock 'N' Roll/Watchin' You・DRESSED TO KILL:Rock And Roll All Nite・ROCK AND ROLL OVER:Calling Dr. Love ・LOVE GUN:Shock Me・DYNASTY:I Was Made for Lovin' You(★)※注:「★」印はデトロイト公演の公式プロショットで観られない曲。……と、このようになっています。現在のKISSも70年代ナンバーの大盤振る舞いが基本ですが、”Alive/Worldwide Tour”はその純度が違う。まだ『PSYCHO CIRCUS』制作前とあって新曲の類は一切ありませんし、後年と違ってノーメイク時代の曲もやらない。「あの4人が揃って演奏する」という意義を形にしたクラシックス100%の濃縮還元が強烈です。そんなセット以上に眩しいのが演奏そのもの。現在のポールやジーンも70歳前後とは思えないパフォーマンスを見せてくれますが、本作のポールはまだ45歳で、ジーンも47歳。エネルギッシュな歌声やアクションはまさに働き盛り!と言った感じで、70年代よりもプロフェッショナルなくらい。脂の乗りきった超エンターテインメント・ショウをたっぷりと楽しめるのです。“あの4人”が揃い、「遂に実現した!」のテンションが滲んで溢れてこぼれ出す。その後もリ・メイクKISSは続いていくわけですが、もっとも輝いていた”Alive/Worldwide Tour”に他なりません。そんな最盛のショウをベスト・クオリティのマルチカメラ・プロショットで目撃できる1枚。 「1997年5月18日ROCK AM RING公演」のマルチカメラ・プロショット。当時から数々の既発も生んできたTVプロショットですが、本作はその最高峰。各国放送で異なっていた曲を網羅し、14曲(+各ソロ)・約70分たっぷり楽しめる。マスター鮮度も絶品で、ダビング痕も白線ノイズもなければ、ヨレや歪みも起きない。アナログ感はあるものの、当時基準であれば「完全オフィシャル級」となる映像美です。70年代オンリーのセット、まだ40代半ばのパフォーマンス、再結成間もないテンション……すべてが揃った映像傑作です。Nürburgring, Nürburg, Germany 18th May 1997 PRO-SHOT 1. Intro 2. Deuce 3. Let Me Go, Rock 'N' Roll 4. Do You Love Me? 5. Firehouse 6. Watchin' You 7. Shock Me 8. Guitar Solo 9. Calling Dr. Love 10. Shout It Out Loud 11. Cold Gin 12. I Was Made For Lovin' You 13. Bass Solo 14. God Of Thunder 15. Drum Solo 16. Black Diamond 17. Detroit Rock City 18. Rock And Roll All Nite Paul Stanley - Guitar, Vocal Gene Simmons - Bass, Vocal Ace Frehley - Guitar Peter Criss - Drums, Vocal PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.69min.