戦禍のキーウ(キエフ)を訪れ、地下鉄の駅構内で慰問ライヴを行ったボノとジ・エッジ。音楽シーンの枠を超え、全世界が熱い眼差しを送った特別パフォーマンスを目撃できる極上映像が登場です。そんな本作が撮影されたのは「2022年5月8日フレシチャーティク駅」。そのマルチカメラ・プロショットです。ウクライナは首都キーウの防衛に成功し、現在では世界各国の要人がこぞって訪れる場所となりました。ボノとジ・エッジもゼレンスキー大統領の呼びかけに応えて現地に音楽を届けることとなった。その現場として選ばれたのが防空壕としても使用されていたキーウ地下鉄の駅構内なのです。その模様は音楽番組と言うより、世界的なニュースとして発信。本作は、そんなプロショット映像を10種類・約68分に渡って集成した決定盤なのです。その内容は大きく3つのセクションに分けられますので、それぞれ個別にご紹介していきましょう。ライヴ特集(約42分) まず登場するのは、本作のメインとなる駅構内ライヴの特集。ウクライナの現地TV放送されたもので、ひたすら音楽に特化した内容。普通にライヴのマルチカメラ・プロショットとして楽しめるものです。ただし、曲順・内容は現場通りではない可能性が高い。現在はまだ情報が錯綜している状態なので断言はできないものの、どうも当日は9曲が演奏された模様。放送されたのは、その中から「Pride (In the Name of Love)」以外の8曲であり、本作もそれに準じています。パフォーマンスはジ・エッジのアコギ1本をバックにしたスタイルで、ボノが歴代の名曲群を熱唱。「With or Without You」はこの日初めてアコースティック・バージョンが披露され、「Walk On」ではウクライナへの連帯を願う特別版(後述)の歌詞で歌われています。そんな中で一番の見どころはラストの「Stand by Me」。言わずもがなのベン・E・キングの名曲カバーなわけですが、ここでは歌詞を「stand by me」から「stand by Ukraine」に変えて歌っています。そして、それ以上なのがゲスト共演。ウクライナ軍の兵士が登場し、ボノとデュエットするのです。そして、この兵士がメチャクチャ巧い。ボノを差し置いて主役と化しているのです。それもそのはず、実はこの兵士の本業はミュージシャン。ウクライナのロックバンドANTYTILAのシンガー、タラス・トポリアです。タラスはエド・シーランとも交流があり、共演バージョンの「2step」が世界的に話題ともなりました。そもそもANTYTILA自体がウクライナの国民的バンドらしく、そんな地元の英雄が世界のU2と並び立っている。私たちにとってはバカ巧なシンガーが軍服で戦っている現実感に戦慄を覚えますし、現地の人々にとっては世界との繋がりに勇気づけられる夢の大共演なのです。「Walk On」の特別パフォーマンス(約4分)続いて登場するのは、「Walk On」の生演奏クリップです。これはウクライナへの連隊を訴えるために4月9日に公開されたバージョン。本編ライヴと同じくボノとジ・エッジによるアコースティック演奏で、歌詞も変えられています。ニュース/ドキュメンタリー(8種・約22分) 最後のセクションは、ボノ&ジ・エッジの訪問を伝えるTVニュースやドキュメンタリー映像です。地下鉄ライヴ自体を報道する各国ニュース番組が5種、ロシア軍によって破壊された街並みを視察する2人を捉えたドキュメンタリーが3種収録されています。それぞれに貴重ですが、特に美味しいのが“The Guradian”。日本語字幕が付いており、ライヴ中にボノが話したスピーチ内容も日本後字幕でビビッドに理解できます。昨年は新型コロナ禍を耐えるための無観客ライヴが多数配信されましたが、2022年はウクライナ侵攻が時代の象徴にとって変わられました。本作はシンプルに優れたライヴ・プロショットでもありますが、それ以上に2022年という時代に音楽シーンが反応した第一歩でもあるのです。すっかり過去になっていたはずの「音楽は世界を変えられるのか?」という命題がリアルに甦ってしまった2022年。本作は、今この瞬間を生き、音楽を愛し続けるすべての人が体験すべき1枚。キーウ地下鉄の駅構内で行われたアコースティック・ライヴ映像がリリース。現地TV特番をフル収録し、さらに「Walk On」の特別ライヴPVや各国ニュース/ドキュメンタリー等の関連映像も網羅した決定盤です。Live at Khreshchatyk Subway Station, Kiev, Ukraine 8th May 2022 PRO-SHOT (67:53) Live at Khreshchatyk Subway Station, Kiev, Ukraine 8th May 2022 1. Intro 2. Vertigo 3. Desire 4. Angel Of Harlem 5. Sunday Bloody Sunday 6. With Or Without You 7. One 8. Walk On 9. Stand by Me ★タラス・トポリア共演 Bono & The Edge 10. Walk On Ukraine News & Digest 11. The Guradian ★日本語字幕「あななたちは自由ある世界のために今ここにいます。ウクライナの人々は自分の自由のためだけではなく、世界中の人々の自由のために戦っているのです」12. RTE News 13. Le Parisien 14. Daily Mail 15. NBC News Visit Towns & Interview 16. Daily Mail 17. Ukraine Media 18. Ukrinform TV PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.68min.