本作に収められているのはCDと同じ「1982年6月29日:中野サンプラザ」公演。その絶景オーディエンス・ショットです。「え?『これまで聴けなかった』ハズじゃ?」と思われるかも知れませんが、実は本作はフルとはほど遠い35分ほどの映像。しかも、サウンド・クオリティはCDには及ばない。CDは演奏がどんなにハイパーになってもビビりませんでしたが、本作はその一線を越えてしまうシーンもあるのです(もっともバンドがバンドだけに、人によっては本作の方がイメージに近いかも知れません)。これだけならダメ映像となってしまいますが、もちろんそうではありません。実はMOTORHEADのオフィシャル・サイトでも「ANOTHER PERFECTラインナップのビデオとして唯一知られてきた83年カーディフのよりもはるかに鮮明」「我々の知る限り、極めて貴重な映像」と絶賛された映像でして、何よりも素晴らしいのは、驚きの絶景。オープニングの「Iron Fist」が1階2列目で撮影されていて大混乱に巻き込まれるのですが、そこから撮影者は移動。撮影を再開した「Go To Hell」からは、ステージ中央を真っ正面に見すえた2階スタンド席から撮影しているのです。しかも、これが恐らく最前列。遮蔽物が一切なくステージの端々見放題で、一階席の観客すら映らず、ただひたすらレミーやロボの勇姿が大写しになっているのです。さらに、安定感もバツグン。恐らくはスタンド最前列の手すりを三脚代わりにしていると思うのですが、機材の限界に挑むズームのまま頻繁に客席付近まで歩み出てくるレミーを追っているのに、手ブレがほとんど起きない。「動くロボ時代」というだけでも貴重なのに、特等席から双眼鏡でじっくり見つめるような没入感を味わえるのです(開演時からココで撮ってくれれば、究極のフル映像になったかも知れないのに……)。本作は、何よりも初来日の“光景”を教えてくれる映像作品なのですが、その価値はワールド・クラス。オフィシャル・サイトも認めるロボ時代の証拠映像なのです。音楽作品としての完成度・美しさはCDには及びませんが、そのイメージ/醍醐味を何十倍にも膨れあがらせてくれる1枚。Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 29th June 1982 1. Iron Fist 2. Go To Hell 3. (Don't Need) Religion 4. Hoochie Coochie Man 5. America 6. Bite The Bullet 7. The Chase Is Better Than The Catch 8. Overkill 凄い! COLOUR NTSC Approx.35min.