本作に収められているのは「1979年2月21日ハートフォードシャー大学」。そのマルチカメラ・プロショットです。この番組は新進気鋭のバンドに焦点を当てるもので、大学講堂などの小さい会場で放送前提で開催。チケットは学生組合に無料配布されることもあり、若いミュージシャン達にとって強力な味方となるものでした。そして、1979年にはデビュー当時のTHE POLICEも出演したわけです。そんな番組をDVD化した本作は、まさに「完全オフィシャル級」と呼ぶに相応しい極上映像。これは「1979年にしては」の枕詞は付きません。ステージ照明こそ当時の技術なのでやや地味ではありますが、画質/音質とも2022年現在でも堂々「オフィシャル級!」と断言できるものなのです。それもそのはず、本作は1979年当時の録画ではない。2007年に“BBC FOUR”で流されたデジタル再放送バージョンなのです。13年前とは言え、放送がデジタルなら録画もデジタル。局マスターの映像美を劣化なしでDVDに移し替えているのです。そんなパーフェクト・クオリティで描かれるのは、「目で観るアウトランドス・ダムール」と言えそうなステージ。“Rock Goes To College”版では2回目の「Can't Stand Losing You」が放送されていないので本編プレスCDよりは短いですが、それでも約40分。『OUTLANDOS D'AMOUR』からの7曲を軸としたセットはまさに「動くアウトランドス・ダムール」です。そして、何より光景と演奏そのものがレア。何しろ、当時のスティングはまだ27歳。ツナギの作業服で吠える姿には青臭ささえ漂い、痙攣するようにビートに乗るアクションは溢れ出して止まらないエネルギーに充ち満ちている。これもCDの解説で触れましたが、本作の「Message In A Bottle」は、全世界初演。それをマルチカメラのプロショット映像で目撃できるわけです。CDは『OUTLANDOS D'AMOUR』にも匹敵する歴史的ライヴアルバムですが、本作もまた同等の価値を誇る映像篇です。スタジオ篇『OUTLANDOS D'AMOUR』とライヴアルバム篇の『HATFIELD 1979 BBC: TRANSCRIPTION LP』、そして映像篇の本作。「デビュー時代THE POLICEの3部作」と言っても過言ではない決定的な1枚。Live at Hatfield Polytechnic, Hatfield, UK 21st February 1979 PRO-SHOT (BEST QUALITY) 1. Can't Stand Losing You 2. So Lonely 3. Fall Out 4. Hole In My Life 5. Truth Hits Everybody 6. Message In A Bottle 7. Peanuts 8. Roxanne 9. Next To You PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.40min.