ヴィニー・カリウタ、ジェイソン・リベロ、そしてタル・ウィルケンフェルド……歴代でも屈指の実力者に囲まれた2007年のジェフ・ベック。その決定的プロショット映像を2公演分まとめた“お得盤”が登場です。本作は「2007年7月28日CROSSROADS GUITAR FESTIVAL」と「2007年11月29日RONNIE SCOTT'S JAZZ CLUB」のプロショットを1枚ずつのDVDに収めた2枚組。今なお人気の高い、このメンバーの動く姿を観るなら“まずはコレ!”という大定番のベストバージョンです。まず、ディスク1は2007年7月28日シカゴで行われた“CROSSROADS GUITAR FESTIVAL”出演時のプロショット。ネットでストーリング配信された有名な映像です。8年前のストリーミングということもあり、現在のHD画質を見慣れた目には、コマの足りない映像という気もしてしまいますが、別々にカクカクしているわけではありません。撮影自体が完璧なプロショット&サウンドボード音声でもあり、2000年代のプロショットとしては充分のクオリティです。全編にわたって見どころだらけなのですが、やはりイチバン目を惹くのは、キュートなタル・ウィルケンフェルドの姿でしょう。当時、若干20歳のタルは、この2007年7月にジェフのレギュラー・ベーシストに抜擢されたばかり。まだまだ場数も踏んでいない状態で、ちょっと緊張していたのか、サングラスで表情を隠しての登場です。冒頭の「Resolution/Eternity's Breath」では、キーボードのジェイソンと挨拶代わりのユニゾンを聴かせ、次の「You Never Know」でも見事なベース・イントロを轟かせる。最初は、明らかに様子見な雰囲気の観客も少しずつ、少しずつほぐれていき、振り上げる腕の数も増えていくのです。そんな匍匐前進のようなムードがグッと代わるのが、3曲目の「'Cause We've Ended As Lovers」中盤のベースソロ。ジェフもじっくりと見守る中、サウンドボードの遠い遠い歓声でもハッキリ分かるほど会場が沸きに沸き立つ。そのソロを受けて演奏に戻るジェフのフレーズは、タルを賞賛するようにキレにキレまくる。もちろん、ジェフもすでに充分に認めているからこそレギュラーの座を与えたわけですが、加入直後の大舞台で観客にも受け入れられ、それをジェフがギターフレーズで祝福する。幾多のバージョンで感動させてくれた名曲中の名曲ですが、この日は本当に格別です。その後は、表情の硬さも取れ、あどけない顔立ちに無邪気な笑顔を浮かべながら大役を果たしていく。終演の挨拶ではジェフがタルの右手にキス。メンバー全員と1人ひとりハグしてステージを去っていくタル。演奏はもちろん、緊張、喜び、安堵……ジェフもタルも、そして観客の様子まで、一部始終をプロショットで観られるのです。代わってのディスク2は、4ヶ月後の“RONNIE SCOTT'S JAZZ CLUB”公演。オフィシャルでDVD/Blu-rayもリリースされましたが、そちらは5日間からの編集版。本作はBBCの放送バージョンで「11月29日」だけの映像です。オフィシャル化されたことからも分かる通り、本作のクオリティは完璧。画質・音質はもとより、カメラワークに演奏に至るまで、総てがパーフェクトです。フェス出演のディスク1と比べ、狭いクラブでの演奏は密室感・親密感もたっぷりで、極上のジェフ・ベックが存分に味わえる。さらに豪華なのはゲスト。オフィシャルでご覧になった方も多いと思いますが、本作でも「People Get Ready」でイギリスのR&Bシンガー、ジョス・ストーン(彼女も当時20歳)、「Blanket」では、この年のグラミー賞新人賞にノミネートされたイモージェン・ヒープ、そして「You Need Love」ではエリック・クラプトンとの共演が観られます。このディスク2では、4ヶ月前とは別人のように余裕たっぷりのタルを楽しむこともできます。気紛れギターとの交感を楽しむように無邪気に微笑み、トボけ、顔をしかめて笑う。感じたままにコロコロと表情を変えながらも、バツグンにセンスの良いフレーズを紡ぎ出してはヴィニーと渡り合い、ジェイソンとキメを重ね、ジェフのギターと絡んでいくのです。ジェフ・ベック史上でも、間違いなく特別な輝きを放っていた2007年。その動く姿を大定番プロショット2種で押さえきった2枚組です。Crossroads Guitar Festival, Toyota Park, Bridgeview, Chicago, IL. USA 28th July 2007 PRO-SHOT Ronnie Scott's Jazz Club, London, UK 29th November 2007 PRO-SHOT(Broadcast Version)Disc 1 CROSSROADS GUITAR FESTIVAL 2007 Live at Toyota Park, Bridgeview, Chicago, IL. USA 28th July 2007 1. Introduction 2. Resolution / Eternity's Breath 3. You Never Know 4. 'Cause We've Ended As Lovers 5. Stratus 6. Behind The Veil 7. Nadia 8. Led Boots 9. Angel (Footsteps) 10. Big Block 11. Goodbye Pork Pie Hat 12. Brush With The Blues 13. A Day In The Life Jeff Beck - Guitar Tal Wilkenfeld - Bass Jason Rebello - Keyboards Vinnie Colaiuta - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 51min. Disc 2 Live at Ronnie Scott's Jazz Club, London, UK 29th November 2007 Broadcast Version 1. Interview 2. Eternity's Breath 3. Stratus 4. Behind The Veil 5. Nadia 6. Space Boogie 7. Angel (Footsteps) 8. People Get Ready with Joss Stone 9. Goodbye Pork Pie Hat/Brush With The Blues 10. Blanket with Imogen Heap 11. A Day In The Life 12. You Need Love with Eric Clapton 13. Where Were You Jeff Beck - Guitar Jason Rebello - Keyboards Tal Wikenfeld - Bass Vinnie Colaiuta - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 58min.